中度難聴(感音性難聴)WebSite 【 静かの森 】

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2 オージオグラムと聴力

聞こえの能力の指標として、「dB(デシベル)」という単位の数字を使います。
この数字を測定するのには「オージオグラフ」という機械を使います。「ピーと聞こえたらボタンを押す」という検査をしたことがあると思いますが、あの機械のことです。そしてこの機械で測定した結果グラフを「オージオグラム」と言います。ちょっとややこしいですネ。
オージオグラムの見方について、ボクの測定結果(2001年)を見ながら説明しましょう。

オージオグラムという聴力検査結果のグラフです。このオージオグラムは2001年に測定した自分の結果です。高音域になるほど、聴力が落ちている様子が判ります。

グラフの縦軸が聞こえの度合いを表します。「0」が最高値で、下に行く程聴力が悪いことを意味します。グラフの横軸は、音の種類を表しています。「周波数」といい、値が小さいと「ボォー」という低い音で、値が大きいと「キーン」という高い音になります。つまり、各周波数(それぞれの音の高さ)でどのくらい聞こえるのかを表しています。

「○」が右耳、「×」が左耳の、それぞれの気導聴力(普通に空気を伝わって耳から聴く力:伝音と感音に関する能力)を示します。そして「逆のコ」は右耳の、「コ」は左耳の、それぞれの骨導聴力(骨を伝わってきた音を聴く力:感音に関する能力 )を示します。

普通の聴力であれば、0〜25dBの範囲に全て納まります。
難聴の場合、その種類によってこれら気導・骨導聴力の下がり方に特徴が出ます。
伝音性難聴の場合は、音を外から体内に伝える機能のみに問題があるので、気導聴力は落ちますが骨導聴力は落ちません。感音性難聴は気導聴力も骨導聴力も同じレベルで下がります。混合性難聴の場合は、気導聴力も骨導聴力も下がりますが、下がり方に差が出ます。

ボクの場合は高音域になるに従って気導聴力も骨導聴力も同じレベルで低下してますので、高音性の感音性難聴と判断できます。なお、場合によってはこれとは逆に、低音域の聴力が低下する低音性の感音性難聴もあります。

そしてこのオージオグラムから「平均聴力レベル」を算出して聴力を把握することになります。
「平均聴力レベル」とは、人の会話に必要な500Hz〜4000Hzの間の周波数における平均の聴力を計算したものです。 求める為の式は、3分法、4分法、6分法などがありますが、ここでは4分法で説明します。

4分法の式は

(500Hz+1000Hz×2+2000Hz)÷4
です。
それでは上のオージオグラムを見て、実際にそれぞれの周波数の数値(dB)を当てはめてみましょう。「○」は右耳、「×」は左耳です。

右耳(○)左耳(×)
500Hz5555
1000Hz6070
2000Hz6570

となってますので、
右耳は(55+60×2+65)÷4=(55+120+65)÷4=(240)÷4=60.00Hz
左耳は(55+70×2+70)÷4=(55+140+70)÷4=(265)÷4=66.25Hz
となります。

この数字の大小で、軽度〜高度、聾という医学上での難聴の程度が区分されます。なお、この分類は、日常使われている区分と若干異なる場合があります。

また、両耳の聴力が70dB以上、又は片方の耳の聴力が90dB以上で、かつもうひとつの耳の聴力が50dB以上だと障害者手帳交付の対象となります。


<まとめ>

オージオグラムの見方
右耳気導聴力

・ 気導聴力
 →空気を伝わって(耳から入って)くる音を聞く力

・ 骨導聴力
 →骨を伝わってくる音を聞く力

逆コ骨導聴力
左耳×気導聴力
骨導聴力

難聴の種類別によるオージオグラムの特徴
種別気導聴力骨導聴力
伝音性難聴低下する低下しない
感音性難聴低下する低下する
混合性難聴双方とも低下するが、下がり方に差がある

聴力と難聴の程度
程度測定値実際の聞こえ具合
正常0dB〜25dB聞こえに問題はない
軽度25dB〜40dB小声だとやや聞き取り難い
中度40dB〜70dB普通の会話の聞き取りが困難
高度70dB〜90dB耳元の大声なら聞こえる
90dB〜殆ど何も聞こえない
※詳細は最寄の耳鼻科でお聞き下さい。