’05都議選:終盤情勢をみる/下 /東京

 ◇杉並区

 定数6に自民、民主が各2人、公明、共産、ネット、諸派が各1人、無所属5人の計13人が立候補する大混戦。

 田中氏は無党派層に浸透し安定した戦い。松葉氏も組織票を手堅くまとめる。大泉氏は地元区議が応援に入り、着実に支持を固める。

 吉田氏は都政批判を展開し議席死守の構え。福士氏は生活者の視点で市民派だと訴える。公募の早坂氏は石原伸晃前国交相の全面支援を受け、若さをアピール。堀之内氏は女性票と無党派層への食い込みを狙う。連合支援の門脇氏は労組票以外にも重点を置く。

 長谷川氏は「都政革新」を訴え、返り咲きを目指す。前回次点の千葉氏、3度目挑戦の木梨氏、急きょ出馬を決めた渡嘉敷氏はそれぞれ地盤固めを急ぐ。中川氏は独自の選挙戦を続ける。

 ◆2現職追う新人と元職−−豊島

 ◇豊島区

 現職の2人を新人と元職が激しく追う。長橋氏と矢島氏は1期4年間の実績を強調しながら、それぞれの支持層の拡大を狙う。渡辺氏は「都議会唯一の野党」とアピールし、党の議席確保を目指す。泉谷氏は街頭演説を重ね、前回失った党の議席奪回を目指す。竹下氏は防災問題への意欲を訴えて追い上げを図る。

 ◇北区

 高木氏は後援団体を引き締めて保守票を固めてきた。大松氏は支持組織に名前の浸透を徹底し、さらに広がりを目指す。曽根氏は3期12年の実績で支持拡大を狙う。和田氏は豊富な政治経験と地元への貢献をアピール。戸枝氏は支援の区議と保守の改革を唱えて支持拡大を狙う。原田氏は街頭から若さと熱意を強調して票を掘り起こす。

 ◇荒川区

 鈴木氏は組織の引き締めに力を入れる。崎山氏は、後援会の票固めと知名度アップの活動を続ける。滝口氏は、若い世代に子育て支援などを訴え、追い上げを図る。小林氏は福祉充実などを訴え、街頭などで精力的に活動。小坂氏は保守層を中心に訴えを続ける。

 ◇板橋区

 定数5を8人が争う混戦。橘氏と古館氏はそれぞれの支持組織を固め、さらに支持の拡大を目指す。土屋氏は高い知名度と石原知事とのパイプをアピールして票の積み上げを狙う。稲葉氏は支持団体を基に支持者を固める。坂本氏は党の後押しを受けて個人演説会を精力的にこなす。熊木氏は民主支持層への浸透を目指し、河野氏は保守票の取り込みを図って激しく動いている。本村氏は市民運動を続けてきた行動力をアピールしている。

 ◇練馬区

 6議席を8人が争う。高橋氏は地盤の区西部を中心に保守票を固める。石川氏は実績を訴えて支持組織をまとめ、松村氏は党支持層からの広がりを目指す。山加氏は福祉団体など支持を受けながら浸透に懸命。山口氏は主婦層の支持を集める。野上氏は国会議員の応援を受けながら若さをアピールし、野沢氏は支援の区議らと支持拡大を目指す。土屋氏はオンブズマンの活動から透明性のある都政実現を訴える。

 ◆6議席めぐり激戦−−足立

 ◇足立区

 6議席をめぐる激しい戦い。近藤氏は後援会を中心に票をまとめる。渡辺氏は組織票固めに力を入れる。高島氏は後援会を中心にフル稼働。中山氏は組織の引き締めに力を入れる。友利氏は遊説活動など、三原氏は商店街での活動など、それぞれ積極的に活動。逸見氏、大西氏は街頭などで活発に動きながら、無党派層などに向けて訴えを続け、追い上げを図る。

