『一番好きな人(裏)』
このまま時間が止まってしまえばいい・・・
互いの温もりを感じながら二人はいつまでも抱き合っていた・・・
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(これって・・・ひょっとして・・・すごくいい雰囲気か?)
互いの想いを伝えあってホッとしたせいか?
小狼の頭にムクムクと邪(よこしま)な考えがわきあがって来た。
たしかに非常にいい雰囲気である。
ムードはバッチリだ。
この流れのまま行けばキスくらいは許されるだろう。
いや、ひょっとしたらもっと先まで大丈夫かも?
好機(チャンス)!
(一番好きな相手なんだから・・・いいよな?さくら・・・?)
・・・と自分理論で納得してさくらの顎に手をかけようとしたその時、
「小狼様、桜様、お茶が入りました」
リビングから偉の声がかかった。
「あ、偉さん!おはようございます!」
悩み事が解決していつもの元気を取り戻したさくらは飛び跳ねるようにしてリビングに行ってしまった・・・
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「(ウ〜ェ〜イ〜〜〜〜〜〜!!!)」
・・・好機を逃したあまりの口惜しさに(心の中で)偉を非難してしまう。
確信犯でやってる桃矢やケルベロスと違って、悪意のない偶然のなせる業なので表だって文句は言えない。
生まれた時から忠実に仕える老僕が、この時ばかりはうらめしかった・・・。
END?