嫌韓・嫌中vs日本すばらし論について

ブログ「一知半解」コメント / 2009.7.23

 日本の文化は「たこつぼ型」欧米の文化は「ささら型」とかって丸山真男はいいました。要するに日本の言論はリレーのようにつながっていかない、その場限りで、同じことを何度も繰り返す、ということです。
 ご指摘の”嫌韓・嫌中”論から”日本すばらし”論の循環についても同様です。山本によると、これは江戸時代以来やっていることで、はじめは”日本人犬猿論”それに対する反発から”中国人犬猿論”と循環したそうです。それを戦前も、そして戦後も気がつかず、今だに繰り返しているわけです。
 なぜそんなことになるか、それは自分たちの考え方を無意識的に支配している「伝統思想」を歴史的に対象化し思想史として再把握しないからだ、と山本はいっています。そして、その仕事を自らの仕事としてやったのです。彼の批評が、30年を経て今だに有効なのは、そのためです。。”ささら型”なら本当はこういうことは起こらないのかもしれませんが。