生徒会を活性化させる具体例

生徒会を活性させようという言葉は、職員会議の資料にはでてくるものの、なかなか日々の生活では難しいものです。
それはなぜかというと、ひとつは、教師という職業があまりにも忙しくて、授業や学級運営そして部活動のことで精一杯なのです。その上に、生徒会活動というのは難しいことです。

生徒の手によるものにすべきだと言う人がいますが、生徒の手によるものをするには、教師主導の何十倍の時間と労力が必要なんです。たとえば、たった二十分くらいの朝会を生徒の手によるものにするとしたら、その準備から練習から本当に大変なことは、生徒会を担当した方々ならわかることでしょう。

しかし、本当に生徒会を活性化し、生徒が自主的に運営するようにするためには、最初は教師がいろいろと引っ張っていかなくてはならないです。

でも、生徒が”おもしろい””たのしいな”と感じるようになると、だんだん生徒は自分達の発想を出すようになるんです。
多くの場合、そのおもしろみをおしえる前に、教師も生徒も挫折してしまうんですね。

だからここでは、こんな生徒会活動をすると”おもしろみ”がわかりますよというきっかけ作りの企画を提示します。従来の活動を1パターンで行わせると、生徒のやる気はうせます。かといって、先に述べた通りに、アイデイアを考える余裕のない教師の仕事だからこそ、ここで述べている生徒会の様々な企画を参考にしてみるとよいのではないでしょうか。

部活動や進路指導だけでは、生徒指導ができなくなっている今。この地味な生徒会活動に光をあてることも、大きな学校改革のひとつです。でも、なるべく教師の負担を少なくし、やっている教師自身たのしいものになる必要がありますね。

私だけの実践では、なかなか量が増えませんので、是非、たくさんの方々の実践をおしえてください。
このページにのせて、お互いに支援していけたら最高だと思っております。

なお、委員会名はその学校によって違うとおもいます。でも、仕事内容をみるとだいたい自分の学校ではこの委員会でできるのではないかなとお考えしてもらえると思っております。

生活

図書

広報(新聞)

 

保健

整美

その他

 

生活委員会

あいさつボランテイアの募集。

月に数回、玄関前にでてあいさつ運動をするのは、どこの生徒会でもよくみられることですが、その活動にボランテイアで参加してくれる一般の生徒を募集する活動です。決してボランテイアを集めることに目的を置いていません、募集するにはどうしたらよいだろう?このあたりで生活委員会の生徒はポスターを作成したり、呼びかけをしたりすることが考えられます。自分達が動いていると実感できる場面です。もし、ボランテイアの数が増えていったら幸いですが。そんなことは気にしないほうがいいです。とにかく、前向きな活動をしていると実感できることが大切。だって、生活委員会ってただでさえ、点検活動やおもしろくない活動が多いんですかから。

保健委員会

どこの学校でも、おおよそ日常の活動がおこなわれている委員会ではないでしょうか。朝の健康観察など。だから、比較的活動的な女子生徒も委員になりやすいですね。たとえば、ここで保健教室をしてみようという提案はいかがでしょうか。虫歯予防の知識やインフルエンザ予防の知識について、集会の場などで先生になってもらうものです。ちょっと最初は抵抗があるときは、ポスターなどの掲示物による啓蒙がいいかもしれません。でも、最終的には、エンカウンターを導入した形の生徒集会などで活躍させたいものです。
他にも、心肺蘇生などの企画を保健委員が行い、実際に消防の方々にアポイントをとらせて、生徒の手による学習会を行いたいものです。
同様に水の怖さを知る学習会として、着衣水泳なども夏休前に保健委員を中心に企画させるのもおもしろいでしょう。

人形を使って蘇生法の講習です。

保健委員会主催の授業

内容:「お酒とたばこについて考えよう」

お酒について

@アルコールバッチテストをする。(エタノールのついたばんそうこうを渡し、腕の白いところに貼る。そのまま7分間、時間を置く。)
Aクイズ大会をする。(3択クイズをしながら、お酒と体の害について知る。保健委員が
ABCのプラカードを持ち、自分が正解だと思ったところに移動する。)
B自分の体質を知る。(ばんそうこうをはがし、結果をみる。赤くなった人…お酒への抗力が弱い人。変わらない人…お酒への抵抗力が強い人。いずれにしても、ここで、養護教諭からのアドバイスが入る。)

Cまとめ(大判用紙に書いた、お酒と体の害についてのまとめを発表する。)

タバコについて

  1. たばこの恐ろしさについて知る。(金魚の入った水槽に、タバコの葉をすりつぶして水と混ぜ込んだ溶液を入れ、金魚の様子を見る。)
  2. まとめ(お酒のときと同様に)

図書委員会

どこの学校でも必ずある委員会です。仕事内容も図書の整理と貸し出しということが主なものでしょう。図書委員会の本質は、多くの生徒に本親しんでもらうということでしょう。そこで、”日本縦断本の旅”ということで、本を借りた冊数で、北海道から沖縄までのマラソンをしようという企画をおこないました。この活動をするために、図書委員は、大判用紙に日本地図を大きく写し、都道府県の県境を書き入れます。そして、それぞれ
の都道府県に番号をつけています。次に自分の学級の生徒の貸し出しカードから借りた冊数を数え、その冊数の数都道府県に名前を書き入れます。(できたら、テプラなどのシールラベルをつくるとよいでしょう。)
活動自体は、地味で単純ですが、この活動をすると図書委員の毎日の活動がみえてきます。
生徒のやる気もでてきました。多くの場合、図書委員となってくる生徒は、おとなしめの子が多いし、仕事が無いから楽だなんて安易な考えの子も多いので、作業的な活動をすることによって、活動が活発化するでしょう。

