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message from Ryuichi SAKAMOTO


坂本龍一氏からのメッセージ

2001年3枚目のCD『life -in the never ending flow of time 』を製作した際、
それを坂本龍一氏にお渡しし聴いて頂く事が出来ました。そしてその際にコメントも頂けました。

このCD製作と同時にやったパフォーマンスの際に、フライヤーに掲載させて頂いたものの それ以降、お蔵入りになってしまい自分の宝物のようにしておりました。

あれから11年が過ぎ世の中に色々な事が起こり、このメッセージに一層想いを馳せるようになりました。

そこで再び掲載させて頂きたく思います。

これは打楽器奏者にとっては重要なメッセージかも知れません。


伊勢くんは、とても創造性のある打楽器奏者だ。

おそらく打楽器は、人類最古の楽器だろう。
楽器の近代化の果てに、現代の打楽器はとても合理的に
改良されてしまった。
また、打楽器に本来備わっている性質により、
それは世界の軍隊により多く使われてきた。

これも打楽器の「近代化」を促進した。

しかしそれでも尚、打楽器にはまだまだ未知の音色が存在し、
その創造性は無限に広がっていると思える。

あまりに近代化されてしまった楽器は、
その時代の終わりと供に滅びる運命にある。

とすれば、人類の終わりの日まで、
人類の友として存在し続ける楽器は、打楽器なのではないか、

などと伊勢くんのCDを聴きながら、想像にふけるのである。

坂本龍一

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