目覚め
さらさらという何かが流れる音を聞きながら閉じていた目蓋を開いた。
長いこと瞑想しているうちに寝てしまったようだ。
なんだかすごく長い夢を見ていた気がする。
そう思いながら立ち上がり、はて、ここはどこだろう? とぼんやりと考える。
見渡す限りの砂。
どうしてこんな砂漠の真ん中にいるのか、とんと思い出せなかった。
答えを探すように周りを見渡した先に、砂丘のてっぺんに砂以外の色彩を見つけた。
誰かが立てた道標のような石の柱とたなびく布。
導かれるように足を向けた。
風と砂に翻弄されながら、小さな山を登りきったそこで、見えた景色に目を奪われた。
遙か彼方、空を貫くような光の柱。
フードに包まれた体の中で、なにかが大きく脈打った。
ああそうだ。あの場所に行くために、自分はここにいたんだ。
2012-09-14