’05都議選:終盤情勢をみる/中 /東京

 ◆12人入り乱れ激戦−−世田谷区

 ◇品川区

 伊藤氏は現職の後継として、引き継いだ支持基盤固めに全力を挙げる。佐藤氏は5期20年の実績をミニ集会などでこまめに訴える。藤田氏は引退する現職と二人三脚の運動で、後継をアピール。馬場氏は福祉政策充実を訴え、石原都政への批判票の取り込みも図る。田中氏は石原慎太郎知事とのつながりを強調し、追い込みをかける。神野氏は規律ある教育現場の復活などを訴える。

 ◇目黒区

 鈴木氏は個人演説会などで区議5期の実績を訴えて安定した戦い。唯一の現職東野氏は支持組織を引き締める。伊藤氏は積極的な街頭活動で、無党派層への支持を広げる。宮本氏はオール与党批判で議席奪取を狙う。矢田氏と谷氏は名前の浸透を図る。

 ◇大田区

 自公民共が複数候補を立て、ネット新人と無所属2人が加わって競う激戦区。

 松原氏は区内全域に支持を広げる。藤井氏は支持組織を手堅く固める。遠藤氏は任期中に死去した都議の支持票を受け継ぐ。鈴木氏は石原知事とのパイプの強さを強調。名取氏は支援を受ける労組票に上積みを図る。可知氏はオール与党、石原都政批判を展開。岡崎氏は街頭活動で無党派層の取り込みを狙う。神林氏は区議7期の実績を訴える。飯島氏は市民感覚を生かした都政を掲げる。中村氏は共産2議席目の死守を目指す。石原氏は故新井将敬元衆院議員の秘書経験を訴え、須藤氏は持続可能な社会作りを掲げる。

 ◇世田谷区

 自民、民主が各3人、公明2人、共産、ネット、社民、諸派の各1人の計12人が競う激戦区。

 2期連続トップ当選の田代氏は今回も安定した戦い。花輪氏も現職の強みを生かし、無党派層取り込みを狙う。中小企業診断士の三宅氏は地盤の商店街の支持を集める。桜井氏、中島氏も支持基盤をすみわけ、組織票を手堅くまとめる。

 前回共倒れの共産は田副氏にしぼり議席確保をうかがう。佐藤氏は女性票に加え、若年層を中心に支持を広げる。真鍋氏は地盤の区西部以外の票の掘り起こしに躍起。後藤氏は行革活動の実績をアピールする。山口、関口の両氏は地元の衆院議員の支援を受け、浮動票の獲得に懸命。大久保氏は護憲を訴え、支持拡大を目指す。

 ◆女性現職2人追う2新人−−渋谷区

 ◇渋谷区

 女性現職2人を無所属新人と共産新人が追う展開。長妻昭衆院議員の支援を受ける大津氏は、街頭活動に力を入れて無党層への支持を広げる。父親の小倉基前区長の地盤を引き継いだ村上氏は保守票を固め、公明との連携も進める。元自民区議の伊藤氏は区議会議長の実績などをアピールし、保守層と無党派層への食い込みを狙う。小峰氏は党の全面支援を受け、議席確保を目指す。

 ◇中野区

 新人の高倉氏は支持団体に名前を浸透させ、さらに広げる。現職の川井氏は石原知事とのパイプの太さと実行力を自民支持層に強調。樋口氏は公約を若者の完全就労を促す条例制定に絞り、支持を求める。高橋氏は元衆院議員の父の支持者を固め、保守層への広がりを目指す。植木氏は都議12年の実績と防災公園の必要性を訴え、返り咲きを狙う。吉田氏は長妻昭衆院議員の支援を受け、若さと行動力をアピールして追い上げる。

 ◇昭島市

 新藤氏と小林氏が激しく競り合い、星氏が追う展開。新藤氏は自民市議8人を核に保守層をまとめるほか、公明の推薦を得て組織票を着実に固める。小林氏は「選手交代」をスローガンに掲げ、岡田克也代表ら続々と応援に入る党幹部の支援を受ける。星氏は街頭遊説を精力的にこなして知名度アップを図る。

