『姫・・・?』



ぱんぱん
ちゃり〜〜ん

桜 :「(今年もみんな健やかでありますように。それと小狼くんとずっと一緒にいられますように。あと数学の成績がもう少し上がりますように。あと国語の成績もちょっとだけ上がりますように。あと社会の・・・)」
小狼:「(今年も李一族が・・・って日本の神様に祈るのは筋違いか。だったら・・・今年もさくらと一緒にいられますように。あと今年こそさくらと・・・え〜っと、その・・・ごにょごにょ・・・できますように!)」

ぱんぱん

桜 :「これで初詣も終わりだね」
小狼:「ああ。それにしてもさくら、ずいぶん長くお願いしてたけど一体、何をお願いしてたんだ?」
桜 :「えへへ。今年も一年小狼くんとずっと一緒にいられますようにってお願いしてたの」
小狼:「(かぁぁぁ〜〜〜)そ、そうか。でもそれだけにしては長すぎないか?」
桜 :「あとね。数学の成績がもう少し上がりますようにって。それと国語の成績も。あと社会と理科と英語と・・・」
小狼:「日本の神様って百円ぽっちでそんなにいっぱい願い事を叶えてくれるのか?」
桜 :「う・・・。ちょっと欲張りすぎたかな。あっ!山崎くん」
山崎:「やあ、李くん、木之本さん。あけましておめでとう」
桜 :「あけましておめでとう。山崎くん」
小狼:「あけましておめでとう。山崎」
山崎:「二人で初詣かい?新年早々、ラブラブだね〜〜〜」
小狼:「そういうお前は一人か?三原と一緒じゃないのか」
山崎:「それが〜。千春ちゃんとは一緒に来たんだけどそこではぐれちゃってね〜〜〜。あぁ、そうそう。ラブラブといえば二人とも『姫はじめ』は済んだの?」
小狼:「姫はじめ?なんだそれ。日本の正月行事か、さくら?」
桜 :「わたしも知らないけど。そんなのあったっけ?」
山崎:「(あれ?この二人には少し早すぎたかな。・・・ニヤリ)あれ、二人とも『姫はじめ』を知らないの?『姫はじめ』っていうのはね・・・」


バコォッ!!


千春:「新年早々、何をバカなこと言ってるのよ!あ、さくらちゃん、李くん。あけましておめでとう」
桜 :「あけましておめでとう、千春ちゃん」
小狼:「あけましておめでとう」
山崎:「痛たたた。ひどいな〜千春ちゃん。新年早々、ツッコミがキツイよ〜」
千春:「山崎くんがお正月からバカなこと言ってるからでしょう!まったくもう!」
山崎:「バカなこと〜?僕はただ李くんに日本の伝統行事を知ってもらおうと思っただけなのに〜〜〜」
千春:「姫はじめのどこが日本の伝統行事なのよ!」
山崎:「立派な伝統行事だと思うけどな〜。その証拠に・・・」
千春:「証拠に?」
山崎:「千春ちゃん、さっきはあんなに可愛い声をあげてくれたじゃ・・・」


ドカァッ!!!


千春:「バ、バカッ!なに言ってるのよ!李くん、さくらちゃん!今年も山崎くんの言うこと信じちゃダメだからね。それじゃ!」

ずるずるずる・・・

小狼:「相変わらずだなアイツらは」
桜 :「あ、あははは・・・。でも、山崎くん大丈夫かな?首が曲がっちゃいけない方向に曲がってたけど」
小狼:「大丈夫なんじゃないか?多分だけど」
桜 :「そうかなぁ。あ!知世ちゃんだ。知世ちゃ〜〜〜ん!」
知世:「まあ、さくらちゃん!李くん!」
桜 :「知世ちゃん。あけましておめでとう」
小狼:「あけましておめでとう、大道寺」
知世:「あけましておめでとうございます。さくらちゃん。李くん」
桜 :「知世ちゃんも初詣?一人で来たの?」
知世:「いえ、母と一緒だったのですが、この人込みではぐれてしまいまして。それにしても・・・あぁぁっ!」
桜 :「と、知世ちゃん?どうしたの?」
知世:「振袖姿のさくらちゃん・・・たまりませんわ〜〜〜!これぞまさしく大和撫子!日本の美の結晶!新年早々、こんな素晴らしいものが見れますなんて・・・あぁ、幸せすぎて目眩が・・・ビデオを持ってこなかったのが悔やまれますわ〜〜〜!!」
桜 :「・・・(汗)」
小狼:「(こいつも相変わらずだな・・・)あ、そうだ。大道寺に聞きたいことがある」
知世:「わたくしに?なんでしょうか」
小狼:「『姫はじめ』についてなんだが」
知世:「まぁ!お二人ともいつの間にそんな深い関係に!?」
小狼:「二人?二人でやることなのか?」
知世:「あら?李くん、姫はじめが何かご存知なんじゃありませんの?」
小狼:「いや、さっきそこで山崎に聞いた」
桜 :「わたしも知らなかったから山崎くんに説明してもらおうと思ったんだけど。千春ちゃんが来て山崎くんを連れてっちゃって」
知世:「あらあら。(なるほど、そういうことでしたの。・・・ニヤリ)李くん、さくらちゃん、これからさくらちゃんのお家に行かれますわよね?」

小狼:「ああ、そのつもりだ。ちゃんと新年の挨拶をしておきたいからな」
知世:「でしたら、さくらちゃんのお家の方にお聞きした方がよろしいですわ。そうですわね、桃矢さんにお聞きするのがよろしいかと」
小狼:「桃矢?なんであいつに?」
知世:「こういうことはご家族の方、特に年の近い兄妹にお聞きするものですわ」
小狼:「そういうものなのか?」
知世:「そういうものですわ。できれば男同士、李くんお一人でお聞きになるのがよろしいですわ」
小狼:「あいつにか。あいつはどうも苦手なんだけど」
知世:「それそれ。いずれさくらちゃんと一緒になったら桃矢さんも李くんのご家族。今のうちから慣れておきませんと」
桜 :「そうだね!小狼くんとお兄ちゃん、会うといつもケンカ腰になっちゃうから。今年は二人に仲良くなって欲しいな」
小狼:「そうか。わかった。オレ一人で桃矢に『姫はじめ』の作法について聞けばいいんだな?」
知世:「なるべく丁寧にお聞きするとよろしいですわ」
桜 :「知世ちゃん、いろいろありがとう。それじゃあ小狼くん行こう!じゃあね、知世ちゃん」
小狼:「あまり気が進まないけどしょうがないな。あぁ、大道寺。ありがとう。じゃあ」
知世:「おほほほ。それでは。がんばってくださいね、李くん(死なない程度に・・・おほほほほ〜〜〜)」

・・・・・・・・・

こうして心優しい友人達の計らいによって新年早々、激震に見舞われる木之本家なのでありました。

えんど。

次回!『激震!荒れ狂う木之本家!』・・・に続きません。


お正月らしい話を・・・と思っていたら何故かこんな話に。
今年もこんな感じだと思ってください。

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