『秘密の時間・プラトニック編』


(※この先、ちょっぴりエッチです)



〜〜前回のあらすじ〜〜
魔力の補給を口実にしてエッチなことを強要する小狼。
小狼は本当はエッチなことがしたいだけ、と気づいているのになぜか抵抗できずに言いなりになってしまうさくら。
今日もクロウの事件を解決した後、強引に小狼のマンションに連れ込まれてしまう。

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はぅ〜〜。
また小狼くんの部屋に来ちゃったよ〜〜。
に、逃げなきゃ!
今からでも何とかして逃げないと!
またエッチなことされちゃうよ〜〜!!
『翔(フライ)』を使ってあの窓から飛んでけば・・・ってダメだよ〜〜。
今日は4枚もカードさんを変えたから、もう魔力が残ってないよ〜〜。
魔力を使いすぎて足もフラフラだし。
はぅぅぅ〜〜〜。

そ、そうだ!
知世ちゃん!
知世ちゃんのボディガードの人に助けてもらおう!
携帯で知世ちゃんに連絡してボディガードの人達に来てもらえば・・・

「なにをやってるんだ」
「べ、別に。何もしてないよ」
「だったら、さっさと横になれ。時間が惜しい。すぐに始めるぞ」
「うん・・・」

なんでぇぇ〜〜?
なんでわたし、小狼くんの言うことに逆らえないの〜〜??
なんでなの〜〜??

ひょっとして魔法?
魔法なの??
小狼くん、わたしに魔法をかけてたの?
そ、そうだよ! きっと魔法だよ!
小狼くん、わたしの体に魔力を流し込みながら魔法をかけてたんだ!
小狼くんの言うことに逆らえなくなる魔法を!
わたし、もう小狼くんの言うことに逆らえなくなっちゃってるんだよ〜〜〜〜!!

あぁ・・・
もうダメなんだ、わたし。
この先、小狼くんの言いなりになっちゃうんだ。
きっと、きっと!
あ〜んなことや、こ〜んなことをされちゃうんだ!!
それで、それで!
エッチな写真とかいっぱい撮られちゃって「こいつをばら撒かれたくなかったら・・・わかるな?」とかやられちゃうんだ!
奈緒子ちゃんと千春ちゃんが言ってたみたいなことされちゃうんだ!
えぇっとぉ。あ〜んなことやこ〜んなことって何なのかよくわからないけど〜〜
きっと、エッチなことだよ!
エッチなこと、いっぱいされちゃうんだよ!!
うわ〜〜ん。

さわっ

ほえぇぇぇ〜〜! 来たよ〜〜
小狼くんの手が・・・わたしの足首に・・・
そんなにさすらないでよ〜〜
足首はまだいいけど、太股とかさすられると変な気分になっちゃうんだよ〜〜

・・・って、あれ?
どうしたのかな?
今日はずいぶん長く足首をさすってるけど。
いつもだったら、とっくに太股とか触ってるのに。
ま、まさか小狼くん。知世ちゃんが言ってた「女の人の足首が好きな人」になっちゃったの?
ほ、ほぇぇぇ〜〜〜〜! そんなの変態さんだよ〜〜! 小狼く〜〜ん!!

「さくら」
「ほ、ほぇ? なに?」
「お前、どこかで足首を捻らなかったか」
「足? そう言えばさっき、『跳(ジャンプ)』でとんだ時、着地に失敗して捻っちゃったような気がしたけど」
「それでか。少し熱があるな。痛くはないのか」
「う〜ん、ちょっと痛いかな。我慢できないほどじゃないけど」
「そうか。ちょっと待ってろ。湿布を持ってくる」

足首?
小狼くんのことばかり考えてて気づかなかったけど、言われてみたらちょっと痛いような。
やっぱり、さっき捻っちゃったのかな。
見ただけじゃそんなに腫れてるようにも見えないのに、小狼くんよく気がついたね。
ふ〜ん。
小狼くん、ちゃんとわたしの体に異常が無いか確認してたんだ。
エッチなことだけ考えてたんじゃなかったんだね。

ううん、ダメダメ!
そんなことに感心してちゃダメ!
小狼くんがエッチなこと考えてるのには変わりはないんだから!
油断しちゃダメだよ!

「待たせたな。湿布を貼るからちょっと足首を伸ばしてくれ」
「こう?」
「そうだ。しばらくそのままにしてくれ」

油断しちゃダメ!
よく見てないと。
湿布を貼るふりをしてまた、おかしなことされちゃうかもしれないんだから!