 ◇町田市

 前回に続きトップ当選を狙う吉原氏は、歯科医師会やスポーツ団体など約110団体から推薦を受ける。真木氏は、石原都政への批判を展開、通勤サラリーマンを中心に無党派層への浸透を図る。小磯氏は連日訪れる党幹部の後押しを受け、支持固めに懸命。室谷氏は3陣営を「オール与党」と批判、福祉の充実を訴える。

 ◇小金井市

 国崎氏は自民総支部の推薦を受けるほか、終盤に石原知事の応援も得て浸透を図る。西岡氏は菅直人・民主党前代表との連携や市議時代の実績を掲げ、自転車で市内をくまなく回る。安保氏は若さや子育てを看板に無党派層の取り込みを狙い、無所属市議らの支援も受ける。岩永氏は「石原都政に対決できる都議を」と訴え、前回得票の上積みを目指す。西橋氏は「小金井をIT先端都市に」と主張する。

 ◇小平市

 斉藤氏は、4月に現職を破って市長に初当選した前職の小林正則氏の後継として、市議7人の支援を受け、トップ当選を目指す。高橋氏は組織の引き締めに力を入れるとともに、市内全域を選挙カーで回り、知名度アップを狙う。井手重氏は医療や教育、福祉の充実をテーマに、無党派層への浸透を図る。

 ◇日野市

 4期目を目指す古賀氏は馬場弘融市長、自民党系市議らの支援を受け、都政とのパイプの太さを主張する。執印氏は900回を超える都議会での質問回数などの実績を強調し、無党派層への浸透を深める。村松氏は反市長派の市民団体と連携。福祉、教育重視の都政を訴える。

 ◇西東京市

 山田氏は支援組織を引き締め、前回並みの得票を目指す。石毛氏は連日、国会議員の応援を受け市内全域を回る。蔵野氏は若さを強調し無党派層への浸透を図る。藤岡氏は小まめに街頭演説を展開し、党の議席奪還を目指す。船間氏は選挙ポスターなどでアピールする。

 ◆自民、2議席維持なるか−−西多摩

 ◇西多摩

 昨年の参院選比例代表では民主票が自民票を上回り、自民が2議席を維持できるかが焦点。臼井氏は地元あきる野市を中心に支援組織を引き締め、支持拡大を狙う。林田氏は石原慎太郎知事との連携を力説し、29日に知事の応援も実現。多摩川流域中心に浸透を図る。宮崎氏は、岡田克也代表が告示前後に計3回応援演説に入るなど、党の厚い支援を受ける。鈴木氏は「オール与党は知事に唯々諾々としている」と批判。角田氏は、大統領制実現などを訴える。

 ◇南多摩

 小礒氏は建設や不動産業、医師会など約70の団体の支援を受け、安定した戦い。原田氏は多摩ニュータウンで活動する複数の福祉関係NPOの会員や約20の連合系労組から支持を集める。石渡氏は石原知事を「都政を混乱させた」と指摘、批判票の取り込みを狙う。

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 ◆立候補者(届け出順)

 ◇品川区(定数4−6)

伊藤興一   44 党副総支部長   公新

馬場裕子   59 党都男女委長   民現=[ネ]

佐藤裕彦   47 財団法人理事   自現

藤田美佳   31 都議秘書     共新

神野吉弘   47 税理士      民新

田中豪    42 [元]区議    自新

 ◇目黒区(定数3−6)

鈴木隆道   54 [元]区議    自新

東野秀平   55 党都国際局長   公現

宮本栄    43 党地区役員    共新

伊藤悠    28 [元]区議    民新=[ネ]

矢田慶來   39 公認会計士    無新

谷智彦    31 会社社長     無新

 ◇大田区(定数8−12)

