『生誕の日・オマケ編』
バタン
「ふぅ。危なかった・・・」
ドアを閉めたところで小狼様は天を仰いで嘆息しました。
本当にアブナイところでした。
「小狼様。お誕生日おめでとうございます。わたしからのささやかなプレゼントです。どうぞ、この卑しいさくらの肉を存分にお楽しみください・・・」
さくらの告白を聞いた時、小狼様の頭の中はすっごく目まぐるしく変化しました。
@ さ、さくら? プレゼント? お楽しみください??
↓
A それって、やっぱりそういう意味だよな?
↓
B い、いいのか!? いいのか、さくら? いいんだな!
↓
C さくら! お前もオレを想っていてくれたんだな! 嬉しいぞ!
↓
D それじゃあ遠慮なく、いっただっきま〜〜・・・!?
↓
E 隣の部屋から人の気配!? この気配・・・姉上たちか!
↓
F そうか! 姉上たちの悪戯か!
↓
G さくらがこんなこと言い出すなんておかしいと思ったけど・・・
↓
H ここで手を出したら後で姉上たちにオモチャにされるな。もったいないけどここはスルーするしかない。くそっ!!
この間、0.5秒。
そんな短い間にここまで思考できるのは日頃の鍛錬の賜物でしょうか。
さらに、その後のさくらとのやり取りの間も冷静さを繕っていられたのは見事と言う外ありません。
(仏頂面だったのは減点ポイントですが)
ですが、そこはやっぱり純情初心な小狼様。
インパクト絶大なさくらの裸の前で冷静さを保っていられるのは1分が限界だったようです。
かぁぁ〜〜〜っっ
部屋を出たら一気にお顔がまっ赤ッ赤になってしまいました。
まあ、無理もないですね。
さくらのぷりぷりとした美味しそうなおっぱいが頭の中でグルグルしてるところですので。
「うっ・・・いかん・・・」
おっと。
さくらのおっぱいを思い出したら鼻血が出そうになってしまいました。
小狼様、あわてて鼻を押さえます。
と、そこで隣の部屋から
「いたたた。も〜小狼! 何するのよ!」
怒声とともにドタバタとした足音が響いてまいりました。
どうやら気の一撃を喰らって気絶していたお姉さま達が蘇生したようです。
「まったく。次から次へとロクでもない悪戯ばかりして・・・『錠(ロック)』!」
小狼様、よほどに頭にきたのでしょうか。
魔法の札を取り出すと、お姉さまたちの部屋のドアを『錠』のカードでロックしてしまいました。
ガチャガチャ
ガチャガチャ
「あ、あれ?」
「どうしたのよ」
「ドアが開かないんだけど」
「え〜〜なんで〜〜? 鍵がかかってるんじゃないの〜〜?」
「ううん、鍵は外れてるの。なのに開かないの」
「え〜〜??」
「ふん。しばらくそこで頭を冷やしているといいですよ。姉上」
☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆
さて、その翌朝・・・よりもちょっと前。
まだお日様が昇ってない時間。
「うわわわわ〜〜〜っっ!!」
小狼様はおかしな声をあげてベッドから跳ね起きました。
どうやら、あまりよくない夢を見てしまったようです。
まあ、なんと言いますか。
正確に言いますとよくない夢ではなくて、よすぎて困っちゃう夢だったみたいですけど。
ぽわぽわぽわ〜〜〜
※以下、小狼様の夢の回想
『小狼様。わたし、ずっと小狼様のことをお慕いしていました』
『小狼様にだったらわたし、どんなことをされても・・・』
『恥ずかしい・・・でも、小狼様になら・・・』
『あぁ・・・小狼様・・・そんなところを・・・』
『小狼様・・・』
『小狼様・・・』
※ここまで
「うぅ・・・。オレはこんなにイヤラシイ男だったのか・・・? さくらの体であんなことを夢想するなんて・・・。さくら、ゴメン!」
自己嫌悪に陥る小狼様
ま、小狼様くらいのお年頃の男の子が、あんな刺激的なものを見せられたらこうなっちゃうのは当たり前なんですけど。
潔癖症の小狼様はそれが許せないみたいですね〜〜。
☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆
「ハァッ! トゥッ! エィッ!!」
まだうす暗い庭に出てひたすら剣の稽古に勤しむ小狼様。
「あんな夢を見るのは鍛錬が足りないからだ! エィッ! トゥッ!!」
邪な心を振り払おうと必死になって身体を動かしています。
ホントに真面目な御曹司様です。
「ヤァッ! ハッ! エィッ!!」
二人の新しい1日が始まるまでもうしばらくお待ちください。
END
生誕の日、オマケ編。
実は純情編のオマケの方を先に書いていたのですが、なぜか超鬼畜ド外道展開になってしまったので先にこちらをアップ。
純情編のオマケはまたそのうちに。