『恵方巻き』



「恵方巻き?なんだ、それ?」
「う〜んとね、手巻き寿司みたいなものかな。節分の夜に食べると縁起がいいんだって」
「節分の夜にか?日本の節分って、たしか豆を蒔くんじゃなかったのか?」
「最近は豆を蒔くよりも恵方巻きを食べるのが流行ってるみたいなの。もともとは関西のほうの風習なんだって。ほら、山崎くんに借りた本にも書いてあるよ」
「どれどれ・・・」

【恵方巻き(えほうまき)】

節分の夜にその年の恵方(縁起のいい方向)に向かって目を閉じて一言も喋らず、願い事を思い浮かべながら太巻きをまるかじりする習わし。関西方面の風習である。
商売繁盛、無病息災、願い事が叶う、その年必ず幸運が訪れる等の意味を持つともされる。
戦国時代、豊臣秀吉の家臣・大谷吉方(おおたに・えほう 1540〜1599)が節分の前日に巻き寿司のような物を食べて出陣し、見事大勝利を収めたという故事を元にしているといわれる。
なお、『恵方巻き』の語源がこの吉方の名に由来することは言うまでもない。

〜民明書房刊 「日本の風習、その歴史」 〜


「ふ〜ん」
「それでね・・・今日はお父さんもお兄ちゃんも帰ってこないの・・・///」
「え?」
「だから、今夜は小狼くんの家で一緒に恵方巻き食べたいんだけど・・・いいかな?」
「(かぁぁぁ〜〜〜)あ、あぁ!」


☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆


トントントントン
くるくるくるくる
サクッ、サクッ

「出来た!」
「これが恵方巻きか。なんか普通の手巻き寿司に見えるけど」
「いいの!気分の問題なんだから」
「そんなものなのか。で、これをどうするんだっけ?」
「え〜っと、たしか『恵方に向かって目を閉じて一言も喋らず、願い事を思い浮かべながら食べる』だったかな」
「恵方って、どっちなんだ?」
「え〜っと・・・・・・(汗)どっちだろ?」
「わからないのか?日本人ならわかるんじゃないのか?」
「はぅ〜〜〜そんなこと言っても。わたしケロちゃんと違って関西の人じゃないし・・・そうだ!」

くるっ

「ん?こっちが恵方なのか」
「うん!わたしにはそっちが恵方なの」
「『わたしには』ってどういう意味だ?」
「だって、縁起のいい方向でしょ。わたしには小狼くんのいる方向が縁起のいい方向だよ!」
「そ、そうか・・・///。だったら・・・」

くるっ

「ほえ?」
「オレにはさくらのいる方向が『縁起のいい方向』だ」
「!(ぽっ)」
「た、食べるぞ」
「うん・・・」


☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆


もぐもぐもぐ・・・
もしゃもしゃもしゃ・・・

(はぅ〜〜〜、なんか恥ずかしいよう・・・って、願い事しなきゃ)
(目を閉じて食べるってけっこう難しいな。あ、願い事するのか)
(う〜ん、何をお願いしようかな〜〜〜そうだ!)
(願い事って言ってもなあ。オレの願いっていったら・・・これしか・・・)



『『今年もずっと二人一緒にいられますように・・・・・・』』



END


セ○ンイレ○ンで考え付いたネタ。
ただそれだけです。
オチはありません。節分に間に合ってませんし・・・

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