教科書問題など

ブログ「一知半解」 / 2009.7.27

一知半解さんへ
itti 教科書を有償にして、選ばせるのは小学生程度なら問題なさそうですが、中高校生ともなると、イデオロギーがらみでひと悶着ありそうですね。ただ、有償にすれば、親の関心やチェックが強くなり、教科書の内容も良くなると思います。

tiku いわゆる「自虐史観」のような史観が幅を利かしてきましたからね。そのために教科書の記述があたらずさわらず無味乾燥なものになりました。でも、歴史は面白くないとつまらない。それを補う提案が谷沢氏らの提案であるように思うのですが。まあ、プロの教師なら教科書ぐらい自分で選びたい、と思うのが本当ですね。ただし「教育」と「教化」の違いが分からないようでは教師失格です。

 それから教科書無償の問題ですが、民主党の高校の授業料の無償化は税金の無駄遣いですね。だって、それに数十倍する教育費を支払っている家庭になんで教科書を無償配布する必要がありますか。教育扶助費に教科書費用を算入するだけでいいと思います。また、義務教育についてこれを無償にするなら、現在の「教科書無償給与法」を改めて、もっと面白くて内容のある教科書づくりが自由に出来るようにすべきです。となると教科書の値段も上がるから、全員無償はやめようという話になるかもしれませんね。

>これに文科省は徹底して反対しているのです。これも政治の官僚統制の一端です。

itti確かに役人は権限を失うことには抵抗しますが、この問題でも、そのことが悪影響を及ぼしているのでしょうか?それを打破するのが、政治家の役割なんですけどねぇ。

tiku 現行法では市町村教育委員会が地域の学校経営機関になっています。だが経営機関とは名ばかりで教員の人事権(異動や昇任昇格を含む)も給与決定権も持っていません。いわばダミーなのです。ではどこにその権限があるかというと都道府県教育委員会です。しかし、それは教員閥(義務制・県立)、組合閥、行政閥の力関係で動いている。しかし、これは制度ではありませんから一切外には見えない。そしてこの組織を文科省が補助金でコントロールしているのです。
 つまり、この単位学校から文科省までの教育行政組織における最大の問題は、特に義務教育学校の場合、その経営の最終的な責任主体が不明確だということです。そういう意味で私は地域自治体(全国に約300、昔の藩と同じ、藩は教育も含めた殖産興業の基本的な経営単位だったのです)に学校経営権を一本化すべきだと言っているのです。霞ヶ関がこれに反対するのは他の地方分権に関する議論と同じです。
 それから先生の問題ですが、基本的な問題はその資格基準が不明確なこと。大学の単位取得のみで取れる教員資格があてにならないから採用試験がそれにとって代わっている。従って情実採用が危惧される。基本資格さえしっかりしていれば、どういう人を採用するかは採用する側の経営判断です。また、それを公正に行うためには、経営責任が明確にされなければいけません。

ittiただ、義務教育というものに、「経営」という概念を導入するのは、かなり抵抗があるような気がするんですよね。それが必要だとは思うものの…。

tiku 「経営」とは、事業目的に従って組織の運営計画・実行・評価をすることです。そのために、ひと、もの、かねの経営の三要素を、どう組み合わせて組織化し機能させるかが問われます。しかし、義務学校教育の場合は、まず、肝心の人の組織管理体制が出来ていないのです。そこからすべての問題が起こっているのです。大阪の橋本知事などが活躍する所以です。

itti 学力はともかく、義務教育では、最低、社会規範や日本の歴史などをきっちり教えて欲しいです。自らがどういう社会に属しているのかを知らない日本人があまりにも多すぎるような気がしてなりません。
 
tiku 同感ですね。そのためにも自国の伝統文化の長所と短所をしっかり掴まないといけない。民族の生き残りがかかっていますから。