『歪んだ関係・オチ編』



さて、ここは小狼とサクラの二人が秘密の逢瀬を交わしている部屋・・・・・・の隣の部屋。

「小狼くんも激しいねえ。最近はまた一段と過激になってきた気がするよ」
「サクラも大胆だぞ! あんなに気持ちよさそうに声を上げて。やるな、小狼!」
「けっ。ガキ共がちちくりあいやがって。そんなん見てて何が楽しいんだおめえらはよ」

そこにはデバガメが二人・・・・・・もとい、一人と一匹にのんべえが一人。
ファイとモコナは壁際に目をくっつけて隣の部屋を熱心に覗いています。
黒鋼はそんな二人を横目に不機嫌そうに手酌で酒をちびりちびり。

そ〜〜です。
二人だけの秘密の関係、秘密の時間。
そんなのはその日のうちにみんなにバレてしまっていたのです。

(小僧・・・・・・。やりやがったな)
(あちゃ〜〜小狼くん、我慢できなかったか〜〜。ま、しょうがないよね)
(小狼、やったな!)

ま、そりゃあそうでしょう。
二人は何気ない風を装ってるつもりだったんでしょうけど、周りから見たらモロバレな雰囲気でしたから。
お約束な展開です。
そんなわけで、その日以来みんなは小狼とサクラに二人だけの時間と空間を提供する・・・・・・ふりをしてこっそり隣の部屋でデバガメをするようになったわけです。
完全におっさんの発想ですね。
この面子、見た目に比べて割とおっさんくさいところがあります。
ファイは見た目はともかく中身は完全なおっさんですからしょうがないですかね。
黒さまは見かけよりも若いはずなんですが。やっぱり見た目どおりのおっさんということでしょうか。

「そんなこと言って黒さまは〜〜。だったら黒さまはなんでこんなところにいるの〜〜? つまんないならどっか行けばいいじゃないの〜〜」
「おれはお前らの見張りだ。お前ら二人だけにしたら何をしでかすかわからねえからな」
「そんなこと言っちゃって〜〜。ホントは小狼くんが羨ましいんじゃないの〜〜? 黒さまも知世姫とあんなことしたいな〜〜とか思ってない〜〜?」
「ふん」
「おっ! 小狼がなにかやりだしたぞ!」
「どれどれ。ひゅ〜〜今度はバックからときましたか。やるじゃない」
「サクラもイヤイヤ言ってるけど、顔が嬉しそうだぞ」
「それだけ小狼くんが上手になってきたってことかなあ。小狼くんもなかなかやるよね。ね、黒さま」
「へっ、おれに言わせりゃまだまだだ。あんなへっぴり腰じゃあな。あいつはイマイチ気迫が足りねえ。女を責めてるって感じじゃねえよ。ありゃあ、どっちかって言うと姫の方が主導権を握ってるって感じだ」
「そうかなあ〜〜」
「おおかた初めの時もあいつが手を出したんじゃなくて、姫の方から誘ったんじゃねえのか? あいつにそんな度胸があるとも思えねえしな」

おっと、さすがは黒さま。
そういうことには鋭いですね。
正確に二人の関係を見抜いています。
さすがは忍びの棟梁といったところでしょうか。

「どちらにしろまだまだだな。今度色街にでも連れてっておれがしごいてやるか。仮にもおれの弟子が女にやられっぱなしってのは気にいらねえからな」
「その時はおれも一緒に行こうかな〜〜。おれも小狼くんにいろいろ教えたいことあるし〜〜」
「モコナも一緒に行く〜〜。モコナも小狼に教える〜〜」
「お前が何を教えるってんだよ、白まんじゅう」
「モコナもいろいろ知ってるもん! 侑子とクロウがいろいろ教えてくれた!」
「あの女からか? ロクなもんじゃなさそうだな」
「あははは〜〜。いいねえ。小狼くんも鍛えられるよ」
「どこ鍛えてんだかな」
「あははははは〜〜〜〜」

秘かな想いを交わし合う二人を尻目に言いたい放題のおっさん達。
こうしてある次元の夜はどっぷりとふけていくのでありました。

END



歪んだ関係オチ編。
やっぱり最後はこれをやらないとしまらないような気がしました。

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