新しく買った補聴器なんですが。
最初買った時は、これまで使ってた補聴器と違って街中の音がキレイに聞こえるんで面白くて一日中つけてたりもしてたんですが、結局必要性がないってことに気が付いて必要な時にしかつけてません。
補聴器、ひいては補聴って何でしょうか?
良く聞く話としては、後ろから来る車の音が聞こえなかったため事故にあったというもので、これをして難聴者は絶対補聴器が必要だと訓戒されるんですが、しかしですねぇ、確かにまぁ聞こえ難いことはあってもですね、中度なんでそこそこの音は聞こえるんですね。
最低限困らない程度の音は聞こえるんです。
中度の難聴者にとって補聴とは、やっぱり「言葉」が全てだと思うんですよね。この辺が一般常識としての補聴とはズレるところでしょうか。
どうも健聴者側から見るとですね、音全般が聞こえてこそノーマルなので、話だけ聞こえても他の音が良く聞こえないんじゃ意味ないよってところらしいのですが、こちらにしてみると長年に渡って他の音に邪魔されて話が聞き取れなくて苦しい思いをしてきてるので、話が良く聞き取れる、つまり目の前の会話の中に入りたい仲間に入りたいというのが切実な願いであるワケなのですよ。
だから極端な話、これが逆で話し声に邪魔されて他の音が良く聞こえないってんであればですね、ボクら中度の難聴者は補聴器の必要なんかないと言えると思うんです。
「いえね何ですよ、ここんとこ話してる声が邪魔して、ドアをバターンと閉める音とか、椅子をガタガタさせたりナイフやフォークをガチャガチャさせる音とかが聞こえなくなってきたんで、アタシもここらでひとつ補聴器を買おうかと思いましてね」なんて人はまずいないと思うんですね。
そういう意味でですね、声だけを殊更ピックアップ出来るデジタル補聴器が出揃ってきたってのは、人によってはケシカランのかもしれませんけど、ボクらにとっては理想的な環境になってきたんじゃないかなと思うんです。
やっぱり「難聴=全ての音を大きく」という単純な話ではなくてですね、聴力の段階に合わせたニーズってもんがあるんじゃないかと、こう思うワケですよ。