番長温故知新 - マジカルドロップ |
マジカル ドロップ DATAEAST 1995 |
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全然古いゲームじゃあないですが、一応思い入れのあるゲームなんで取り上げます。いつもはゲームの説明を入れますが、今回は入れませんのであしからず。
■ワールドのCGも描きました。こちらです。
第1作目と「PLUS1」のみを「マジドロ」と認定呼称する
いきなりだが、マジドロファンの友人との間では、「マジドロ2」以降はマジドロのニセモノという事になっている。何故かというと、1作目および「プラス1」における魅力が、「2」「3」ではまったく存在しないからだ。
ゲームシステム部分における魅力の欠落点はというと、「ドロップのドロップっぽさがドロップしちゃってる」ところ。ちゃんというと「弾ける感触が無くなった」ということだ。ドロップを引き寄せる感触、飛んでいく感触、ドロップ同士がぶつかって「カチン!!」となる感触。それらが「2」になって無くなってしまった。それだけでゲーム中の快感が激減してしまったが、それも当然。「ぷよぷよ」で、あのぷよのぷにぷにした感触が無くなったらどうなるか。レースゲームで、あの加速感が無くなったらどうなるか。
ただ単に、連鎖で消えれば気持ちいいって訳ではないのだ。
「かわいい」だけじゃあ好きにはなれねぇな
そして何といってもあのキャラクターの変わりよう。「2」を初めて見たのは、月刊ゲーメストのAMショーかなんかの別冊誌上だったのだが、その時のショックはまさに「絶望」だった。キャラクターの絵が全然変わってしまっている。シンプルに言えば、「ヘタ」なのだ。
そして実際に入荷されたゲームを試してみて、「これをマジドロというのか」と腹立たしくなった。あの魅力的なキャラクターが、全く別物になってしまっている。顔だけが変わったのではない。その中身まで、変なものに取って代わっていたのだ。あまりにも、薄っぺらいキャラクター達に。
中身が「FOOL」という額面通りの意味になってしまった、可哀想なフール。彼はあのような鼻水を垂らした「バカ」などではなく、ただひたすらに純粋であっただけだった。あぁ、それなのに…。「スター」「プリエステス」「ワールド」、彼女等3人は、それほど違いのない、単なる「かわいい女の子」達に成り下がっていた。彼女らは全く別の魅力を持った「女の子」「女性」「女神」だったのに。私はプリエステスの本をブチ破る鬼のような形相も好きだったし、ワールドの完成された美しい挙動に心底憧れていたのだ。
なるほど、そういうことですか
ある日、この変わりようの真実を知る。「1」のキャラをデザインした方は、「2」の製作には全くタッチしていないこと。しかも、その方に最後まで何も聞くこと無しで、「2」はデザインされたこと。まぁ、開発スタッフの中には、キャラクターの魅力とその重要度に気付いていなかった方もいるようなので(SS版マジドロ2、隠しドキュメント)、こういう事をやってしまうんだろう。「1」の魅力を受け継ぐ事が出来なかったのも、充分理解できる。
「1」のワールドは、アルフォンス・マリア・ミュシャの絵画などを参考にして作られたそうだ。私もミュシャのCD-ROMは持っているが、なるほどと頷くものがある。また、その方のデザインされた(「1」に出る予定だった)「ハングドマン」も見たが、非常にいい味を出していた。世に出なかったのが悔やまれる。
「1」は家庭用ハードに移植されたが、SFC版はキャラクターが動かない、ドロップのドロップ具合がドロップ(しつこい)など、決していい移植にはなっていない。PS版、SS版はそもそもキャラクターが謎の3D CGキャラに変えられている(当時、データイーストは3D CGを多用していた)。真のマジドロ(ここでは「2」以降はそれに含まない)をプレイするには、もう基板を入手する以外にはないのが現状だ。