中度難聴(感音性難聴)WebSite 【 静かの森 】

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聞こえたふり

難聴者の悪いクセ。悪評サクサクです。
まぁ確かに良くないですよネ。

「聞こえたふり」は難聴者のアイデンティティだ!とか、「聞こえたふり」に市民権を!!とか言うつもりはありません。良くないもんは良くない。
でもね、ちょっと言い訳をね、させてもらいます。
一応の事情ってもんをネ。

聞こえたふりはいけないって本気で実感しだしたのは、割と近年のことなんです。正直言ってね。
「聞こえないふり」が良くないってのはまぁ判りますよね。ワザと聞こえないふりして意地悪したり、知らんぷりして実は聞いていて他で言い触らしたり、なんて。良くないな、と。
でも聞こえてるふりってのは、結構死活問題的な意味合いがあったりして、肯定しちゃうような部分もあるんです。

うちらは「え?」って良く聞き返します。
でその度に「(ー△ー;)、、だぁからぁ〜」とか「えー??今のもう一回言うのぅ?」とか言われちゃうワケです。でもでも、やっぱり知りたいから言い直してもらう。そうしてたった一つの聞き逃したことを得る代わりに、白けちゃってその場の楽しい雰囲気が2度と復活しないという事例に数多く接してます。

ことの是非は別として、会話という現実的な実践の場で、「木を見て森を見ず」ってのをね、体で学ぶんです。「聞き返す」ことの怖さを体で覚えてしまっているんです。

うちらは良く聞き返しますが、実は聞き返すのがとてもコワイのです。

念のため言いますと、「世間は理解が足りない」とかを言いたいのではありません。というのもうちらは「聞こえる」世界も知っているので、聞き返しによって話の腰を折られるもどかしさも、実は知っているのです。

良く聞き返すことがあるけど聞き返される方の本音も判る。そうやってあれこれしてる内に、一つ二つのことを聞くためにその場の流れを止めるより、会話というテンポを止めないことに神経を使うようになります。

すなわち「聞こえたふり」。

まぁ、ただの言い訳なんですけどね。