生徒会交流会実施

他校の生徒会と交流したい。この願いは、その当時在職していた中学校の生徒会長の発案でした。
おもしろい考えだなあと思い、また学校の壁を越えた地域全体で中学生の活動を支援していきたいというわたしの考えともあい。彼の考えを全面的にバックアップしたのがこの生徒会交流会です。生徒会交流は、様々な地域でも行なっているかもしれませんが、多くの場合、警察や行政が主導
のものが多いですね。しかし、わたし達が行なったものは中学生からでた発想のもので、あまり会議や話し合いを重視するのではなく、本当に各校のリーダー達の交流の場作りだったんです。
他校の協力を呼びかけたり、この主旨を理解してもらったりするのに多くの壁がありましたが、実際に行なった結果、多くの参加してもらった中学生や教師のみなさんから好評を得ることができました。
ここでは、実り多い生徒会交流会をするまでのポイントやその活動の様子をご紹介します。

  1. 生徒会交流会の意義とは?
  2. 交流会の実施方法
  3. 交流会までの道のり
  4. 他校を訪問した際に使った、本校生徒会からのメッセージ
  5. 交流会のプログラム内容
  6. レクレーション(人間関係作りを取り入れて)
  7. 話し合い
  8. 参加した生徒からの感想

 

交流会実施の意義

 昨今、中学生の変容に伴い、生徒指導も教師主導のものが多くなってきています。確かに、教師主導の生徒指導は効果が早くでますし、緊急を要するものが多い生徒指導にとっては大切なことであります。ただ、その一方で長い時間がかかっても地道な活動で、教師が支援者となっておこなう、生徒自身の自浄力に頼る生徒指導の面も必要だと考えます。しかし、昨今の中学生の変容の中にあるリーダーの欠如、事勿れ主義、正義感の埋没、問題意識の低下…などは、自浄力の中心となって活躍して欲しい、生徒会活動を消極化させているのが、現状ではないでしょうか。生徒会のリーダー達の苦しみや辛さなどを共感し合い、励まし合えるそんな仲間との出会いが大切だと考えます。
また、最近の問題行動も、学校内から他の学校との交流によるものへと、広域になってきています。よって、他の学校との交流と聞くと、どうしてもマイナスのイメージを持ってしまうのです。しかし、本来は、他の中学生同志の交流というのは、もっと明るく、楽しく、自分を高めるものであるべきはずだと考えます。本来あるべきプラスの交流を、体験する場の設定が必要だと考えるのです。

 以上の点から、生徒会役員の生徒達による交流会を企画致しました。

交流会実施方法

交流会までの道のり

  1. 本校生徒会による、交流会の趣旨と参加募集のパンフを作成する。
  2. 地区校長会にて、校長先生から呼びかけをしていただく。
  3. 他校への趣旨説明と呼びかけは、教頭先生により簡単な趣旨の説明と来校の日取りを設定していただく。
  4. 生徒会会長、副会長を伴い、各中学校への趣旨説明に訪問する。
  5. 生徒会と有志により、実行委員会を組織し、当日のプログラムの企画検討と歓迎の準備をおこなっていく。

 

他校を訪問する際に使った、本校生徒会からのメッセージ

文書で配って呼びかけても、この交流会の主旨は伝わらない。そこで、生徒と相談し、他校に出向いて
直接参加を呼びかけることにした。ほとんど生徒会から1名と教師1名が他校に乗り込んで、この会の主旨
を説明するという計画だったので、中学生にとっては本当に大変だったと思う。しかし、これをしたこと
で、相手方の見方も大きく変わったことは事実である。
新しいことをするには、時に、教師も子どもも勇気をだして行うことが必要であろう。

生徒会長(男子生徒)のメッセージ
「ある日、沖縄でサミットが開かれるというニュースを見たとき、同じように生徒会の交流会を開けない
かなと思ったことが、この会の企画のきっかけです。同じ生徒会でがんばっている仲間とゲームを通して
お互いを理解しあう場面や、生徒会のリーダーとしての悩みなどを語り合う場面を企画していきます。
この交流会に参加して良かった、これから頑張ろうという気持ちになるようにがんばります。生徒会役員
のみなさん、ぜひ参加してください。心からお待ち申しております。」

生徒会副会長(女子生徒)のメッセージ
「わたしは今まで中学生活を送ってきて、悩んだことや考えさせられることがたくさんありました。”私
には心配事なんて一つも無いよ。”と言う人もいるかもしれませんが,私自身は,いろんな事に疑問を抱い
たり、自分で思ったことを深く考えることは中学生にとっては,当たり前のことだと思っていたので、特に友達に相談したりみんなで話し合おうなんて思いませんでした。そして、今振り返ってみるて、今まで
自分で思ったことを主張したり,相手に伝えることがあっただろうか?と思います。実際に私は、学校って何のためにあるの?とか,学校って勉強するだけにあるの?とか疑問に思ったこともあります。そして、今までの学校生活の中で楽しかったことって,何だったのかなあって思います。
同じ地区に住んでいる中学生,生徒会役員のみなさん!残り少ない学校生活を有意義なものにするために
わたし達と一緒に語り合い、楽しいいひとときをすごしましょう。」

 

交流会のプログラム内容

時間

プログラム内容

備考

9:00〜9;30

受け付け

玄関で行ないます

9:40〜9:55

開会セレモニー

 

10:00〜11:30

交流の時間(レクレーション)

 

11:40〜12:00

午後の話し合いのオリエンテーション

 

12:00〜13:00

昼食(会食)

開催校の有志で準備

13:10〜13:50

話し合いT(他校の様子を知ろう)

グループで話し合い

14:00〜14:45

話し合いU

(これからの学校生活について話し合おう)

参加者全員(41名)で話しあい

14:55〜15:10

閉会セレモニー

 

 

レクレーション(人間関係作りを取り入れたもの)

この交流会でなんといっても成功、失敗の明暗をわけるのは、このレクレーションの場面です。
人間関係作りを取り入れたプログラムなのですが、リーダーとなるのは中学生です。
うまくいくかどうか心配でしたが、いまの子どもは大した物です。みんな、プログラムがすすむにつれ、どんどん交流していきました。

話し合い

一同に介しての話し合いはなかなか難しいものです。そこで、話し合いを二部形式にし、初めは4,5人グループ
で話し合いをしました。最初は、自分から見た、相手の学校の良さを言い合う話し合いです。
他校の生徒が自分たちの学校をどのようにみているのか聞ける、新鮮な場面となります。

 

参加した生徒の感想

他校の生徒と仲良くなれて大変楽しかった。
いろんな話をいいあえて充実した。
いい交流会、いい1日だった。
恥ずかしくて、なかなか発言できなかった。
休憩時間に悩みを話せた。
他校の様子がわかり、どの学校も大変だなあと思った。
こういう会を,これからも作って欲しい。
スイカ割りが最高だった。
自分の学校のイメージがきけた。

 


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