順手炮直車対横車 bS
図8から黒方は車9平4(図9)と車を4筋にもってくるのが定跡です。
この手で車9平6も考えられますが、車9平4とすれば車4進5から車4平3と紅方の馬を攻める狙いがあります。

図9から兵三進一(図10)で紅方は馬の道を開けます。
こうすれば馬は前に進めるわけで、働きが良くなります。
図10のように紅方の馬道を開けるということは黒方の馬道を開かなくすることで、この部分だけ見れば紅方は非常に有利なポジションを得ています。


なお図10の兵三進一で兵七進一もありますが馬2進1(参考図11)で次に炮2平3から卒3進1の攻め筋が生じ紅方少し損です。
図10から馬2進3(図11)と黒方も両馬を中央に跳ねます。



図11の馬2進3の手で馬2進1と端に跳ねる手もあります。
対して紅方は黒方の薄くなった中央に向かって馬三進四(参考図12)とします。
以下定跡は車4進4、馬四進五、馬7進5、炮五進四、士4進5、相七進五となりますが、紅方の十分な態制です。
図10でもう一つ有力な変化として黒方が攻めに出る車4進5があります。
紅方は馬三進四、車4平3、馬七退五(参考図13)と応じます。
参考図13で紅方の馬の位置が悪いのですが、次に馬五進三となると好形です。
二枚の馬が連絡し合っている形は「鉄の馬」と呼ばれ強力な構えです。
参考図13で炮5進4が気になりますが、馬四進六、車3平4、馬六退五、車4平5、馬五進三で紅方有利です。
黒方は右の車、馬の出遅れがつらいです。
やはり図11のようにまず右馬を活用する方が本筋です。
なお図11の馬2進3で先に卒3進1と突く手は紅方は車二進五として車二平七を目指します。

順手炮5に続く。