平成15年度決算に対する反対討論

                                                                                            2004(H16).9.27

 
 平成15年度の決算に対して反対の立場から討論させていただきます。

私はこれまで行政に対して、情報公開と市民に対するわかりやすい説明を求めてきました。決算書についても同様です。行政にとって決算書は第一義的に東京都や国に提出する資料という意味があるのかもしれませんが、私は市民に対して市政の中身をわかりやすく解説する資料であって欲しいと思っています。H11年にまとめられたニセコ町の「もっと知りたいことしの仕事」はすでに有名です。昨年の決算に対する討論でも述べましたが、お隣の三鷹市では、「三鷹を考える論点データ集」「基礎用語辞典」などわかりやすいデータ分析の資料を発行しているので、武蔵野市でも市民向けの資料を考えたらどうかと提案しましたが、これは実現していません。

同じく昨年の決算に対する討論の場で、各款の人件費の人数や給料などを決算書に記入したらどうかと主張しましたが、これについても今年の記述には全く変化がありませんでした。ちなみに、私が委員を務めている「武蔵野市福祉公社」の場合、昨年の決算説明を受けた際、記述の仕方について意見を述べたところ、今年の決算書では改善され、これによって事業自体について理解が深まり、公社の職員の方々との距離感も多少縮まった気がします。この一例のように、決算書がわかりやすくなれば、市民はコスト面から市の施策についてもっと理解を深めることができるはずです。決算・予算は各款の数字の集積が重要なだけでなく、市民に対する行政の説明責任として大切な役割があると考えています。

それでは、具体的な反対理由に入ります。
まず、水道事業会計に反対の理由です。今年の3月11日の建設委員会で水道料金22,900円の延滞者に対して、給水停止を行う際に水道部の職員が漏水事故を起こし、昨年12月に市は相手側2者に約1,800万円の損害賠償金を支払うことで示談が成立したとの報告がありました。今回の決算書で確認したところ、「決算参考資料」の水道事業会計の中の補償費に18,209,354円の計上がありましたが、備考欄は空欄で、これを読んだだけでは具体的な中身はさっぱりわかりません。事故の後、前の部長や担当者等5名に対して文書と口頭での処分があったとのことですが、一般常識とずれていて軽すぎると感じました。今回のような市にとってネガティブな情報こそ、行政の説明責任としてはっきりと決算書等に明記すべきだと考えます。

次に一般会計に対する反対の理由を述べます。

第1は、市のIT関係についてです。決算特別委員会の中でも、委員から多くの質問が出ました。インターネット利用は行政として今後も力を入れるべき取組の一つだと思いますが、今のやり方には問題点があります。具体例を挙げます。

今年1月から2月に掛けて市のHPについての意見募集がありましたが、半年以上経ってもトップページのリニューアル以外目立った改善はありません。締め切り後にHP上で応募総数などの報告もなかったと記憶しています。この傾向は、長期計画の意見募集でも同様で、市民から意見は募集するものの、募集が終わった後の簡単な報告もなく、インターネットの長所である双方向性がほとんど生かされていません。HPを行政側が市民からただ意見を集めるための道具として利用しているとしたら、いくら長期計画策定委員の方が武蔵野市の長期計画は市民参加だと言っても、実際にはこのように情報が一方通行では、市民が参加している実感が薄く、説得力は乏しくなります。

また、HPでは市長交際費の改定された支出基準が公表されていますが、秘書室長の説明の通り相変わらず金額については非公開で、これにはがっかりさせられました。東京都の交際費の支出基準は以前からオープンになっていますし、都内の多くの自治体でも私が調べた限り、支出基準があるところは金額も公開されています。これらのことを考えると、武蔵野市でも世間並みに透明性を高めるべきだと考えます。また、ITに力を入れる理由には行政の仕事の中身を市民に見えやすくすることを優先させるべきで、それを忘れて、単にハード面だけを充実させてもあまり意味がないと感じます。

第2にテンミリオンハウスの事業についての疑問です。事務報告書を見るとH12年に比べ登録者数は、「川路さんち」は132名から24名へと極端に減少し、延べ利用者数も200名程減りました。「そーらの家」は延べ利用者数は700名ほど増えたものの、登録者数は96名から33名へとおよそ1/3となりました。何か特別な事情があるのかもしれませんが、利用者の巾を拡げる工夫がなされているのかどうか、少し疑問に感じました。毎年1千万円くらい掛けて鳴り物入りで始めた事業がその後どうなっているかを把握し、問題点を解決し、事業の有効性を高めるための手だてが必要ではないかと感じました。事務報告書などを見る限り、そういった対策が施されているとはあまり感じられません。

