菅首相は、12日に「1号機の炉心溶融が進んでいる可能性がある」と発表した保安院の中村幸一郎審議官を即座にクビにした?

2011年6月18日 (土)

福島第一原発の放射能漏れ事故については、本ブログでも「福島原発、危機は回避できるか」(参照)マスコミの情報をもとに、その行方を自分なりに考え、意見も述べてきました。その際、識者の意見の中で最も的確な判断を示していたのが、大前研一氏で、私サイトでも紹介しましたが、アルファーブロガーといわれる方達も、それを紹介したとのことで、そのサイトは短期間に60万以上のアクセスがあったそうです。

 その大前氏が、
大前研一の「産業突然死」時代の人生論「国民より米国を優先する政府・保安院の欺瞞」で大変なことを言っています。

 私も、事故発生後の政府や保安員の説明では、メルトダウンが起こるような深刻な事故では全くないらしいので、外部電源さえ回復すれば冷却装置も使えるようになって、落ち着くのではないかと思っていました。また、枝野官房長官なども実に落ち着いた説明ぶりで、余裕しゃくしゃくといった感じだったので、まさか、「不安の前の”和気あいあい”なんかじゃないでしょうね」と訝ったほどでした。

 ところがあにはからんや、実態は、アメリカ始め諸外国が日本脱出を決めるほどの深刻さだったようで、1号機は、12日明方6時頃に全燃料がメルトダウンしていたといいます。幸い、最悪の事態は避け得たようですが、この間の情報の出し方について、大前氏は次のような疑問を呈しています。

 「政府と保安院は事故発生から2カ月間、「炉心溶融はしていない」という態度で一貫していた。だから保安院の中村幸一郎審議官が3月12日に「1号機の炉心溶融が進んでいる可能性がある」と発表したとき(つまり技術系の彼はテルルのことを知っていた可能性が高い)、菅直人首相は即座に彼をクビにした(代わりにそのポストに就いたのが前出の西山氏である)。

 正しいことを述べた人を“更迭”し、政府の意をくんで「大本営発表」してくれる人を起用する。これは、はっきりいって異常なことだ。生命にかかわるかもしれない重要な情報を国民よりも米国に先に伝えるのは、さらに異常な事態である。原発事故をめぐる政府の対応には様々な批判があるが、この問題はとりわけ強く批判されなくてはならない。私たちは断固とした怒りの声を上げるべきではないか。」

 殊に、この記事の中の、菅首相の振る舞いについてですが、ぜひ、真相を明らかにしてもらいたいものですね。(参照)「国民より米国を優先する政府・保安院の欺瞞」