狩猟捕獲鳥獣の食品としての安全性について
昨今、鹿肉のE型肝炎ウイルスだの、鳥インフルエンザウイルスによる捕獲物の食品としての安全性に疑問を投げかけられることが
度々ある様です。
このきかいに、食品全般的なことと共に、私達が捕獲する鳥獣の安全性と危険性について整理してみましょう。

まず食肉のE型肝炎ウイルスについては、食肉中心温度63度30分の低温処理で簡単に死滅するようです。鹿肉を硬くなるまで
火を通さなくても、一見生風な状態でも食肉として利用できます。
参考HP http://www.eonet.ne.jp/~hayazaki/sikarecipe.pdf
鳥インフルエンザウイルスについてもほぼ同様であり、私は捕獲した鴨、キジバトについては、72度30分で処理しております。

要するにこの程度の加温処理を的確にすれば十分に食肉として有効利用できます。

病気で死んだ野鳥から鳥インフルエンザウイルスが発見されたから、全ての野鳥が危険などと言うのは如何なものでしょうか。
家畜においても病気で死んだ鳥獣は当然、食品として不適切なことは当たり前なことであり、触ることすらしないはずです。
病気で死んだ鳥獣を拾って食べなければ良いだけのことです。

私たちは、古来より動物性たんぱく質を食品として利用してきました。生魚肉(さしみ)も生肉も少なからずや多少のリスクは有るの
です、しかし食材ごとの適切な処理により寄生虫、細菌、ウイルスに対処すればよいのです。
インターネットを利用すれば様々なHPが閲覧でき、素晴らしい食材の加工方法も見つかるはずです。

最後に一言
以前、養鶏所を見学したおり、餌の中に赤い蛍光色の粒が混じっているのを見たことがあります。この赤い粒は何ですかと聞きまし
たら、この餌を食べさせれば色の良い黄身ができて美味そうになるのだという話を聞きました。要するに、鶏卵も合成着色料使用
なのですよ。。。(現在は?)
養豚、養鶏、牛肉、いずれも多種の抗生物質等の化学薬品の使用により生産され、私たちの肉体が抗生物質の利きにくい体
に変身させられるのです。
食肉に抗生物質が大量に使用され、耐性菌との戦いで新抗生物質の開発が年中されているのが現実です。
世界中で鳥インフルエンザにより死亡した人よりも、はるかに多くの方がこれらの食品による各種のリスクを負い、寿命を縮め死亡
しています。
私たちが狩猟により捕獲した鳥獣は、自然界で生息によるリスクは背負っているものの、化学薬品、抗生物質の汚染は極めて
少ない、超一級の食材ではないでしょうか。
捕獲鳥獣に適した、処理方法を勉強して、無駄なく有効利用することをお勧めする次第です。   h23.1.25
東京都猟友会品川支部 支部長  渡邉一太