連合会長選、一転選挙に 全国ユニオンの鴨氏出馬 


2005年 9月21日 (水) 21:41

 笹森清会長(64)の退任に伴う連合の会長選が10月6日の定期大会で行われることになった。民間最大の産業別労組、UIゼンセン同盟会長の高木剛氏(61)の信任投票になる運びだったが、21日の立候補締め切り直前に、派遣やパート社員も加入できる全国コミュニティ・ユニオン連合会(全国ユニオン)会長の鴨桃代氏(56)が駆け込み出馬した。労働者の約3割に膨れた非正規社員の声が十分に反映されない組合活動への不満が噴き出した形だ。

 過去8回の会長選で、飛び入りの出馬は初めて。女性の候補者も初めてだ。

 全国ユニオンは「誰でも、1人でも入れる労組」を掲げて各地で活動する地域ユニオンが集まって02年に誕生。多くの労組が会社単位で正社員向けにつくられ、「勝ち組のための労組」との批判も出る中で、パートや派遣社員ら約3300人が加入する。

 パート労働者の多い流通・サービス業を抱えるUIゼンセンは、正社員の企業別組合にパートを加入させる形で組織化してきた。これに対し全国ユニオンは、地域を核に組織化を進めており、路線の違いから対立した過去もある。鴨氏は「苦しい思いをしている非正規社員の心に届くような活動をしたい」と立候補の理由を語る。

 笹森会長が退任を表明した6月以降、後継選びは迷走した。笹森氏は電機連合の古賀伸明委員長(53)を念頭に、大幅な若返りを打ち出し、役員推せん委員会も同意していた。

 だが、そうした笹森氏の動きに連合事務局長の草野忠義氏(61)が反発。出身母体の自動車総連に会長選出馬への支援を求め、了承を得た。

 役せん委も折れ、草野会長―古賀事務局長案で調整を図ろうとしたが、大手企業の労組出身の組み合わせに官公労などが反発。8月下旬に「高木会長」案が浮上し、草野氏は出馬を取り下げた。