玄昭の間へ戻る

2017年9月16日 新浦安囲碁サロン           第二譜(黒1~黒65まで) 
指導碁5子局   浅井八郎五段 
1図(1-8)   
  浅井さんの選んだ手はこの局面で一番力強い手と言えるでしょう。 

黒1のノビキリです。断点をツグなら普通の下手。それで黒悪くないが実戦は力強い主張を感じます。

ノビキリに対し左方面に逃げる気も起きないので白2と連打しました。

黒3の封鎖が厳しく先手です。

白4~白8まで生きるのではつらい。

上手が我慢して生きたことに満足して・・・
参考図1   
  参考図1:

黒1と切り上げれば完璧でした。

×の断点の守りも兼ねています。 
2図(9-11)   
  何故黒9と打ったのか不可解。

おそらく白に先手と勘違いしたのでしょう。

白10、黒11で白が先手になったのは大きい。

しかしここで白は冷静になって局面を立て直すチャンスでした。



 
参考図2   
  参考図2:

先ず右上の三々に入る方が良かった。

黒2、白3のとき黒は分岐点だが打つ手が難しい。

仮に黒4、6と反発するなら白7とオサエます。

黒8は部分的に良い手だが白9と応じます。

この図は白イと白ロが見合い。

黒4は黒aオサエでしょう。ならば白b、黒c、白5と治まります。

なお白5では実戦のように中を分断することも可能。 
3図(12-22)   
  白12と切ったのが実戦。

長南さんにもこの棋譜を見せたのですが「切る一手でしょう。」と同意していました。

黒9と拘った隙を逃す手はないという意味で上手としては決行したいのです。

しかし浅井さんは「しまった」との意識はなかったようで、臆するどころか戦い負けしません。

黒19~黒21まで5秒もかからなかった。

俗なようだが正しい。このようなところは変化球を考えず直球でいくのが良いのです。

私は短気だったかなと少々後悔。

右の白一団だって強くないのです。

白22でもう三々には入る勇気はありません。

参考図3   
  ここで参考図3:

黒1と打つ手はありました。

ただすかさず白2、黒3とポイントを取られ白4とオサエられます。

黒5と切る手があれば黒打てるが白6で難しい。

一歩間違えれば黒に危険が生じます。
 
4図(23-34)   
  よって黒23は冷静。

白24に黒25~29と眼形を確かめたのも良いでしょう。

白30。白も眼形を気にしています。

対し黒31から黒33と決めたのも文句なし。

この辺り浅井さんの着手は攻守のバランスが的確。

次は参考図4:
参考図4   
  黒1のオサエで良し。

白2に黒3で味良いし、白への攻めも残っています。
  
5図(35-39)   
  黒35と力んだが効果なく白36、38を打たれ黒39が省けない。

黒損しました。

浅井さんが打ったはっきりした悪手は中央黒9や右上黒35の2つ。

グズミという手です。形は悪いが効果を上げるときは好手・妙手と評価されます。

私は常に考える好きな手の一つですが『ヨミの裏付けが十分あって普通手よりもかなり得のときに』採用します。

※効果がはっきりしないときは打たない方が無難。
6図(40-43)   
  白40で左辺がどうなるかが勝負と思ったら黒41のカタ!

この手は策ある手です。

白42、黒43のとき参考図5:
参考図5   
  白1のキリは黒2、4と兵を引く予定でしょう。

左辺一帯がまとまりそうです。

黒▲は捨て石で黒aや黒bあたりで活用する可能性あり。
 
7図(44-45)   
  左辺を荒らしたいので白44と我慢しました。

白が我慢したのだから黒45ツギは星からヒキなら堅い。

ここで参考図6:
参考図6   
  白1と入るのでした。

黒2、4の二段バネが脅威だが今直ぐなら白5、7で平気です。

この味があるので白1も楽ではないがそこは勝負ですから。
 
8図(46-48)   
  白46と本手を打っても削減出来る自信があったのですが、現実に黒模様はかなりの完成度。

白48は命がけ。

ここで参考図7:
参考図7   
  黒1もある。

白2、4が怖いが黒5と連絡し白のシノギを見つめます。

左辺は生きるが白△は死にそう。
  
9図(49-52)   
  でも黒49のほうが冷静ですし堅実。

白50、52に対し参考図8:
参考図8   
  黒1なら白2と居直る予定。

白aや白イ、黒ロ、白ハのコウ粘りなど含んでいます。

この図で白を無条件に仕留めたらプロに二子の手合いでしょう。
  
10図(53-60)   
  黒53。この碁の一番の勝因。

小さくなら生かして良いとの判断は賢明ですし形勢判断がしっかりしています。 

白60まで生きることは生きたが、上辺の白地にも影響が出てきます。

ここで参考図9:
 参考図9  
  黒1が手筋。白イ、黒ロ、白ハと決まります。黒1に対し白2で白ロは無謀。白△が痛みます。 
11図(61-65まで)   
  一応白64まで黒地削減の目的を達成しましたが、右下黒65という最大の箇所に回られました。

本当にお見事です。

この時点での地合いですが白地は40目くらい。黒地は少なく見て65目。

なんと25目くらい差があります。

投了しても良い差ですが懸命にヨセてみました。

結果は黒8目勝ち

◎ヨセられたが黒が攻められて危ない場面は一度もなく
 完勝、快勝局だと思います。

ご観戦有難うございました。
 

ページの頭へ戻る