第3に出資団体の報告の内、武蔵野健康開発事業団の事業内容について疑問に思いました。例えば、H14年度と同じく調査研究事業として顧客満足度調査のために人間ドック利用者にアンケートを実施したとありますが、アンケートでどんな意見が出て、どのような問題点があるのかなど、報告書には具体的な説明・分析が欠けています。また、アンケートの結果で改善した中身として「設備、案内板等」との記述のみで、これでは何をどう改善したのか全くわかりません。そもそも毎年同じやり方をただ繰り返すだけでは駄目で、色々と具体的に工夫し、試行錯誤して初めて顧客満足度が高まると考えます。また、啓発及び普及事業として、ホームページで情報を提供しているとのことですが、アクセス数は年間1,200件、一日3件くらいで、あまりにも少な過ぎると感じました。内部で「ホームページ運営会議」を設置しているそうですが、HPを見ても特段ユニークなメニューは見つかりませんでした。市が出資し、多額の補助金を出している団体の事業なのですから、例えば市民がHP上で簡単な健康チェックができるなど、もっとはっきりと目に見える形でサービスを提供する姿勢が必要です。これら調査研究事業と啓発及び普及事業にはあまり力を入れているとは感じられませんでした。最近では病院もサービス評価の対象となり、グローバルなランキング付けも実施されるようになっています。こういった流れを見ると、武蔵野健康開発事業団ももっと市民に対するサービスに本気で取り組むべきだと感じます。

最後に出資団体の内、武蔵野市開発公社の(株)FFショッピングセンターの解散についての問題です。今年3月の予算特別委員会の質疑の中でFFショッピングセンターの解散が初めて明らかになり、その直後の3月末日に解散、その後は武蔵野市開発公社が事業を継承するという急な展開となりました。昭和54年に、吉祥寺北口の再開発で地権者の受け皿として市が建設したFFビルには伊勢丹などが入っています。FFショッピングセンターはこのFFビルの管理運営などが中心の、開発公社・伊勢丹・武蔵野市などが共同で出資して作った会社です。市長はこれまで FFショッピングセンターは所期の目的を達成したので解散するとの説明を繰り返し、開発公社の平成16年度の事業計画書を見ても同様の記述がありました。しかし、今回提出された「財政援助出資団体経営状況調」の主要事業の概要を読むとそれらとは全く異なった記述があり、強い疑問を感じました。これによると「平成14年に鵜川公認会計士にFFビル賃貸事業に関する経営診断報告書の作成を任せ、10月にはその報告を基礎として、FFビルの賃貸事業の効率的経営のあり方を探るために検討委員会を設置し、検討を進めてきた」と記述されています。つまり、一昨年には市長や開発公社の幹部の方々はすでにFFショッピングセンターの賃貸事業の効率化などについて問題があると感じていたからこそ、公認会計士で市の特別委員でもある鵜川氏に経営診断報告書の作成を任せたのではないでしょうか?また、同じ資料の続きには、平成15年の4月以降には「経営状況について緊急に対応措置を取ることが必要との結論から中間報告が出された。」とあり、かなり急がなければならない状況であったことがわかります。さらに「(株)FFショッピングセンターの財務状況の悪化に伴い、ショッピングセンターの事業を解散した上で、資産、負債を継承し事業を引き継ぐ方針を立て、理事会等に説明を行い支援措置への了承に努めた。」との説明が続き、ここまで読むと市長が言うようにFFショッピングセンターの固定資産が経年劣化で約10億円評価が低下しているのが分かったから、いきなり解散し、開発公社がその事業を継承するというのは不合理で話の辻褄が合いません。緊急措置を要する「財務状況の悪化」とは一体何を指すのでしょうか?先程も市長に質問しましたが、答弁では明確な説明が全くなく、納得できません。市が出資し、深く関与してきた会社の解散について、市長のこれまでの答弁には上記のように矛盾があることが明らかになりました。

決算報告で以上のような問題点について納得の行くような説明がありませんでした。行政の説明責任が必要だという立場から、指摘したようにいくつかの事業・施策で不透明感が感じられるので、平成15年度の武蔵野市の決算には反対の討論と致します。

(2004.9.27  武蔵野市議会本会議  三宅 英子)