1.海の清浄化

  5月頃の満月前後2、3日の夜に、沖縄の海でサンゴが産卵します。その光景は美しく神秘的です(図1参照*1。しかし、今、海洋汚染が広がりつつあります。沖縄の海は美しく、ダイビングスポットになっていますが、地球温暖化と開発の影響を受けて、本島周辺では珊瑚が壊滅状態とのことです*2
 北海道積丹町美国の海も美しく、ダイビングスポットになっています*3。かつては豊かな海でした。
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健全な藻場(海草群落、海の森)があれば、種々の魚介類が繁殖し、豊かな海になります。しかし、今は石灰藻に覆われた白い岩肌がむき出しの状態で、海の砂漠化が進んでいるとのことです。また、ウニの餌であるコンブがなくなってきたとのことです*3
 また、東北沿岸の海は、大震災に伴う津波によって瓦礫やヘドロで汚染され、不透明な海に変わってしまいました。
 こんな状況のなか、世界的に魚を食べる人の数が増え、魚の乱獲が進んで漁獲量が激減しています。そして今、南極のオキアミが、人類にとって残された最大の蛋白源といわれています*4
 日本は、国土の約400倍の海に囲まれています。これまでは、豊かな海の恵みを受けて次のように発展してきました。
【沖縄・石垣島】
生物の世界のなかでもっとも神秘的なのは、産卵や出産というものだと思います。
図1 「自然ってすごい! 満月の夜に大産卵するサンゴの神秘」
出典:マイスピウェブページより*1 写真:道城征央

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  @ 1991年まで、日本は世界一の漁獲量(国際連合食糧農業機関:FAOデータ)を維持してきました(図2参照*5
 A 海水を利用して塩を作ってきました。
 B 黒潮と親潮が交わり合う海流の影響を受けて、四季のある温暖な気候と美しい自然環境に恵まれてきました。
 C 海はCO2(二酸化炭素)を吸収し、地球の温度を調整してくれます。
 D 海の交通により、他国の領域を通らずにどこの国とも貿易ができ、経済が発展しました。
 E 他国に侵略されることなく、独立国として歴史を歩んできました。

図2「日本の漁獲高・世界の漁獲量」
出典:大日本水産会ウェブページ(FAOデータ)より*5


   このように、海が豊かであれば、日本は大きな恩恵を受けられるのです。ですから、日本が今後とも豊かであるためには、海を大切にし、海を豊かに保つべきなのです。
 海を綺麗で豊かに保つには、次のようなことが考えられます。
(a)汚物を海に入れない: ゴミを捨てない、汚水を海に流さない。
(b)海の汚物を処理する: 例えば、大震災で生じた東北の瓦礫、ヘドロを除去する又は海底に埋める。
(c)豊かな漁場を回復する: 藻場、漁礁を作る。その他、魚が産卵しやすく、育ち易い環境を作る。
(d)魚を乱獲しない: 計画的に漁獲量を定め、漁獲量の回復を待つ。
(e)森を豊かにする: 豊かな森の栄養分がやがて海に流れ、栄養分に富んだ海を作るからです*6,7
 このような、綺麗で豊かな海を再生する活動は、NPOの方々によって行なわれておりますが、かなりの研究と努力、さらに多数の人々の協力を必要とし、容易にできることではありません。しかし、日本の研究と努力によって海が清浄化され、漁獲量が増えれば、日本は国際社会から賞賛されます。豊かな海は世界にも大きな恵みを与えるからです。
 海の恵みの増加が第1の宝、国際社会からの賞賛が第2の宝です。

 参考資料
*1 Masa Michishiro、「自然ってすごい! 満月の夜に大産卵するサンゴの神秘」、マイスピウェブページ、[2011年6月14日10:00掲載]、[2011年11月23日検索]、
URL:http://www.myspiritual.jp/2011/06/post-3143.php
*2 ナイチャー小林、「珊瑚の海を楽しむために」、沖縄情報IMAウェブページ、[2011年11月14日検索]、
URL:http://www.okinawainfo.net/coution3.htm
(Top Page)http://www.okinawainfo.net/
*3 「美しい海の海底の秘密」、株式会社GEL-Design(ジェルデザイン)、MoBA BLOGウェブページ、[2011年8月14日検索]、
URL:http://www.moba-project.jp/blog/develop/20101117684/
*4 「市民セミナー 地球温暖化と南極の生物多様性」、南極オキアミ保全プロジェクトウェブページ、[2011年11月14日検索]、
URL:http://krillcount.jp/seminar08.html
*5 「日本近海漁場」、社団法人大日本水産会(水産大百科ウェブページ、水産業のあらまし)より、[2011年11月23日検索]、
URL:http://www.ryoushi.jp/knowledge/aramashi/aramashi_7.html
*6 「CO2の吸収 森林と陸・海の生き物の量」、タケスズ、知ってますか地球の変化ウェブページ、[2011年8月14日検索]、
URL:http://www12.ocn.ne.jp/~take03/j23co2.htm
*7 畠山重篤、「海のなかも、たくさんの生きものが暮らす「森」そのもの」、コカ・コーラ「森の博士」ウェブページ、[2011年8月10日検索]、
URL:http://www.cocacola.co.jp/uruosu/mori/hogosya/study05.html

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