2003.09.04 : 平成15年 三鷹市議会第3回定例会から抜粋
 
 清原市長

 外郭環状道路計画に関しましての国や都の取り組み姿勢につきましては、PI、パブリック・インボルブメント、外環沿線協議会で議論が進められている最中に、ご指摘のように大臣や知事が、唐突に方針なるものをまず記者発表し、その後でPI外環沿線協議会や地元区市に理解を求めるような対応が繰り返されました。そのことから住民や地元区市の不信感が募ってきているというのが現状でございます。
 今回の外環計画を検討する上での最大の課題は、30年以上にわたりまして、この計画によって苦しんできた地元住民の気持ちを真摯に受けとめまして、信頼関係を回復して、共通の基盤の上に立った議論のできる状況をつくり出すことでございます。したがいまして、三鷹市としましても、このような現状は遺憾だと思っておりまして、国と都の担当者に対しまして、地元市民と自治体を尊重した取り組みに努めるよう強く発言をさせていただいております。
 また、実は最初の沿線区市長意見交換会は、三鷹市で都市計画審議会があったものですから、私、参加できないと都に申し出ていたのですが、あいにく、私のみならず、代理の助役も部長も出られないにもかかわらず開いてしまったということもあって、私が出席できたのは、実は8月に開かれました2回目ということになりました。けれども、私は、そのことももちろん問題提起いたしましたけれども、市民の立場、自治体の立場を尊重していただくという観点から、文字どおりパブリック・インボルブメントというのは、市民の声を反映するという、そういう意味での協議会ですから、その再開、正常化に向けて努力するよう国や都に働きかけてまいります。
 さて、現在実施しております環境アセスメントについてのご質問ですが、今申し上げましたように、国や都の進め方や手続には問題があったと思います。しかし、今回の環境アセスそれ自体につきましては、これまで再三にわたりまして、もし大深度地下方式で道路を建設した場合の環境への影響を明らかにしてほしい。客観的な議論が進むように、さまざまなデータを公開するように三鷹市としても求めてきたことを受けて実施されるものでございます。
 先ほど議員もおっしゃいましたように、調査なくしてデータを公開してはいただけないわけでございまして、もちろん、まず計画ありきの環境アセスでは困りますが、そうではないということでございますから、今後の検討にも必要な調査をするものであるととらえております。今後の検討過程で計画が変更となるなど、さらに必要となる場合には、別途アセスメントが行われる、そういうこともあると考えています。
 外郭環状道路の計画そのものにつきましては、その役割について一定の理解をするところでございまして、また大深度地下方式の採用という点につきましては、環境への負荷を少なくする手法として検討に値するものと考えております。それ自体反対するものではございません。この考え方は、前市長から継承していますし、関係区市長も同様の見解です。しかし、三鷹市部分では、大深度地下方式であったとしましても、ジャンクションが予定されておりまして開削区間が長くなること、インターチェンジの設置の問題や換気所のあり方など道路構造にかかわる問題を初め、環境に対するさまざまな影響、渋滞など市内の生活道路への影響、また地域の交流の分断など市民生活への影響、市民の意向をどう把握していくかなど、三鷹市としても慎重に検討すべき課題がいろいろとございます。沿線の他の区市に比べまして大変深刻な影響を受ける地域であることは認識しております。この点は、他の関係区市と大きく異なる点でございます。こうしたさまざまな課題を整理しまして問題点を明らかにしながら、市として総合的な検討を進めるために、このほど庁内に、助役を座長とする関係各部長、次長で構成いたします三鷹市東京外かく環状道路対策連絡会議を設置いたしまして、さまざまな角度から総合的な検討に入ったところでございます。
 いずれにしましても、この外環道の問題は、市の将来のまちづくりにとりまして大きな課題でございますので、市議会におきましても、特別委員会での十分なご議論をお願いしたいと思います。私自身も、広く市民の意見を聞きながら、慎重かつ十分な検討が進むようにしっかりと取り組んでまいります。
 以上で私からの答弁を終わります。