週刊誌の連載記事で武富士から5000万円


 朝日新聞社が00〜01年の「週刊朝日」の連載記事に関して、消費者金融大手「武富士」から編集協力費名目で5000万円の提供を受けていたことが分かった。連載に「協力・武富士」などのクレジットはなかった。連載は武井保雄前会長による盗聴事件の発覚前だったが、朝日新聞は「その後の報道姿勢になんらかの影響を与えた事実はない」としている。

 朝日新聞社広報部によると、週刊朝日の連載は00年7月7日号から01年8月10日号まで53回掲載された「世界の家族」。グラビア5ページで、イタリア、オーストリア、中国など約20カ国の家族をルポした。5000万円は記者とカメラマンの海外出張費などに使われた。

 両社の覚書では、週刊朝日の編集方針を武富士が尊重することが盛り込まれた。武富士側の意向で連載には同社のクレジットはつけず、連載後の写真展開催や写真集出版の際に明記することが話し合われたが、編集長の交代などで引き継がれなかったという。

 朝日新聞社の本沢義雄取締役出版・広報担当は「編集タイアップ企画なのに武富士の名前を出さないまま時間が経過したのはこちらの不手際。結果として誤解を招き、反省している。5000万円に不正なやりとりは全くない」とのコメントを出した。【石丸整】

毎日新聞 2005年3月31日 0時17分