いびきを低減させ睡眠を良くする方法

・いびきをかくと睡眠が悪くなる
・周りの人の睡眠を悪くする
・なにより、格好悪い

若い頃はいびきをかいてなかった、なくすことはできないか

という思いから、いびきをなくすことをテーマとした

いびきと睡眠の関係を調査

いびき計測スマフォアプリ(いびきラボ)と睡眠計 TANITAのスリープスキャン)を使いテストを行った。

いびきラボの使用例
  いびきラボ

いびきラボは睡眠中のいびきを計測し、その大きさを数値化してくれるスマフォアプリで、いびき音も録音してくれる

※スマフォは頭部近くに長時間設置するので電磁波の影響を懸念し、機内モード とした。

TANITA SleepScan

スリープスキャンは体動や呼吸から睡眠推定を行い、日々の睡眠を点数化 してくれる機器

テスト結果

いびきと睡眠スコア

いびきと睡眠に明確な因果関係がある

いびきの大きい時間をSleepScanの睡眠ステージで確認

いびきの大きい時の睡眠状態

“覚醒”したことになっている!(起きたという記憶はない)

いびきをなくすにはどうすればよいか?

録音された音を確認したところ
・いびきをかいているときは呼吸が荒い
・いびきをかいていない時は呼吸が静か

睡眠時にリラックスできていないのでは?

リラックスできないのは副交感神経の低下?

副交感神経と加齢との関係
                         ネットより

自律神経は交感神経と副交感神経からなり、交感神経は活動時に活発になり 副交感神経はリラックスしたときに高まる

加齢と共に副交感神経のレベルは下がる

副交感神経のレベルが下がっているのがいびきの原因?

※鼾という字は「鼻が干される」と書き、鼻が乾くといびきが出やすいとの情報から加湿器を使用していた。
いびきの測定を行っている際に、梅雨時期で室内の湿度が非常に高く加湿器が作動していない日の方が 部屋が乾燥して加湿器が常時動作している日よりいびきが大きいことに気づき、加湿器の動作音が いびきを低減させていることに気づいた。

加湿器の音は子宮音に似ており・・・

お腹の赤ちゃんのように睡眠中に胎内音を聞かせると落ち着くのでは?

近い音として、ブラウニアンノイズというのがあり、ノイズ発生器を準備し テストを行った。(市販のホワイトノイズ発生器に収録されていた)

ブラウニアンノイズ
ブラウニアンノイズ
画像をクリックすると音が確認できます

設置位置
ノイズ発生器の設置位置

※ノイズ発生器の設置場所はスマフォ(騒音測定器)から離す必要がある。
寝返りをうっても聞こえやすいように、足元から50~60cm程度離した位置に設置。
ボリュームの調整が難しい(睡眠ステージや個人で聴力が変わるため、大きい目で設定)
大きすぎると、入眠を妨げるが、大抵のテスターは3日程度で慣れた。
また視聴している間に、気にならなくなる。

ブラウニアンノイズのマスキング効果の影響を騒音計がどの程度受けるかをテスト
録音したいびきを再生し、ブラウニアンノイズの有り無しで確認

ブラウンノイズのマスキング効果
ブラウニアンノイズのボリュームやマイク性能により影響は変わるが、私の設置状況では2割程度
いびきスコアが低く判定されていた。

テスト結果
いびきスコア月平均

2018年の5月中旬よりブラウニアンノイズを就寝中鳴らし続けた結果 いびきは低減した。
冬場(2018年10月~2019年3月)は室温が低く、交感神経が高ぶり、いびきスコア が上がったが、その後気温(室温)の上昇と共にいびきは少なくなり 2019年は冬場で若干数値が上がったが2018年より低い。
寒い季節は睡眠時でも体温維持のため交感神経のレベルが上がり、いびきが大きくなる傾向がある。
2020年7月にスマフォを変更し、マイク感度が若干上がった

※日々のデータではばらつきが大きいため、1ヶ月の平均値をグラフ化した。


いびきスコア(本格的ないびきのあるテスターでの結果)
いびきスコア月平均(井上)

2019年5月中旬はノイズなしでいびきを計測
5月下旬よりノイズ発生装置を使用(5月下旬と6月はノイズ発生装置を騒音計近くに設置して
いたため、マスキング効果によりいびきが実際より小さく判定されている、7月より足元に移動)
11月に寒さの影響を受けて、数値が上がっているがその後は低減している

ブラウニアンノイズでいびきが低減することは わかったが、その後も下がり続けるということは 何か別の作用を及ぼしている?

SleepScanを使い、ブラウニアンノイズと深いノンレム睡眠との関係をテスト
ブラウニーノイズと深いノンレム睡眠時間のテスト

ブラウニアンノイズで深いノンレム睡眠時間が増えている?

使用した機器は体動による睡眠推定なので、正確なデータではない(傾向がわかる程度)
正確なデータを取るには脳波測定(EEG)等を行う必要がある

加齢とノンレム睡眠時間の関係
厚生労働省のデータより、年齢と共に深いノンレム睡眠時間が減っていくことがわかる

ブラウニアンノイズで深いノンレム睡眠時間が増えているとしたら?

入眠直後の深いノンレム睡眠時に成長ホルモンが多く分泌されるため その時間が長くなると成長ホルモンの分泌量が増える可能性が高い。
成長ホルモンは身体の成長や皮膚細胞の修復、代謝の促進、疲労回復に重要な役割を果たしていて大人にとっても重要な存在。
入眠直後の深いノンレム睡眠時に集中的に分泌される。
深いノンレム睡眠時に脳の老廃物アミロイドβが除去される
TED動画の「よく眠る事が大切なもう一つの理由」 より

老化とは細胞の修復が次第にできなくなることから進行するものであり、 この簡便な方法で少しでも成長ホルモンの分泌量が増え細胞の修復を行う 、すなわち老化を遅らせることができるのであれば、その意義は大きい。
健康寿命が延び、医療費の削減にも繋がる
ただ、生体に働きかけるため効果に時間がかかる、という問題はある。
とはいえ、使用者からも
・入眠が楽になった
・中途覚醒が減った
・日中の眠気が緩和された
・目覚めが良くなった
等の意見を聞いており、効果はありそう。

P.S.いびきで睡眠が悪くなるのではなく、睡眠が悪くなりいびきをかくことに気づいた

発表者:T.Matsunada
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