中村稔    59 [元]区議    共新

藤井一    51 党都労働局長   公現

飯島時子   52 ネット政策委   ネ新

松原忠義   62 保護司      自現

可知佳代子  56 党都役員     共現

神林茂    52 [元]区議    自新

遠藤守    38 党副総支部長   公新

名取憲彦   63 党都副会長    民現

鈴木晶雅   47 NPO理事    自現

須藤英児   36 [元]菓子屋社員 無新

岡崎幸夫   52 党支部幹事長   民新

石原聖康   46 [元]衆院秘書  無新

 ◇世田谷区(定数8−12)

田代博嗣   59 大学客員教授   自現

真鍋欣之   48 [元]区議長   自現

田副民夫   55 党地区常任委   共元

関口太一   29 [元]区議    民新

後藤雄一   55 行革110番代表 諸現

大久保青志  54 党総支部役員   社元

花輪智史   38 党支部長     民現

三宅茂樹   55 中小企診断士   自現

中島義雄   55 党都政策局長   公現

桜井良之助  65 党中央幹事    公現

山口拓    32 [元]区議    民新

佐藤政子   49 ネット政策委   ネ新=[民]

 ◇渋谷区(定数2−4)

伊藤毅志   44 [元]区議長   無新

村上英子   50 団体理事長    自現=[公]

小峰久雄   49 党地区委長    共新

大津浩子   45 党支部長     民現

 ◇中野区(定数4−6)

高倉良生   48 [元]区議    公新

吉田康一郎  38 [元]衆院秘書  民新=[ネ]

川井重勇   57 党都役員     自現

植木紘二   61 党都委員     共元

高橋一実   44 党支部長     自新

〓口裕子   46 会社役員     民現=[ネ]

 ◇昭島市(定数1−3)

小林浩司   37 [元]衆院秘書  民新=[ネ]

星篤麿    52 党地区役員    共新

新藤義彦   65 党総支部長    自現=[公]

 ◇町田市(定数3−4)

真木茂    41 党総支部役員   民現=[ネ]

吉原修    49 [元]長官秘書官 自現

小磯善彦   50 党都幹事     公現

室谷友英   56 党地区委員長   共新

 ◇小金井市(定数1−5)

西岡真一郎  36 [元]市議    民新

国崎慎也   47 衆院秘書     無新=[公]

岩永徹    33 警備会社員    共新

安保鈴子   30 政治団体代表   無新

西橋幹治   52 会社員      無新

 ◇小平市(定数2−3)

高橋信博   58 [元]市議    自新

斉藤敦    38 [元]市議    民新=[ネ]

井手重美津子 41 党地区委員    共新

 ◇日野市(定数2−3)

村松美枝子  58 党都委員     共元

執印真智子  52 [元]市議    ネ現=[民]

古賀俊昭   57 市レク協会長   自現=[公]

 ◇西東京市(定数2−5)

山田忠昭   56 党総支部役員   自現=[公]

石毛茂    52 [元]市議会議長 民新=[ネ]

蔵野雅章   37 [元]市議    無新

藤岡智明   58 党地区常任委   共元

船間憲一   53 清掃業      無新

 ◇西多摩(定数2−5)

臼井孝    64 [元]秋川市長  自現=[公]

鈴木治    48 党地区委員長   共新

林田武    62 党総支部長    自現=[公]

宮崎匡功   58 行政書士     民元=[ネ]

角田豊治   56 政治団体代表   諸新

 ◇南多摩(定数2−3)

小礒明    53 学校法人理事   自現=[公]

石渡晃    42 党地区役員    共新

原田恭子   58 [元]多摩市議  ネ新=[民]

 ◆名鑑の見方

 氏名、年齢(7月3日の投票日現在)、肩書、党派(自は自民、公は公明、民は民主、共は共産、ネは生活者ネット、社は社民、諸は諸派、無は無所属)、現元新別。=の後は推薦・支持

毎日新聞 2005年6月30日