でも。
やっぱり湿布を貼ってもらうと気持ちいいな。すーっとする。
あ! 小狼くん、またわたしの足首をさすり始めた!
やっぱりエッチなことを・・・?
ん? あれ?
気のせいかな。
小狼くんにさすられると痛みが引いていくような。
なんか気持ちいい・・・

「小狼くん、それ何やってるの? 小狼くんにさすられると痛みが引いていくみたいだけど。魔法なの?」
「いや、これは魔法じゃない。整体術の一種だ。経絡を刺激して痛みを抑えてるんだ」
「ふ〜ん。小狼くん、そんなことまでできるんだ。スゴイね」
「言っておくけど痛みを抑えてるだけだからな。捻ったところが直るわけじゃない。骨に異常はないようだけど、しばらくは無理に動かすな」
「は〜〜い」

小狼くんはやっぱり凄いな〜〜。
整体術なんて本当にできるんだ。エッチなことをするためにデタラメ言ってるだけだと思ってたよ。
今までもちゃんと、わたしの体のことを確認しててくれたのかな。
この手で。
この傷だらけの手で・・・

小狼くん・・・

小狼くんの手が傷だらけなのはわたしのせいだ。
わたしのことを庇ってこんなに傷だらけになっちゃったんだ。
ううん、手だけじゃないよ。
ほっぺの絆創膏は、さっきわたしの下敷きになっちゃった時の傷だよね。
小狼くん、全身傷だらけ。
いつもいつも・・・小狼くんはこんなに傷だらけになってわたしを守ってくれてるんだ・・・
いつも・・・わたしのことを・・・わたしだけを・・・
小狼くんは・・・

あ。
んん・・・ふぅぅ・・・!

足首の治療は終わったのかな。
小狼くん、太股をさわり始めたよ。
あ、お腹も・・・む、胸も。んんっ!
もう、小狼くんってば。胸ばっかりさわり過ぎだよ。そんなに胸ばっかり検査するのは変でしょ?

でも、不思議だな。
なんか今日はいつもより小狼くんの手が気持ちいいよ。
なんか、こう・・・
小狼くんに触られたところが暖かくなってくる気がするよ・・・

あれ、小狼くん。手を引っ込めちゃった。
検査はもう終わりなのかな。
いつもより少し早いよ?
今日は足首に時間をかけすぎたから焦ってるのかな。

「大丈夫だ。足首以外に異常はない」
「ありがとう、小狼くん」
「時間がない。さっさと次を始めるぞ」
「うん」
「この間も言ったけど、魔力の流れをよくするために・・・」
「わかってるよ。お洋服を脱げばいいんでしょ」

ばさばさっ

「これでいい?」
「!?あ、あぁ」

あ。小狼くん、ちょっと照れてる?
ほっペが紅くなってるよ。うふっ。小狼くん、可愛い〜〜。

「じゃあ、始めるぞ。体の力を抜け」
「は〜〜い」

ふふっ。
いいよ、小狼くん。
ちょうだい。小狼くんの魔力を・・・

―――――――――――――――――――――――――――――――――

「さくら。今日は小僧のとこで、何かあったんか」
「え。どうして?」
「小僧の家から帰ってきてからず〜っと頬が緩みっぱなしや。何かええことでもあったんか?」
「!? なんにもなかったよ! ホントだよ!」
「ほんまか〜? それにしてはニヤけっぱなしやけど・・・あ! わかったで!」
「(ドキッ! 小狼くんとのこと・・・気づかれた?)」
「お菓子やな? 小僧の家でお菓子食うてきたんやろ! 天津か? 桃饅か?」
「(がくっ・・・)もぉ〜〜、ケロちゃんは食べることしか考えてないんだから。本当に何にもなかったよ。お菓子ももらってないよ」
「ほんまか〜〜?」
「ホントだよ!」

ホントにケロちゃんってば、食べることしか考えてないんだから! もう。
でも・・・わたし、そんなにニヤニヤしてた?
小狼くんのこと考えてただけなのに。
今日の小狼くん、すっごく可愛くて、優しくて、それに・・・とっても気持ちよくて・・・
やだ、思い出したらまたホッペが緩んできちゃった。
本当に気持ちよかったな〜〜。
こう、体の奥がキュ〜〜っとするみたいな感じで。アレってなんだったんだろう。
知世ちゃんに聞いたら教えてくれるかな。
う〜〜ん、でも、知世ちゃんに聞いちゃイケないことのような気もするな〜〜。
やっぱり、小狼くんに直接聞くしかないのかな〜〜。
それも恥ずかしい気がするし。
う〜〜ん。

ま、いっか。

クロウさんの事件が起きれば小狼くん、またやってくれるよね。
わたしにいっぱいいっぱい、魔力を分けてくれるよね。うふっ。

だから。
ねぇ、クロウさん。
お願いだからもっと事件を起こしてよ。
わたしが魔力を使いきっちゃうような事件を。
小狼くんが、わたしにいっぱい魔力を分けてくれるような事件を・・・

END


鬼畜編の後にプラトニック編。
どの辺がプラトニックなのかというツッコミは禁止とさせていただきます。
エッチをしてなければプラトニックなのです。多分。

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