勿論、こちらとしても最大限の聞き取る努力はしておりますが、不幸にして話し手の口調と聞き取り能力が上手く噛み合わないこともあります。例え補聴器をつけていても、100%OKではないこともあります。
一度聞き直して聞き取れれば良いのですが、場合によっては何度聞き直してもサッパリ聞き取れないこともあります。そのような場合のフォローについての御紹介です。聞き直したら必ずこうしてほしいというワケではありません。
「お願いしたいフォロー」ということで、やもすると「やってもらって当たり前」的態度にも思えますでしょうが、言い直し回数を最小限に抑え、出来るだけスムースなコミュニケイションを目指すため、と御理解下さい。
聞き返すことが多い難聴者ですが、気軽に聞き返しているのではありません。聞き直される方と同じくらいの気持ちでいることを何卒御理解下さい。
聞取りにくい又は 聞き間違えやすい 主な数字 | 実際の聞こえ方 | お願いしたい フォローの例 |
「1時⇔7時」 「11日⇔17日」 | 「いちじ」 「じゅういちにち」 | ・「4月」 ・「17日」 ・指で数を示す ・聞き違えやすい |
「3個⇔4個」 「13日⇔14日」 | 「*んこ」 「じゅう*んにち」 | |
「2月⇔4月」 「12⇔14」 | 「いがつ」 「じゅうい」 | |
「2月⇔4月⇔5月」 | 「*がつ」 | |
「一つと二つ」 | 「**つ」 | |
「三つと四つと 六つと八つ」 | 「*っつ」 | |
「二日と五日」 | 「*つか」 | |
「三日と四日」 | 「*っか」 |
聞取りにくい又は 聞き間違いやすい アルファベット | 例 | お願いしたい フォローの例 |
「BCDEGPT」 | 株式会社B.T.P ↓ かぶしきがいしゃ *ぃー*ぃー*ぃー | 難しい。(^o^;)ゞ |
「LMNS」 | 「S・M・L」の サイズの指定。 全て「エ*」と 聞こえてしまう | サイズの指定でいえば |
言葉の聞取りもさることながら、更に厄介なのが数字とアルファベットです。特に電話でのアルファベットは途方に暮れることが多いです。
数字の場合、最も手っ取り早く間違いがないのが、やはり指で数を示すことだと思います。しかし状況によってはそうもいかない場合があります。そのような場合においてスムーズにコミュニケーション出来るようなポイントを説明します。
数字の聞取りでまず躓くのが、同じ母音を持った数字です。
「1(いち)と7(しち)」が代表的です
また「1」と「7」に加えて「8(はち)」も聞き違えることがあります。
これらのフォローは「7」を「なな」、「4」を「よん」と言うことでほぼ解決できます。そうすると中には「なながつ(7月)」とか「よんがつ(4月)」とか「よんじ(4時)」など、馴れない言い方が出てきます。それでも聞き違えたり何度も聞き直したりするよりは良いと思いますので、何卒ご理解の程をお願いします。
そして語調が似てるもの。
「3(さん)」と「4(よん)」です。
これは「つ(例えば3つ、4つ)」で言い直しても似てるので、本質的には数字の中で一番厄介なのかもしれません。
なお補足として、上で述べた「2と4」の区別のために最初から「よんがつ」と言うと、普段そういう言い方はしないので「さんがつ」と勘違いする可能性もあります。この場合「4月(しがつ)」と言って聞き返してきたら、おそらく「2月」か「4月」かの判断に迷っていると思われるので、聞き返されてから初めて「よんがつ」と言った方が確実です。(勝手及び面倒で申し訳ないです)
三つ、六つ、とか二日、五日なんてのも苦しいです。
これらは、「ろっこ(六個)」とか「ごにち(五日)とか、似た響きがない言い方をすることで認識率が高まります。
さて、アルファベットの聞取りは、私たちが一番限界を感じる部分です。
補聴器をつけていても中々聞き取れないことが多いです。
方策としては「B」を「ベー」とか「D」を「デー」のようにデフォルメ化して言ったり、「ブラジルのB」のように国名や地名の頭文字で言う方法がありますが、この例でいけば「ベー」と「デー」は似てますし、例に出す単語を聞き慣れていないとその単語を聞き直すのに手間が掛かったりして本末転倒に陥る可能性があります。普段から、例に出す単語についてお互いの共通認識事項を良く確認しておくことがポイントになると思います。