 ◇葛飾区

 少数激戦。野上氏は組織票引き締めに力を入れる。伊藤氏は民主の初議席を目指し、街頭などで若さを積極的にアピール。鈴木氏は後援会を中心に保守層への浸透を図る。樺山氏は地元区議らの支援を受け、支持を広げる。現職後継の高橋氏は、知名度アップに躍起。

 ◇江戸川区

 上野氏は6期務めた現職の支持者を確実に継承。大西氏は集会、街頭活動に力を入れ地盤を固める。初鹿氏は増税反対と子どものための社会作りを強調し、無党派層に訴える。河野氏は改革を訴え、党支持者から女性票に広がり。田島氏は元衆院議員の父からの堅固な後援会を固める。宇田川氏も元衆院議員の父の地盤に、臨海部での上乗せを狙う。佐々木氏はヒートアイランド防止を軸に訴える。川口氏は、世襲批判、育児支援をPTAなどに訴える。

 ◆5党公認5氏が3議席争う−−北多摩1

 ◇北多摩1

 5党公認5氏が争う。谷村氏は1期目の実績を強調し、党幹部らの応援を得て組織を引き締める。佐藤氏は20代の若さを前面に出し、行財政改革を訴える。倉林氏は政策の実行力をアピールし、支持者回りに余念がない。小松氏は小児医療体制の強化などを公約に掲げ、支持拡大を図る。馬場氏は遊説に力を入れ、福祉・環境を優先する都政の実現を主張する。

 ◇北多摩2

 大西氏は1日約20回の街頭演説を重ね、主婦層に加え30〜40代を中心とした男性にも浸透を図る。三田氏は支持組織を引き締め、国分寺市長選の現職候補と連携しながら道路整備の推進を訴える。唯一の40代で国立市内に地盤を持つ高島氏は世代交代を主張し、国分寺市内での知名度アップを図る。前田氏は選挙区全域を回り、医療や福祉の充実を訴える。

 ◇北多摩3

 尾崎氏は秘書を務める地元の山花郁夫衆院議員の地盤に浸透、若さを強調し勢いに乗る。遠藤氏は市議時代からの支援組織を引き締め、堅実な戦い。田中氏は子育て支援活動の実績からPTAなどの支持を受ける。

 ◇北多摩4

 野島氏と山下氏が現職の知名度を生かして浸透し、篠原氏が追う。野島氏は各地域でこまめに街頭遊説を行い、各種団体への働きかけも強める。山下氏は街頭遊説と電話作戦を組み合わせ、無党派層の支持拡大に全力を挙げる。篠原氏は都立清瀬小児病院の存続のほか石原都政批判を展開している。

 ◇島部

 川島氏は各島の町村議計約70人で作る「川島会」や各種団体の支援を受け、安定した戦い。池田氏は鳩山由紀夫元代表、松原仁衆院議員の応援で無党派層への浸透を図る。梅田氏は島の振興など政策を中心に訴えている。

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 ◆立候補者

 (届け出順)

 ◇杉並区(定数6−13)

長谷川英憲  67 政治団体代表 諸元

堀之内敏恵  32 ネット政策委 ネ新=[民]

松葉多美子  42 党副総支部長 公新

早坂義弘   36 大学院生   自新

千葉昇    62 [元]区議長 無新

渡嘉敷奈緒美 42 [元]区議  無新

門脇文良   50 [元]区議  民新

吉田信夫   55 党准中央委員 共現

木梨盛祥   55 [元]区議  無新

田中良    44 党支部長   民現

福士敬子   66 自治市民代表 無現

大泉時男   63 [元]区議  自新

中川修    33 会社員    無新

 ◇豊島区(定数3−5)

渡辺久美子 54 [元]区議 共新

長橋桂一  48 党総支部長 公現

竹下友康  52 会社役員  無元

矢島千秋  57 幼稚園経営 自現

泉谷剛   39 [元]区議 民新

 ◇北区(定数4−6)

