やっとEHアンテナの調整方法が理解出来ました(と思います)
しかしなぜ効率が良いのか、EMIが発生しないのか等はまだ理解できません。
FR RADIO LABのDEMO-1〜5とEHアンテナの定義の資料を読み検討した結果、EHアンテナは希望周波数では共振しておらず、キャパシティブ(希望周波数より高い周波数に共振)になっており同軸ケーブルに直列に入るフィードコイルのインダクタンス(+jx)とで打ち消しあい同軸コネクタ側からみるとRs=50Ω、Xs=0に調整できることになります。
今までのアンテナは、まずエレメントを希望周波数に共振させ次にインピーダンスを50Ωに合わせますがこの考え方はEHアンテナでは通用しません。電界型や磁界型のアンテナを今まで色々やってきましたが考え方を90°程度変えなければ理解出来ないアンテナです。
私見ですがEHアンテナは同軸ケーブルに直列に入るフィードコイルが希望周波数で電圧の位相に対し電流の位相が90°遅れるようにフィードコイルのインダクタンスを決定することが一番大事なのではないか、このインダクタンスによるリアクタンス(+jx)を打ち消しあうリアクタンス(等価回路では-jD)を持つようにEHアンテナのシリンダとチューニングコイルを組み合わせればよいことになります。
+jφと打ち消しあう
いよいよ実際の製作に掛かります。

製作にはインダクタンスとリアクタンスが測定出来る測定器を用意して下さい。
私はMFJのアンテナアナライザとアデックス社のLCメーターを使用しました。
MFJのアナライザは測定する時は必ず机がスチールならリード線で机と接続してください木製の場合は出来るだけ広い金属板などを敷きアナライザと接続します。接続しないと表示が不安定で測定出来ません。
本体は前回に製作したリンクコイル式のものを、CQ誌5月号の記事のデーターを元にして改造します。改造部分はリンクコイルを取り外しチューニングコイルは其のままで4〜5cm下側にフィードコイルを巻きます。巻き数はまずフィードコイルのインダクタンスをしらべます、記事の巻き数からソレノイドコイル計算図表(アマチュア無線ハンドブック等を参照して下さい)より約20μH程度になるこがわかります。この値になるようにコイルの巻き数を調整します。インダクタンスを目標にすれば線径やパイプ径が変わっても製作可能です。同じパイプを使用した2本を改造しました。分かりやすいようにAtypeとBtypeと名前をつけます。Atypeはチューニングコイルを1.6φホルマル線で巻いたものでフェージングコイルは1.2mmのホルマル線で10T、Btypeはチューニングコイルを1.6φIV線で巻いたものでフェージングコイルは1mmのホルマル線で9Tになりました。
次はチューニングコイルへフィードコイルを接続するタップ位置の決定です。(これが一番根気がいります
CQ誌の記事では下から1.25Tが指定位置です、アナライザを短い同軸ケーブルの先につなぎ周波数を変化させます。この位置ではRsが低すぎて又リアクタンスXsも下がりません。徐々にタップ位置を上げてゆきます。希望周波数(リンク結合の時の周波数)よりかなり低い(100KHz以上低くなる)周波数で50Ωに近くなる位置がみつかります。
Atypeは下から6T、Btypeは下から4.5Tの位置でRS=50Ω、Xs=0に一番近くなりました。
タップ位置が決まれば希望周波数になる様にチューニングコイルの巻き数を減らしあわせこみます。微調整はチューニングコイルの上側で1/2T程度をUターンしてこの部分で調整します。
以上で本当のEHアンテナの完成です、あとは飛ぶかどうかです。
A
B
写真1
写真2
20μH
36μH
図-2
-jDと打ち消しあう
この部分で周波数の微調整をします
タップ位置のクローズアップ
Atype Btype
パイプ径 90 90
シリンダ長 130 115
フェージングコイル 2T 2T
チューニングコイル 15T/1.6φ 20.5T/1.6IV
タップ位置 6T 4.5T
フィードコイル 10T/1.2 9T/1
周波数 7.06MHz 7.06MHz
インピーダンス Rs=56、Xs=2 Rs=43、Xs=0
EHアンテナの調整方法