12.海洋地図

 日本を取り巻く海の3次元地図を作成するものです。図16は日本近海の精密海底地形図です*65。これを3次元化し、さらに多目的に使用できるようにするのです。
chizu
 @海底の深さを超音波(ソナー)により測定します。等高線を描くことにより、海底の凹凸が解ります。
 A海底火山、熱水の噴出する場所、石油・天然ガス等のエネルギー資源、鉱物資源の埋蔵域を記載します。エネルギー資源、鉱物資源の探査は、海底の地質のサンプルを分析すること(X線分析など)により行ないます。
 B海水の水温、水流、成分(塩分・ミネラル成分等)を3次元的に調査し、地図に記入します。
 C海中の動植物の生態をカメラで撮影・観測したり、植物の分布・動物の生活圏・回遊路を調査して地図に書き込みます。動物に超音波発信器を付して追跡調査することも可能です。
 D主な漁場も記入します。また、地図上の3次元スポットとビデオ映像とを関連付け、データベースに蓄積します。
 E船舶の航路を記入します。海底ケーブルの位置も記入します。
 

陸域の地形データは国土地理院提供
*最終更新日2010年2月23日
図16 プレート境界域の精密海底地形図
出典:海上保安庁海洋情報部ウェブページより*65


   F海底の随所に震度計を設置し、地震の予測とマグマの動きの調査を行ないます。地殻の変動が激しくなった時は緊急警報を発します。
 G海上に植物を植えた緑の浮島を浮かべ、海鳥や魚のオアシスとします。栄養分が海に流れ、プランクトンが増殖され、魚の繁殖に役立つようにします。また、植物はCO(二酸化炭素)を吸収します。浮島も地図に記入します。
 H海中に通信線、電力線、エネルギー輸送パイプを格子(グリッド)状に巡らします。必要に応じて通信ができ、電力が得られるようにします。例えば、エネルギー資源採掘場の上に浮島を浮かべ、採取基地とします。ここで発電を行ない、採掘場まで電力を供給します。また、通信線を採掘場まで引き、これを用いて採掘の状況を監視し、操作信号を送ります。
 I採取した天然ガス等の輸送パイプも敷設します。これらの通信線、電力線、エネルギー輸送パイプも地図に記入します。
 Jダイビングスポット、観光スポット等も記入します。
 上述のとおり作成された海洋地図は、海洋を利用する際に参照され、新たな可能性の創出に役立ちます。

 参考資料
*65 「プレート境界域の精密海底地形図」、海上保安庁海洋情報部ウェブページ、[2010年2月23日更新]、[2011年11月13日検索]、
URL:http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAIYO/sokuryo/sokuryo.html

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