和田宗春 61 党支部長   民現

大松成  44 党都政策次長 公新

戸枝大幸 28 [元]区議  無新

原田大  28 党都政策委員 民新

曽根肇  53 党都委員   共現

高木啓  40 [元]区議  自新

 ◇荒川区(定数2−5)

滝口学   34 [元]衆院秘書 民新

小林行男  49 党地区常任委  共新

崎山知尚  39 [元]区議   自新

小坂真三  50 [元]区議   無新

鈴木貫太郎 61 党都副幹事長  公現

 ◇板橋区(定数5−8)

河野雄紀  35 [元]区議  無新

古館和憲  58 党都議団役員 共現

土屋敬之  53 会派総務会長 民現

本村久美子 46 市民団体代表 無新=[ネ][社]

熊木美奈子 43 党都政策委員 民新

坂本健   45 幼稚園設置者 自新

橘正剛   52 党都政策次長 公新

稲葉真一  58 党支部相談役 自現

 ◇練馬区(定数6−8)

高橋和実 57 会社社長   自現

山口文江 57 ネット代表委 ネ現

土屋俊測 66 会社役員   諸新

石川芳昭 58 党都副幹事長 公現

野上幸絵 35 党都政策委員 民新

野沢彰  52 [元]区議  民新

山加朱美 51 党総支部役員 自現

松村友昭  60 党都議団役員 共現

 ◇足立区(定数6−8)

渡辺康信 67 党都委員    共現

中山信行 46 党都局次長   公新

友利春久 59 党都都民局長  公現

高島直樹 55 会社社長    自現

三原将嗣 62 社福法人理事  自現

大西智  43 党都政策委員  民新=[ネ]

逸見英幸 57 [元]区議   民新

近藤弥生 46 税理士     自現

 ◇葛飾区(定数4−5)

野上純子 52 党都女性局長 公現

鈴木一光 54 党副支部長  自現

伊藤正樹 32 [元]区議  民新

樺山卓司 57 学園理事長  自現

高橋信夫 51 [元]区議  共新

 ◇江戸川区(定数5−8)

田島和明  54 [元]区議   自現

初鹿明博  36 党支部長    民現

上野和彦  52 党都政策次長  公新

佐々木美貴 43 環境設計士   ネ新=[民]

大西英男  58 党新憲法委員  自現

宇田川聡史 40 [元]衆院秘書 無新

川口俊夫  52 [元]区議   無新

河野百合恵 55 都公社評議員  共現

 ◇北多摩1(定数3−5)

谷村孝彦 42 党都青年局長 公現

小松恭子 65 党都委員   共現

倉林辰雄 65 党総支部長  自現

馬場貴子 43 ネット政策委 ネ新

佐藤広典 29 党総支部役員 民新

 ◇北多摩2(定数2−4)

三田敏哉  71 党支部連会長   自現=[公]

高島美秋  47 [元]国立市議長 無新

大西由紀子 54 [元]会派代表  ネ現=[民]

前田武彦  61 党地区常任委   共新

 ◇北多摩3(定数2−3)

田中智子 47 党地区常任委 共元

遠藤衛  66 調布陸協会長 自現

尾崎大介 31 衆院秘書   民新=[ネ]

 ◇北多摩4(定数2−3)

篠原重信 54 党地区常任委 共新

山下太郎 32 党総支部役員 民現=[ネ]

野島善司 56 党総支部長  自現=[公]

 ◇島部(定数1−3)

池田剛久 39 衆院秘書     民新

川島忠一 58 [元]会派幹事長 自現=[公]

梅田孝雄 61 党都島委長    共新

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 ◆名鑑の見方

 氏名、年齢(3日の投票日現在)、肩書、党派(自は自民、公は公明、民は民主、共は共産、ネは生活者ネット、社は社民、諸は諸派、無は無所属)、現元新別。=の後は推薦・支持

毎日新聞 2005年7月1日