日本古典文芸要約全集

ブログ「一知半解」コメント /2009.7.25

「一知半解」さん「単純に教育の無料化を叫ばれてもね」についての私コメントへの応答

 歴史教育の問題は難しいですね。前中教審会長の山崎正和氏は、初中等学校では歴史的事実認識と事実評価を行う「歴史教育」は廃止すべきだといっていますね。その代わり、歴史記述の古典的名作を教室で読ませ、同時に後世それがどのように批判されたかを生徒に教えることで、認識された事実ではなく、認識の方法の面白さを教えるべきだ、そして、その対象となる時代や歴史事実の選定は教師に任せ、国家はただ、それについて意見の異なる複数の論考を教材に選ぶことを義務づけておけばよい、といっています。

 谷沢永一氏は、そのためには、読者の要望さえあれば、標記のような「日本古典文芸要約全集」「世界古典文芸要約全集」も実現可能だといっています(これほんとに氏にやってもらいたいです)。旧約聖書の中の、ものすごい「古典文芸」作品群を見ていると、日本にもそのようなものがあるといいなあ、とつくづく思います。歴史教育を政治問題の桎梏から解き放ち、その本来の面白さを回復すと同時に、山本七平が指摘する様な歴史教科書の問題点(「知らざるに劣る人間」の大量生産)も解消することができますから。

 なお、私の教育改革に関する議論については、私HP「竹林の国から」の教育改革のページを参考にして下さい。