王手の連続は手を変える
駒の動き方を覚えたところで、もう少しルールを説明します。
連続した同じ手順の王手(将:ジャン)が2回繰り返されたら攻めの手を変えなければなりません。
左上の図を見てください。
将は王手がかかっています。
将は下がりますが。
次に車が前に進んで王手。
将があがり、車が引いて王手。
このような繰り返しは3回目には攻める方が手を変えなくてはならないのです。
王手、王手の千日手は将棋より1回短い手順で変えなくてはなりません。
右上の図は今説明したツールと似ているようで違うルールです。
紅方の車が1つ寄って王手をかけます。
将は真ん中に逃げます。
車は四筋から三筋に戻ります。
この手は何気ないようですが、次に車が前に進んで王手をかけると詰んでしまうのです。
士を引ければいいのですが、すると将と帥が向かい合う「対面将」になって指せません。
そこで将はまたもとの位置に戻ります。
この王手を詰めろの繰り返しはアジアルールでは3回目の時点で引き分けになります。
中国のルールでは手を変えなければなりません。
なお右上の図は別な指し方で紅方が勝ちにする順があります。
対面将の手筋を使い、車を左に1つ寄り、将が寄ったとき帥をたてに動かして待つと黒方は指す手がなく、困死(コンスー)で紅の勝ちになります。
取るぞの連続は手を変える
ある駒が相手の1つの駒を取るぞという手(当たり)を連続して指す場合攻める方が3回目には手を変えなくてはなりません。
左上の図を見てください。
紅方の車が炮を取るぞという局面です。
図は黒方の手番で炮が横に逃げます。
次に車が左に寄って炮に当たりをかけます。
炮はまた横に逃げます。
対して車でまた当たりをかけるという繰り返しは紅方がしてはいけないのです。
強い駒で弱い駒の当たりをかけるケースはよくありますが、弱いものいじめをしてはいけないということでだめなのです。
ただし例外もあり、右上の図のように強い駒で2つの弱い駒を交互に当たりをかけるケースは3回指した時点で引き分けになります。
つまり図から紅方の車が左に1つ寄って炮が1つ寄って、車が2つ右に行って炮が2つ右に逃げるという繰り返しが引き分けです。
特殊なケースもある
左上のケースは特殊なケースの一例です。
紅方の炮で車取りをかけています。
車は横に逃げますが、炮で車と同じ筋に移動すればまた当たりになります。
弱い駒で強い駒をいじじめるケースですが、これも攻める方が手を変えなくてはなりません。
右上の馬で卒を追うケースも攻め方が手を変えなくてはなりません。
特殊なケースとして兵で炮の当たりをかけていくケースは引き分けになります。
兵以外でも2点以下の駒で当たりの繰り返しは引き分けになります。
この他にも複雑なケースがいろいろありますが、初めのうちはあまり気にしなくてもいいでしょう。
引き分けの局面に続く。