いのちの授業たより その1

今年も、全ての教科による、本校全ての教師が考えた、『いのちの授業』が行われました。

本校では、この時期に、全ての教員が、いのちについての考える授業を継続して行っています。

数学の先生は、祖先の数を計算させながら、国語の先生は、感動教材を読み取ることから、

理科の先生は、豚の心臓に触れさせて、美術の先生は、自分の顔をじっくり観察させる時間を通して…、

沢山『いのちの授業』が行われました。本校で行っている授業は、一風変わっていて、

上に述べたように、各教科の授業から迫る、いのちの授業です。だから、いろいろな“いのちの

形“があり、いろいろな”いのちの考え方“が学びの中心となります。

当日は、どの生徒も、真剣に“いのち”に向き合ってくれました。

授業を終えた生徒の感想は、どれも熱を帯び、家族への感謝やこれからの生き方について

深く考えてくれているものばかりでした。

そこで、今回より、授業を行った教師の感想や授業を受けた生徒の感想を、

“いのちの授業たより”という形で3〜4回にわたって発行いたします。

私たち、授業者のメーッセージは、体全体で伝えましたが、一方で大切にしていることもあります

それは、この授業の答えを最後に出すのは、授業を受けた生徒一人ひとりであるという考え方です。

このような授業を受けた生徒たちが、将来、生きる上で、何かしら、この授業で出した答えと、

もう一度出逢い、その答えが、生きる支えになることを期待します。

いのちを粗末にするニュースが溢れている中、是非、ご家庭での話題のきっかけにして頂けたら幸いです。

 

いのちの授業担当 高橋 晋作

 

英語科(授業者:K) 授業題材:Let's read1 What do you treasure?

授業者として、生徒たちに送りたいメッセージ

 

葉っぱのフレデイの一生を通して、いのちとは何かを考えてほしい。

いのちの授業実践してみての授業者の感想

 

何を題材にするか迷った。常に“いのち”を尊重するような教材へ目をやることが大切と気づくことができ、よかったと思う。

授業を受けた生徒の感想

 

・この話を聞いて、フレデイの一生はとても短く悲しいと思いました。しかし、後から考えてみると、とても中身のある一生だと思います。どんなに小さな命でも、しっかり生きれば、絶対に悔いは残らないと思いました。命は大きさではないんだなあと思いました。(1年女子)

・フレデイはとても短い一生の中でいろいろなことを体験していました。多分それは、人間と同じで、人間も一生の中でいろいろなことを体験して成長して死ぬんだと思います。フレデイは少なくない命で一生懸命生きていてすごいと思いました。(1年男子)

・フレデイは1年しか生きられなかったけど、私達は、もっと長い間、生きられるので、1日1日を大切に生きていきたいと思います。死んだ命は、次に生かされることをしりました。(1年女子)

・何にでも命は必ずあるから自分の命も、他の人の命も大切にしたいです。命のコトを深く考えられて良かったです。(1年女子)

 

国語科(授業者:Y)  授業題材:『償い』を読み取る

授業者として、生徒たちに送りたいメッセージ

 

真のすばらしい人間は、無名のごく普通の人達の中にもたくさんいる。

いのちの授業実践してみての授業者の感想

 

今の自分を見つめ、その考え・思想・その他もろもろを生徒にぶつけ、その反応を見、これからの教師としての自分、人としての自分を成長させてくれる、すごく貴重な時間だった。

授業を受けた生徒の感想

 

・もし本当にこんなことが起こったら、私は逃げない私でいて欲しい。この本は、本当に悲しい本だけど、逃げ出さない私でいて欲しいと思わせる素晴らしい本だ。今日のこの授業を忘れないで、これからを生きていきたい。(2年)

・「ひき逃げ」のように、自分の犯した罪から逃げ出す人がいるけど、世の中はそんな人だけじゃなく、この歌の中に出てくる「ゆうちゃん」のような、自分の犯した罪に正面から向かい合い、償い続けるという心のやさしい人もいるんだなと思った。そういう心のやさしい人に自分はなりたい。(2年)

 

数学科(授業者:Y)  授業題材:正の数、負の数、累乗

授業者として、生徒たちに送りたいメッセージ

 

人間の体には、70兆という、ものすごい細胞があり、ものすごい仕組みが体の中に存在しているんだ。

いのちの授業実践してみての授業者の感想

 

教師自身が、いのちについて考える機会になった。また、1発勝負の授業であるため、組み立てをしっかりとしていなくてはならないと感じた。

授業を受けた生徒の感想

 

・1つだけだった細胞が、1つの細胞とつながって、2つになる。また、つながって4つになる。そうやってできた、私たちの体は、考えられないキセキが集まってできてる。生命の神秘って、素晴らしい!!(2年女子)

・細胞は、1個が段々手をとりあって大きくなっていく、クラスも、みんなで手をとり仲の良いクラスにしていけたらと思った。(2年男子)

 

理科(授業者:M) 授業題材:からだのしくみ

授業者として、生徒たちに送りたいメッセージ

 

生命の神秘!

いのちの授業実践してみての授業者の感想

 

やっぱり難しいですね。なかなか予定通りにはいかなくて、それでも1/3に伝わっていれば上出来か。

授業を受けた生徒の感想

 

・『生きている』と感じる時が、思ったよりもたくさんあって驚きました。気づいていないだけで、人は「自分は生きている」と感じている時がたくさんあるんじゃないかなと思いました。(1年女子)

・この授業で、生きていることを感じられました。心臓がこぶしぐらいしかないのに、私達の体を支えてくれていることがわかりました。(1年女子)

・豚の心臓を触るのは初めてで、いろいろ驚きがあった。ほとんどが筋肉のかたまりだった。人間の心臓もああいうのなんだなと思った。(1年女子)

・体のつくりについて、心臓を見たけど、なんか気持ち悪い気がしたけど、自分にも似たものが入っているんだな、と思うと、不思議な気分になった。(1年男子)

 

数学科(授業者:S)  授業題材:数量

授業者として、生徒たちに送りたいメッセージ

 

自分のいのちの重みをわかって欲しかった。また、一人のいのちではなく、多くの人のいのちをつないであるいのちだから、次へ、いのちをつなごうという思いを持って欲しいと思っていました。

いのちの授業実践してみての授業者の感想

 

なかなか奥が深く、数学というよりも道徳や学級活動の授業に近いものになってしまった。また、現実は今回取り上げた「数字」ではなく、もっと複雑な関係になっているため、単純計算ではいかないことに気付いてくれた生徒もいました。

授業を受けた生徒の感想

 

・この授業を通して、命の大切さがとてもわかった。自分の命も、人の命も大事にしなければいけないと思った。これからも、先祖の人たちに感謝して命を大切にしたいです。(1年女子)

・今は1つの命だけど、1つの命のために何人もの先祖が昔いて、その人たちが1人でもいなかったら、今の自分の命も、それより後の人の命もなかったのだと思う。1つでも、たくさんのつながりがあるのだと思った。数字で計算していくと、1年ぐらいには、見たことのないくらい「垓」までにも人数が増えていて、これだけの人と時間が使われているのだとわかった。(1年女子)

・この授業で、1つの命には多くの人々の命が関わっていることがわかった。ニュースでよくある自殺は、自分と同時にご先祖をも殺すことだと思った。(1年女子)

・今、自殺が問題になっているが、そこで自分が死んでしまったら、今までの先祖がつないできた命を無駄にしているようなものなので、絶対自殺をしたくないと思います。(1年男子)

 

 

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