世界一周読書の旅

 

『心に残った1冊の本』ということで,学校の全教職員から,中学校時代に思い出に残った本とその当時の感想などを書いてもらいます。図書室に,プリントと一緒になるべく現物の本も飾りたいものです。物語ではなくて,図鑑や絵本など,様々なジャンルがそろうと,その先生ならではの個性が垣間見られて,生徒も親近感が増すことでしょう。「来月は先生からお願いします。」とあらかじめ,予告しておくと,先生方も準備してくれると思います。

本とプリントを一緒に展示しましょう

整美委員会

毎日の活動内容がほとんどなく、停滞化しがちな委員会でしょう。
学校によっては、生き物を飼育したり、植物の栽培活動もあるかもしれません。それでも、毎日のお世話といっても、えさやりや水かけくらいです
ね。そこで、発想を変えて、コンピュータの掃除もしてもらいましょう。(なんたって、ファイルを削除するにもごみ箱があるのですから・・・・)
整美委員に、コンピュータにも日ごとゴミがたまってしまうということを言います。コンピュータをきれいにする活動をしようと呼びかけます。
活動内容は、マイドキュメントのフォルダーにたまるいらないファイルを削除することです。およそ、日付が2ヶ月前のものを消すことを活動にします。
また、どこの学校でも必ずおこる、壁紙のいたずら、そしてスクリンセーバーのいたずらを正常化する修繕作業です。
また、マウスパッドを使っていないと、マウスのボールのわきにごみがたまります。その掃除も必要です。
コンピュータが導入すると、このようなコンピュータを常に見ていく生徒たちの活動が必要になってくるでしょう。
なお、先生方には、重要なファイルはサーバーに保存してもらうこと、マイドキュメントにあるファイルは2ヶ月前になると消去することを伝えておき
ましょう。

※壁紙のいたずら、そしてスクリンセーバーのいたずらを防ぐには、「窓の手」というフリーソフトが最適です。ネット上や雑誌の付録などで簡単に
入手できます。

 

広報委員会

新聞作りや校内放送などで活躍する委員会です。この委員会は、時期によって忙しさが違いますね。たとえば、運動部の大会前などでは、決意インタビューや記事を載せることができます。
年度も後半になると、少々活動がなくなってしまうものです。
そこで、たとえば朝会の表彰の時に、その場で表彰者にインタビューするなどの活動はどうでしょう。もちろん、朝会の時間や朝会の進め方を変える
ことに職員間での話し合いが必要ですが・・・
また、1月からは、今年度の表彰されたすべてのデータを大判用紙などに書かせて、貼り出させるのもよいでしょう。自分たちのこの1年間のがんば
りが見えて、学校の雰囲気も高まります。

 

 その他
クラスマッチをどの学校でもやると思います。いつも、球技などがメインになりがちです。それも大変楽しい一つの方法ですが、何か変わったことをやってみたいと思ったとき、こんなゲーム式もあるということでご紹介します。
この企画は、生徒自身がすべて考えたものです。多分、毎月人間関係トレーニングを行う生徒集会をしていることから、こんなこともやってみたいというアイデイアが芽生えたのでしょう。大変面白いし、もう立派なエクササイズとなっています。

「推理ゲーム」
名探偵コナンの本をみて、その話の中からひとつ面白そうなものを選びます。全校生徒を集めて、5人グループにわかれます。分かれた後、事件が起こるまでのストーリーが書かれたマンガのコマをグループに1、2枚配布します。犯人は登場人物の中の誰かを当てるゲームです。
当然、マンガをみても犯人はわかりません。そこで、犯人の犯行のトリックをあばくヒントを、校内のいろいろな教室に紙にかいて書いて置きます。
そのヒントの紙を見つけたら、各グループ1枚だでもっていっていいことにしていました。だから、その教室内には、グループの数だけの紙と白紙のダミーが置いてあります。生徒の発想は面白いです。ヒントの紙がある教室は、あらかじめ、地図などで記しておくといいようです。
ヒントの紙を集めながら、犯人を見つけます。犯人がわかったグループから体育館にきて、執行部の生徒に犯人を告げます。執行部の生徒は、
しっかり事件のトリックを見破っているかを質問します。
早く事件のトリックを見破り、犯人を当てたグループが勝ちです。1位と2位には、100円ショップから賞品を買ってきました。
生徒同士が知らず知らずのうちに交流しあう、楽しい企画でした。勉強になります。

    

犯人は誰だ?              トリックの謎は解けたぞ!

 

雪国である本校の特色を生かして、生徒会が主催となった、老人世帯の雪かきを行います。あらかじめ、プリントを作成して、期日と時間をお知らせし、また、雪かき以外で手伝ってもらいたいことを、プリントを配りながら老人から聞くという活動からはじめます。また、家庭科での調理実習の授業などとリンクさせて、一人暮らしの老人にお弁当をもっていくなんていう企画もよいでしょう。


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