『シンデレラ・媚獄編』



世界迷作劇場その5改さらに改 シンデレラ・媚獄編

キャスト
シンデレラ:さくら
意地悪な継母:大道寺園美
意地悪な継姉:大道寺知世
王子様:小狼

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「はひぃぃぃ・・・ひぃぃぃっ!」
「こ、こんな・・・死ぬ、死んじゃうぅぅっ! もう、許してぇぇっ!」

シンデレラは自分が何を見ているのか理解できなかった。

気がついたら暗闇の中に一人で立ち尽くしていた。
自分がどうしてそんな所に立っているのかまったく記憶にない。
周りには何も見えない。真の闇だ。なのに、なぜか自分の体だけはハッキリと見える。
どうしていいかわからずに途方にくれていると、遠くにかすかに光が灯った。
天の救いとばかりに光に向かって進み、辿り着いた先でシンデレラを待っていたのはこの世のものとは思えぬ光景だった。

二人の女性が大勢の男達に陵辱されている。
男達は女の口を、胸を、秘所をそのほか体中のあらゆる箇所を、あらゆる角度から責め嬲っている。
男達と言ったが、正確にはそれは男ではない。男の形をした何か別のものだ。
その顔には目も鼻も口もないし、肌の色も人間のそれとは異なる形容し難い色をしている。
人の尊厳が人でないものに蹂躙されるという、あってはならない光景がシンデレラの目前で展開されている。
年上の女性の豊かな乳房に太い指がめり込む。
もう一人のまだ少女の域を脱していない幼い体躯が、屈強な男達の肉体に挟まれて押し潰される。
その度に女達の口からは人のものとは思えぬ叫び声が上がる。

これだけでも少女が震え上がるには充分な凄まじい光景だが、シンデレラが恐怖した理由はそれだけではない。
陵辱を受けているのはシンデレラの継母と継姉なのだ。
シンデレラにとって絶対神にも等しい存在だった二人。
それが、今は男達にボロクズのように踏みにじられ、惨めな哀願の声をあげている。

「シンデレラ、助けて!」
「さくらちゃん! 助けてぇぇ!!」

シンデレラの存在に気づいたのか、二人が助けを求める声を投げてくるが、恐怖に竦んだシンデレラは動くことができない。
ただ、呆けた顔で眼前の陵辱劇を眺め続けている。

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「あぁぁぁ〜〜〜っっ!」

継母が何度目かの絶頂の声をあげたその時。
何の前触れもなくシンデレラの背後に人の気配が出現した。
驚いて振り返ったシンデレラの目に映ったのは

「小狼さま!?」

小狼王子だった。
初めて会った舞踏会の夜と同じ、とても優しい微笑を浮かべている。

「驚かせてしまったかな」

かけてくる声もとても優しい。これもあの晩と同じだ。
だが、シンデレラはその声に咄嗟には返事を返すことができなかった。
こう見えてシンデレラは勘が鋭い。夜でも人が近づいてくれば気配で察知できる。
なのに、今は小狼王子が近づいてくるのが全く感じ取れなかった。何もないところからいきなり現れたとしか思えない。
それも不気味なのだが、それよりも怖いのは小狼王子の笑顔だ。
こんな恐ろしいものを見ながら、どうしてこの人はこんなに優しい顔で笑っていられるのか。
目の前で起きていることが見えていないのか。
見えているのに笑っているのか。
だとしたら・・・あの男達を操っているのは・・・まさか・・・
シンデレラの脳裏に恐ろしい疑問が浮ぶ。
その疑問にはシンデレラが口にするより早く王子本人が答えを示した。

「あの二人が気になるのかい」
「も、もちろんです! 小狼さま、早くお母様たちを助けてください!」
「シンデレラはやさしいな。でも、あの二人のことは心配しなくても大丈夫だ」
「それは・・・どういう意味ですか」
「死なない程度には手加減してやってるから」
「ま、まさか!? あれは小狼さまが・・・」
「あいつらには罰を与えた。シンデレラ。お前を迷わせたことへの罰だ」

怒りも憎しみも見せず、淡々とした口調で小狼王子は恐るべき事実を口にする。
感情の起伏の感じられぬその声にシンデレラは恐怖した。
そしてようやく気がついた。
小狼王子の顔はたしかに優しい笑顔の「形」はしている。
だが、その色は青白すぎる。
瞳の色も違う。以前見た時は温かみを感じさせる茶褐色だった。
今は紅い。鮮血のように、としか表現できない色だ。
そして、唇から時々のぞく白いもの。犬歯というにはあまりにも長く、鋭すぎる。
これを表す言葉は一つしかない。
牙だ。
目の前の男は人間ではないのだ!

