Last Modified - MAY 23 1999 |
「尾行〜夜の帰り道」 アクション / リアルタイム3D描画 メーカー名 : ILLUSION |
ゲーム内容 まず、5人のヒロインから攻略するキャラクターを選択。コマンド選択のADVシーンを経て、リアルタイム3D描画の尾行アクションシーンに入ります。 リアルタイム3Dで描かれる街(というか、「通り」)の中を歩いていくヒロインの後を、見つからないように尾行していきます。1キャラについて6つ程度の面(通り)が用意されていて、最終面の規定の場所までたどり着くとそこでコマンド選択のADVシーンへと移ります。多くの場合襲って陵辱する展開になりますが、ハッピーエンドへの展開もあります。 |
尾行シーン 通りには空き缶や吠えたてる犬、警官等が配置されていて、それらを避けるように行動しなければなりません。もちろん、尾行しているヒロインの視界に入って見つかってもアウトです。 ヒロインは所定の場所で立ち止まって周りを見回したりするので、そういうところでは建物や車の陰に隠れなければなりません。見つかったりヒロインを見失うと一発ゲームオーバー。もっとも、その面の最初からやり直しになるダケですが。 ■
尾行シーンには1つ大きな改良すべき点がありました。それは『カメラの位置』です。カメラは主人公の後ろに設定されていて、主人公の全身が画面の中央に表示されるような作りになっています。尾行のターゲットは当然主人公の前方を歩いています。結果、主人公が邪魔でターゲットが見えなくなってしまうのです。 いっそのコト主人公の1人称視点にしてしまえば解決するのですが…そうすると分かりにくくなるのも事実。酔いやすくもなりますし。 |
リアルタイム描画部分全般 半年前の作品「DES BLOOD 2」と比べると確実に進歩しています。ポリゴン数が増えているのか、グーロシェーディングの使い方がいいのか…細かいところは詳しくないのでよく分かりませんが(多分どちらもそうでしょう)、キャラクターの造形に角張りが目立たないようになってきていますね。スカートの作りなんかは、「DES BLOOD 2」のホタルと比べるとかなり「らしく」なっています。 ただしキャラクターはともかく背景の方はまだまだです。建物に近くに寄ってちょっと角度を変えると、思いっきりポリゴンが消えて建物の向こう側が見えてしまうことがあります。まぁ、その方が攻略はし易いんですけれど…でもやっぱイカンな。 ■
Hシーンでリアルタイム描画のキャラを使っているコトに対しては、低い評価を与える意見も多いでしょうね。少し良くなったとはいえ、まだまだ人形レベルです。しかし、このシーンがあるからこそ、楽しいんです。 ただシナリオ通りに進むだけの紙芝居やムービーを見せられるのではなく、その空間に「入っていける」ってコトが楽しいのです。実際にそのCRTの中にキャラクターが居るコトを感じられるのが、ILLUSIONのソフトにしかない魅力なんです。 |
ムービー部分 ムービーは、ILLUSIONが以前から使っている独自の再生エンジンを使っています。確か、「BOXER」とか言いましたか。他のソフトでは大抵AVIファイルを再生しています。後者の場合、ゲームを解かなくても直接ムービーだけ見るという最終手段がありますが、ILLUSIONのソフトではそれが使えません。これはユーザーサイドから見れば短所と言える…かもしれません。 その代わり、「BOXER」で再生される映像は非常に精細でサイズも大きいです。他のソフトのように映像のサイズが小さかったり、それを拡大表示させて荒い映像になったりするコトもありません。「尾行」では前作までは無かった、いわゆる回想モードも用意されたため、後から見やすくなりました。 ムービーの内容についても気に入った部分があります。背景にも自然な動きが取り入れられています。草がなびいていたり、ベッドが動いていたり。特に後者は今までのソフトでも再現されていないコトが多く、個人的に不満に思っていたコトでしたので、非常に嬉しかったです。 |
その他の印象、そして「DES BLOOD 3」へ また、この「尾行」で特に感じたコトは、「センスが良くなった」というコトです。ウインドウの絵柄、選択肢の表示方法、テキストのフォントなどなど…一気にアカ抜けましたね。誰か新しいスタッフでも入った?(笑) セーブ・ロード画面では「DES BLOOD 2」と同様に、セーブ時のスクリーンショットが記録されるほか、その時の選択肢の内容まで記録されるように親切極まりない作り。この品質を次回作以降でも保って欲しいですね。 ゲームのボリュームは軽めになっていますが、全ての部分において半年前の作品「DES BLOOD 2」からの進歩を感じさせる出来で満足できました。ILLUSIONの次回作として開発されている「DES BLOOD 3」にも、充分期待が出来るでしょう。 |