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2017年10月26日 第43期棋聖戦 FT  1回戦      第一譜
黒)下地玄昭七段 対 白)谷宮絢子二段
1図(1-10)   
  谷宮二段とは初手合かと思ったが、1984年の大手合で当時二段の私が白で1目勝ちとの記録がありました。
30年以上前だと忘れますね。

第一譜(黒1~黒39まで)

白4のカカリは黒の得意な作戦を封じたい気持ちでしょう。

対し黒の対応は下ツケが一番人気。

他には放置して左下アキ隅先着が多く打たれています。

外ツケヒキならどうなるか試してみたくなりました。

白8のカケツギなので黒9のアキ隅は予定通りです。
目外しを久々に採用。

白10は手厚い。放置すると黒からハネて二段バネが有力戦法になります。

ここは大事なところでした。

参考図1   
  参考図1

黒1と受けたほうが打ちやすかった。

仮に白2のカカリなら黒3のハサミが良い感じ。

もちろん互角ですが実利好きには不満ない進行です。

 
2図(11-12)   
  白12はこの一手。

今見ると参考図2:
参考図2   
  黒1とさらに手抜きが可能で良い作戦でした。

仮に白2、4と直ぐ攻めるならば黒5で澄ましています。

白2で白3ツケなら黒2とハネ出して黒×二子を捨てて悪くない。白も直ぐ決めるのは味消しになりそう。

ただし右上を放置すると将来何かの具合で火種になる心配はあります。
  
3図(13-17)   
  それで黒13、15と補強したが、白の外と黒の内の交換ですから明らかに白のポイント。

しかも右上はまだ味残りです。

参考図3   
  参考図3

白がコウ材豊富になれば白1のハネ出しの狙いあり。

一応黒4で攻め合いは勝ちだが白a~cの手を見られ少し気持ち悪い。

攻め取りで利用される可能性もあります。  
4図(18-19)   
  白18のカタは現代の流行手。

黒がどう応じても悪くないとの考えです。

受けずに黒19は反発手。


 
参考図4   
  参考図4

白1受けは嬉しい。黒2の予定でした。

白3には黒8まで実利を稼ぎます。

白9、11には黒12。

白に面白味がない進行でしょう。 
5図(20-22)   
  とにかくハサミたいところ。

高いハサミが良さそうです。

二間高もありましたが実戦の一間高は最適かもしれません。


ここで参考図5:

参考図5   
  黒1、3の普通が良かったか。

左下白△、黒▲の位置が不満とみたが、この局面は白も次にどう打つか難しく見えます。

白2受けで白△を活用し白aと工夫するかも。
 
6図(23-25)   
  黒23は私の好きな手。

上辺を相手の地にさせたくないときに採用します。

ここで参考図6:
参考図6   
  白1オサエは不可。

黒4までなったときに黒の姿良し。

隅の根拠を占め黒▲と頭も出していますから。  
7図(26-28)   
  白28で固ツギもあるが、より手厚い姿を得たいときはハイを選びます。

ここで参考図7:
 
 参考図7  
  黒1、3も定石。

白4を強要し黒5、7に回る。

白8で取り合えず一段落とみるが、黒aと動く手を(白bに黒c)後の狙いとするのです。 
8図(29-31)   
  あまり白を厚くしたくないと単に黒29とスベったが、前図のノゾキからコスミが少し勝っていたかもしれない。

黒31が左上ノゾキを決める最後の機会でした。

ここで白にかなり有力な手段がありました。


 
参考図8   
  参考図8

白1のツケです。

黒2~白5のときに黒6と切って黒8とノビたいが瞬間白9、11が厳しい。

黒12~黒18が予想され黒も打てますが、黒弱石誕生で白△が働きそう。

結論は深く研究しないと言えないが、黒8で黒9と直ぐ守るのは白8アテとなり白良しです。
 
9図(32-33)   
  黒33が大きい進出で安心しました。

ここで参考図9:
 
 参考図9  
  白1のオサエも良いところです。

局後の検討ですが、谷宮プロは黒4のオシが嫌だったとのこと。

確かにこの線を切られると右の白の厚さが連動しない感じですね。

私も同感です。 
10図(34-38)   
  白34~38。線が太い良い打ち方だと思います。

黒はとりあえず実利を稼いで不満はないが、中央一帯の白模様は雄大。

ここで長考しました。


 
参考図10   
  参考図10

黒1の大場も魅力的ですが、白2あたりに広げられると消しや削減が楽ではないと思いました。

よって消すなら今。

その着点を模索して・・・ 
11図(39-まで)   
  黒39の消しを打ちました。

天元付近もありそうです。

少し白厚みに近寄り過ぎの感もあるが「ここまで踏み込んだのだから攻めないとあまくなりますよ」と圧力をかけたつもり。

ここで参考図11:
 
参考図11   
  白1のボウシ攻めは大歓迎。

黒2に白3も攻めとは言えません。

追いかけて逃がしているようなもの。

私はシノギ派なので白がどう攻めるか難しいだろうなと少々楽観していました。

考慮時間をかなり消費され、谷宮プロは一番厳しい強襲手を放ちます。


第一譜はここまで。 


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