「シンデレラ。お前にふさわしいのはオレだけだ。あんな淫売どもじゃない」

シンデレラの唇を求めて小狼王子の顔が近寄ってくる。
シンデレラは動けない。
理性は逃亡を命じているが、恐怖に縛られた体はピクリとも動かない。
ぬちゃぁ、と音をたてて重ねられた唇の感触はシンデレラの想像通りのものだった。
氷のように冷たい。
ねじ込まれた舌の温度も同じだった。まるで巨大な蛭を口に突っ込まれたかのようだ。
それがシンデレラの舌に絡みついてくる。

「〜〜〜〜〜〜ッッ!」

あまりのおぞましさが恐怖の呪縛を打ち破ったのか、動かなかった体が力を取り戻した。
両手で思いっきり小狼王子を突き飛ばして走り出す。
しかし、いくらも走らぬうちにシンデレラは転倒した。
あわてて起き上がろうとして再び転倒する。
そこで初めてシンデレラは自分の体の異常に気づいた。
足首から先の感覚が無い。
恐る恐る足首へと向けた目が次の瞬間、驚愕に見開かれる。
シンデレラの足は光っていた。
比喩ではない。本当に光り輝いているのだ。つま先から足首までが光を反射してキラキラと輝いている。とても美しいガラス細工のように。
いや、それはガラスそのものだ。足の甲を透かして地面を見ることができる。
如何なる奇跡の成せる業なのか。シンデレラの両足は生きたままガラスへと変じていた。

「どうだい、シンデレラ。新しい『ガラスの靴』は」
「うそ・・・」
「前のやつより似合ってるよ。とてもキレイだ」
「ひ、ひぃぃ!」

たしかに小狼の言うとおり、とても美しい『靴』だ。
シンデレラ自身の美しさと相まって、芸術品と言っても過言ではないほどの輝きを放っている。
まさに至高の『ガラスの靴』だ。
二度と脱げないことをのぞけば。

「次はどんなプレゼントがいいかな。そうだ。ガラスの手袋なんてどうだい? シンデレラにはよく似合うと思うよ。それともガラスの首輪の方がいいかな。ガラスの鎖とペアにするといい感じになりそうだ」
「や・・・いや・・・」
「もう逃がさないよ、シンデレラ。これからはずっと一緒だ」
「いぃぃぃ〜〜〜〜〜〜っっ!」

シンデレラの口から言葉にならぬ絶叫が迸る。
そして絶望と共に悟った。
これまで受けてきた責めなど所詮は女同士のお遊びにすぎなかったのだ。
この男は魔物だ。その残虐さは継母たちの比ではない。当然、その責めも想像を絶した凄まじいものとなろう。
真の地獄はこれから始まるのだ。

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その日、クロウ国から3人の女性の姿が消えた。
消えたのが美しいことで評判の母子だったので、失踪の原因について人々の間でいろいろな噂が流れた。
が、すぐに忘れられた。

BAD END...

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「どうです、僕の作品は。気に入っていただけましたか」
「・・・気に入ると思うか?」
「気に入りませんか? リクエスト通りに貴方とさくらさんをメインに据えたつもりなのですが。続編も考えてますよ」

〜〜シンデレラ・凶肉編〜〜
ついに真の姿をあらわした小狼王子! 異形の神へと変貌した王子の獣肉がシンデレラを襲う! 絶望の牢獄に少女の絶叫がこだまする!

「さくらの身体、とっても美味しいよ。こんなに美味しいお肉は初めてだ。もっといっぱい食べさせておくれ・・・」
「あぁ、食べないでぇっ! さくらのお肉を食べないでぇぇっ!!」

〜〜シンデレラ・双贄編〜〜
小狼王子の魔手は継姉にも伸びる! 汚辱に沈む二輪の花! 光ささぬ地下ですすり泣く生贄姉妹!

「いやぁ! こんなの、いやぁっ! さくらちゃん、助けてぇぇっ!」
「もうダメだよ知世ちゃん。わたしたち、一生ここから逃げれないんだよ。一緒に堕ちよう・・・知世ちゃん・・・」

〜〜シンデレラ・蒼神編〜〜
小狼王子の肉欲は果てることを知らない! 邪神の祭壇に捧げられたシンデレラの・・・


「ふざけるなぁぁぁ〜〜〜!!」
「やれやれ。一体、何が気に入らないんですか」
「初めから終わりまで全てだ! どっからどう見ても男性向けエロ小説だろうが! オレが読みたいのはそんな話じゃない! もっと、こうなんて言うか」
「ふむふむ。男性向けなのが気に入らないと。つまり、女性向けの話をお望みなんですね」
「そうだ! こう、ハートフルで女の子が読んで心が温かくなる・・・そういう話だ!」
「なるほど。よ〜〜っくわかりましたよ。女性向けのお話ですね。それならそうと、先に言って下さればよかったのに。僕は女性向けのお話の方が得意なんですから」
「ならば、今度こそ頼むぞ! 女の子が楽しめる、心温まるやつを!」
「おまかせください」
「念のため言っとくけど、『淫』とか『凶』とかの漢字は使用禁止だからな」
「疑り深いですね。そんな言葉は使わなくてもキッチリ仕上げて見せますよ。女性向けのお話をね。フフフ・・・」
「(ド阿呆が・・・。あの顔、どう見てもロクでもないこと考えてるにきまっとるやないか。ホンマに進歩のない小僧やな)」

Web拍手ストーリーに続く・・・かも。


ハロウィン三部作?・完結編。
ハロウィン→小狼→吸血鬼。
完璧!
・・・他のサイト様や画像掲示板でのハロウィンさくら&小狼を見てちょっと反省。
次はもう少しマジメに行きたいと思います。

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