メンバーズエリートという地球(テラ)政府のトップに立つ運命を背負い、
対ミュウ戦略の最高指揮官という地位に上り詰める軍人、
として冷徹に描かれています。
アニメのデザインではめちゃくちゃ男っぽいイメージで
ブルーが女性っぽい容姿と対照的で「男くささ」を感じるキャラです。
自分は原作ではあまりキースが好みではなかったですが
このTV版のキースにかなりぐらぐらしました。
原作ではシビアな中にちらりちらりとみせる優しさが彼の人間らしさを匂わせていました。
TV版では厳しいことは厳しいのですが、なぜか少年時代のピュアな印象が強く
より「純粋培養」な「坊ちゃん」らしい印象が濃くでています。
コレは出生の秘密を早く知るか後で知るかの違いかと思われますがどうでしょうか。
原作ではシロエと接触した時点ですでに自分は塩基配列から
人工的に「培養」された「生き物」であると知り、
自然に生まれてきたミュウと対立するものとして
それゆえの任務を遂行しようとします。
TV版ではなぜか自分の中の感情にひどく戸惑いを見せるうぶな印象が強く、
長じるにつれそれを硬いガードで隠した「脆い人」の印象があります。
唯一心を許せるのはマツカに対してのみ。
それもかなり不器用なイメージです。
それがちぐはぐな感じを与え、うっかり「マヌケ」にもみえてしまいます。
それにサムと友達なのは原作といっしょですが、
「元気でチューか?」とまでやってしまう「大ボケ」も演じており
視聴者サービスにしてはあまりにはまりすぎな「ピュア」な感じがあります。
こういう演出もあいまって、なぜかキースは「いい人」の印象が強い。
ミュウに対して攻撃をゆるめず、メギドにつっこんできたブルーに
直接銃を向けていますが、どうしてか
「憎しみが沸かない」(爆)
運命に翻弄されたかわいそうな人、の印象になってしまってます。
もちろん揺れ動くキースを演じきった子安さんの名演技があるからこそ、
「深み」のあるキースになっており、ブルー-がいなければかなりこちらに傾倒していたかも。
なぜかパロディではキースはボケ役に・・・。(笑)
ブルーとの絡みのパロディでも長年生きて
精神的に優位なブルーに翻弄される役回りばかりで、
みなさん本質をよく見てるなあ、と感心(苦笑)
ジョミーやブルーも運命に逆らえなかったですが
前向きに受け止めてその運命の方向を変えようとした
積極性が感じられるのに、キースにはそれがない。
与えられたレールの上でもがきつつも結局その上を歩いた感じがします。
ジョミーとは偶然同い年。
ジョミーもかなり優秀なようでしたし、
ミュウとして覚醒しなければキースと仲良く机をならべてE-1077で同級生だったかもしれません。
そういうトップに立つもの同士の孤独というか共感がとても二人の間に感じられ、
最終話ではついにお互いに気持ちが通じ合うようでしたが、時すでに遅し、でした。
キース、あなたにも問いたい。
あなたは幸せでしたか?
満足でしたか?
下は少年時代キース。
14歳に見えない!!

私の後ろに立つな。