ドーム建設記録
天文ファンの夢の一つといえば、自分の観測所を持つことだろう。
晴れればすぐに撮影ができるので、撮影時間を長く確保することが一番の目的だ。
それに加えて、重い機材の運搬や設置は体力的にも大変だし、寒い中で撮影することが体に応えるようになってきた。
今まで遭遇したことはないが、クマやイノシシなどに対しても警戒したい。
そこで、定年退職を機に、趣味の天文を続けていくためにマイドームの建設を考えた。
設置場所の条件は
1 空が開けている特に南 さそり座が南中時に全景が見えるくらい 
東西はある程度開けていればよい。星雲を高度15度以下で撮影することはまずない。
2 空が暗い 夏の天の川がくっきり見える 近くに街灯がない。
https://www.lightpollutionmap.info/で、いつも行っている撮影地ののSQMを調べた。
伊折21.7、馬場島21.81、牛岳21.38、国少立山21.6)を参考にしてSQMは21台後半(21.5以上)を合格ラインに決めた。
3 暖冬であれば冬でも車で行ける。
4 家から1時間以内が望ましいが、1時間半までは許容とする。

土地探し
今までやってきて一番ネックになったのは設置する場所であったが、ようやく見つかった。
条件を満たす場所を何か所か見つけて、ドームの設置(土地の購入)を交渉したが断られた。
逆に譲ってもよいという土地は、窪地で地面がぬかるんでいて、整地をしても無理だと思われるケースもあった。
2021年6月上旬、地主からドーム設置の許可をもらう。土地は譲ってもらえないが、年間?????円で借りることにした。
金額は市街地で駐車場を借りる金額を参考に相談して決めた。

今回見つけた場所
1 南は、さそり座の全景が見える。東西の山は20度ほどで空は開けている。
2 天の川はくっきり見える。少し離れたところに集落の街灯があるが問題はない。 SQMは、https://www.lightpollutionmap.info/によると21.56でクリア。
3 集落につながる道が除雪されるので暖冬であればいけそう。今年のような豪雪ならばあきらめる。
4 自宅から50分ほどで行ける。
この場所は1〜4の条件をすべて満たす。

場所の調査
この場所は、冬は約1mの積雪があり、たまに強い風が吹くそうなので時間をかけて慎重に検討することを勧められる。

まず、地面の様子や強い雨が降っている時に水が溜まらないか調べてみた。
地面は、小石が混じったアスファルトで、強度は十分なようだ。水はけも問題はなさそうだ。直接、ドームを設定できそうである。

次に、実際撮影をしてどのくらい写るか確かめた。
M20

2021/06/10 21:46 SQM=21.26(やや薄雲がかかった状態で測定したところ21.26。)
Takahashi ε-160ED(D=160mm F=530mm F3.3)
ASI294MC-Pro Gain200 -5℃
サイトロン Comet BP フィルター 27X300S
VIXEN SXP赤道儀 ASIAir-Pro ガイドGT40 ASI120MM
PI PSCC トリミング

天の川

EOS 6D ISO1600 30S F3.2

M16

2021/08/04 21:57 SQM=21.48
Takahashi ε-160ED(D=160mm F=530mm F3.3)
ASI294MC-Pro Gain200 -5℃
25X120S
VIXEN SXP赤道儀 ASIAir-Pro ガイドGT40 ASI120MM
PI PSCC トリミング
写りはまずまずだ。8月13日現在、調査続行中