『おめでとう』なんて、改まった言葉はいらないよ。







  ・。 Happy BirthDay 。゜・







  昨日一昨日くらいまで、春になったっていうのにまだ寒さが残っていたけど
  今日は打って変わっていい天気。
  お日様が出て、ぽかぽかあったかくって気持ちいい。
  俺とは特に何をするわけでもなくこうやって公園のベンチに座っている。
  「今日は晴れてよかったねぇ。」
  「おぅ。すっげーあったかいね。俺眠くなりそ・・・。」
  ほんとに眠くて俺は大きなあくびをした。
  「それはいつものことでしょ。」
  そう言っては笑う。
  俺も一緒になって笑う。

  今日は、ゴールデンウィークも最後ってことで、とデートしようってことになった。
  最初はどこに行こうかって二人ですごい張り切ってたんだけど、
  どうにもこうにも財布の中身が足りなくて、こうやって近所の公園で日向ぼっこってことになったのだ。
  
  ゴールデンウィークの最終日、つまり今日は5月5日。
  実は俺の誕生日だ。
  はそれを知らない。
  との付き合いは長いけど俺の誕生日を一緒に迎えるのは今年が初めてで、
  そういう話になったこともないし俺も言ってないし、
  たぶん、知らない。
  もし知ってたらのことだからプレゼントがどうだとかもっと大騒ぎしてるだろう。
  それがこうやって何も言ってこないところを見ると知らないんだろうな。
  ちらりと半分閉じかかった目でを見る。
  も俺と同じようにうとうとしている。
  なんか一生懸命目を開けようとしててすげぇかわE−!

  「あ、そうだ。お菓子もってきたの。」

  は思い出したようにはっとそう言って、かばんの中からムースポッキーを取り出した。
  「わぁーいいなー!俺にもちょっとちょうだい!」
  俺はあーんと口をあけた。
  「はいはい。一緒に食べようと思って買ってきたんだよ、はんぶんこだからね。」
  は口を開けて待ってる俺をくすくす笑って、それを一本食べさせてくれた。
  

  は、今日が俺の誕生日だって知らない。
  

  「うぅー・・・。ジロちゃん、なんか眠くなってきた・・・。」
  は目を両手でこすりながら、俺の肩にとん、と頭を乗っけた。
  「仕方ねぇなー、俺がに肩を貸してあげよう!」
  「何よー、ジロちゃんだって眠いくせに・・・。」
  はもうほんとに眠いみてぇ、消え入りそうな声でそう言うと、
  肩に程よい重さを感じた。そのうちの寝息が聞こえてきた。

  

  だけどいいんだ。

  プレゼントとか、大きなケーキとか、『おめでとう』の言葉とか、
  俺はそんなのぜんぜんいらない。

  こうやって、がいつもと同じように俺の隣にいてくれて、
  笑って、俺の名前を呼んで、・・・おまけにムースポッキーを食べさせてくれて、
  俺の肩に寄りかかって眠ってる。
  
  それだけで俺はすっげーしあわせ。


  
  「おやすみー、・・・。」

  俺ももう眠さの限界だ、
  の頭に頭を乗っけて俺もそろそろ寝よっと。
  

  
  お日様が俺とを見守ってくれる。
  俺はゆっくり瞳を閉じた。



  
  が俺の隣にいてくれる。
  それが、俺の最高の誕生日。










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  ジロのお誕生日だよ!
  おめでとう!おめでとう!!(ひつこい
  もうジロをとりまくすべてのものに感謝したいです(大げさな
  なんかだいぶ前からお誕生日祝っちゃってたから
  どうにか当日になんかしてやりたいと思ってたんだけど
  引越しで忙しいわパソコンはつながってないわで
  『今年無理だ・・・。』ってすごいあきらめてたんだけど、どうにか
  超短いんだけどできて良かったです!
  朝になったらまた片付けせんなんし出来ないと思ってこうやって深夜営業です、
  でもジロのお誕生日が当日にちゃんと祝えて(祝えてるのかコレは)良かった!
  とにかくジローおめでとう!!ジロ大好き!


                    2004.5.5


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管理人感想
 ほのぼのしてあったかくて、このお話大好きですvv
 涙が出そうなほどきれいなお話で、読んでいてとても幸せな気分になりましたv
 短くてもこんな感動を与えられるのって、すごいなぁ。
 璃桜様ありがとうございましたvv

 璃桜様のサイト『* accarezzando *』へ


 2004年5月6日


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