『真・赤ずきんちゃん』


拍手お礼ストーリー
世界迷作劇場その2改 真・赤ずきんちゃん

キャスト
赤ずきんちゃん:さくら
お母さん:雪兎
お婆さん:ケルベロス
狼:小狼
猟師さん:知世

(そう、これでこそ正統派のCCさくら版、赤ずきんちゃんのキャストですわ!)
(正統派って・・・このサイトにそんなもんあるわけないやろ)
(いいえ!今度こそ邪悪な狼を討ち取ってさくらちゃんと・・・それでは始まり!ですわ!)

☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆

昔々、あるところに赤ずきんちゃんという可愛らしい女の子がいました。

「赤ずきん、赤ずきんや」
「はい、お母さん」
「ちょっとこれをお婆さんのところに持っていってくれないかい」
「はい、わかりました。お母さん」

と、このようにとっても素直ないい子です。
素直すぎて人を疑うことを知らないのは今のご時世、少し危ないかもしれませんけど。

「じゃあ、行って来ます」
「気をつけていくんだよ」
「は〜い!」

たたたたた〜〜〜っ

元気いっぱい、家を飛び出す赤ずきんちゃんでした。

「う〜ん、大丈夫かしら?あの子、ちょっとヌケてるところがあるのよね」

だからそんな子を一人でおつかいには出さない方が・・・

☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆

さて、その頃のお婆さんの家。

きゅっ、きゅっ

「♪〜♪♪〜〜〜」

あれ?
なぜか、もう猟師さんが到着してますね。
楽しそうに銃を磨いています。

「知世、じゃなかった。猟師さん。ちょっと聞いてええか?」
「なんでしょう。お婆さん」
「なんで猟師さんがこんなに早くお婆さんの家に来とんのや。猟師さんの出番は最後だけやないのか?」
「おほほほほ。愚問ですわ。予防に勝る保全なし!むざむざと赤ずきんちゃんが襲われるのを待つなど愚の骨頂。赤ずきんちゃんが来る前に邪悪なけだものを見事、仕留めてみせますわ!」

どうやら猟師さん、赤ずきんちゃんが来る前に勝負をつけてしまう気のようです。
銃の手入れに余念がありません。
それにしても・・・

「猟師さん、もう一つ聞いてええか?」
「聞くことが多いですわね。なんでしょうか?」
「その銃、ちょっとおかしくないか?」

お婆さんが疑問に感じるのも当然でしょう。
猟師さんが磨いている銃、並の銃とは少し出来が違うようです。

洗練されたスマートなフォルム。
アルミ合金の銃身に強化プラスチック製の銃床。
グリップ装填式の弾倉。
一目で対人殺傷用とわかる鋭角な弾丸。
猟師さんが覗き込んでいるのは赤外線スコープでしょうか?

これまた童話の世界にはふさわしくないシロモノです。

「これですの?これは『アーマーライトM16A1・スナイパーカスタム』。米軍正式採用のアサルトライフルを狙撃用に改良した特注品ですわ」
「あ、アサルトライフル?狙撃用??」
「近くを跳ね回る獲物も、遠くを逃げる獣もこれ一丁でOK。まさに至高の一品。これさえあれば今度こそ李くんを・・・うふふふ(うっとり)」
「・・・。そんな物騒なもんいったい、何処で手に入れたんや」
「お母様の知り合いのゴル・・・いえ、東郷さんにお借りしましたの」
「・・・・・・・・・」

猟師さんの全身から吹き上がる『本気の殺意』に恐れをなしてお婆さんは沈黙してしまいました。
猟師さん、殺る気マンマンです。
ここで永きに渡った「さくらちゃん争奪戦」にピリオドを!その決意が瞳の奥にメラメラと燃え上がっています。
うかつに口を挟んでは何をされるかわかったものではありません。

(あかん・・・下手するとわいも殺られてしまう・・・)

しょうがないのでお婆さん、ここで話題を変えることにしました。

「そ、それにしても小僧、なかなか来いへんな〜〜〜」
「たしかに李くん、少し遅いですわね。もう来てもいいころですが」
「ちゅーか、もうさくらが着いててもええ時間やないか?」
「言われてみれば・・・なにかあったのでしょうか?」

☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆

さて、お婆さんの家がなにやらトンでもないことになっているその頃。
狼さんが何をしているのかというと・・・

「♪♪〜〜〜♪〜」

あれれ?
狼さん、お婆さんの家とは全然違う方に向かって歩いていますね。
その肩になにか重そうな荷物をぶら下げた棒を担いでいます。
いったい、どうしてしまったのでしょうか?

「あの〜〜〜ちょっと聞いていいですか?」

と、ここで棒の先にぶら下げられた『荷物』が喋りかけてきました。
荷物が喋る?
ぶら下げられた荷物の正体・・・それは・・・

『縄でぐるぐる巻きにされた赤ずきんちゃん』

でした・・・

「なんだい、赤ずきんちゃん」
「わたし、なんで縛られちゃってるの?」
「それはね赤ずきんちゃん。お前が逃げてしまわないようにだよ」
「・・・(汗)え〜っと、それじゃあ狼さん、これから何処にいくの?」
「もちろんオレの家さ。くくっ・・・」
「・・・(汗汗)え、えぇ〜〜〜っと、それで狼さんの家でいったい何をするの?」
「それはね、赤ずきんちゃん・・・お前を美味しく頂いてしまうのさ!!!
「ほ、ほえええぇぇぇ〜〜〜〜〜〜っっ!!!」

(ふん、大道寺のヤツ、どうせお婆さんの家にトラップでも仕掛けてるんだろう。そうそう毎回、アイツの思い通りになってたまるか!)

う〜ん。
どうやら今回は狼さんの方が一枚、上手をいったようですね。
お婆さんの家に向かう途中の赤ずきんちゃんを手っ取り早く捕まえてしまったみたいです。

こうして哀れな赤ずきんちゃん、やっぱり狼さんに美味しく頂かれてしまうのでした。

めでたしめでたし?

教訓:女の子を一人でおつかいにやってはいけません。

END


拍手お礼ストーリーの再掲です。
ちなみに最近、まじめにCCさくら版の赤ずきんちゃん小説を書かれているサイト様を見かけましたが、これを読んでも笑って許していただけると幸いです。

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