<A-1 以下の進展例>


後手の応手は果たして・・・?現代将棋での出現率は1.2を争う局面です。


@▽8四歩〜横歩取り戦法〜  進展例(参考自戦記・31/43/54)

互いの角道を開けてから飛車先の歩を伸ばしていく。いったん金を上げて角を守るのが大事なところ。互いに飛車先の歩を交換した後に、先手が3四の歩を取ることから、横歩取りの名がある。先手が横歩を取るのに一手かけた分、後手が先攻しようという作戦で、後手に主導権のある戦法といわれている。

A4四歩〜▲居飛車VS▽振り飛車 進展例(参考自戦記・33/42/47)

 後手が角道を止めたことで、▲居飛車vs▽振り飛車という戦形はほぼ確定した。ただ、前ページの「B-2」の展開になると、矢倉に組めないので、(後手が角道を開けると横歩取りになってしまう)角道を止めて矢倉に組む「無理矢理矢倉」という手順もあるにはある。
 以下、先手は舟囲い・後手は美濃囲いに組んだのが右の図。図は四間飛車だが、▲3六歩とついてあるので、先手は急戦を明示している。ただ、細かいことをいうと、3六歩の前に▲6八銀と上がっておくのが一般的である。図は便宜的なものであることを付記しておく。

 

B▽5四歩〜後手ゴキゲン中飛車(5筋位取り中飛車) (参考自戦記・11/45/48

 

後手が5四歩とつく。一見奇異な感じに見えるが、この4手で戦法が決まる。ゴキゲン中飛車である。風変わりな名前は、この戦法の開発者である近藤正和五段が、いつも機嫌がいいということによる。名前はともかく、この戦法の狙いは、角道を止めないで中飛車に組み、五筋の位をとって優位に駒組みを進めようというものである。また先手からの角交換や飛車先交換にもきちんと対策が準備されており、本格的な戦法であると認められ、升田幸三賞を受賞した優秀な戦法なのである。

C▽3五歩〜後手升田式石田流 進展例

 角道を止めないで三間飛車に組む升田式石田流戦法は、後手番でも可能である。指し方によっては序盤から角交換を挑んで馬を作ることもできるし、居飛車側が4七に銀を持っていって、3筋からじっくり逆襲していく戦い方もある。いずれにしても、振り飛車側はさばくことを念頭に、居飛車側はさばかせないように駒組みをしていくことが肝要である。