順手炮直車対横車 bP
順手炮
シャンチーは序盤の指し方が悪いと終盤の力が発揮できないことも多いです。
序盤の指し方、いわゆる定跡(布局)を解説します。
まず左上の初形の図1を見てください。
先手番(紅方)は初手をどう指せばいいでしょうか。
一番多く指される手は右上図2の炮二平五と炮が真ん中に回る手です。
専門棋手(プロ棋士)の間でも5割以上で、アマチュアの方はほとんどがこの手を選びます。
とくに初心者の方は狙いがわかりやすく、炮二平五(当頭炮:ダントウパオ、とうとうほう、中炮ともいう)を指すのが良いでしょう。
なお炮二平五は炮八平五でも同じです。
ただし定跡の本ではすべて右の炮が回っていますので、実戦でも二筋の炮を回るのが定跡を覚えやすいです。
さて図2の炮二平五の狙いは何でしょう。


これは次に炮五進四(参考図1)と中央の卒を取る狙いです。
参考図1は「空芯炮」といいまして、後手(黒方)は士や象が上がれない形になっていて非常に危険です。
序中盤で将と中炮の間に駒がない状態は絶対に避けなければいけません。

図2は黒番ですから中央の卒を取られないように指します。
ここではよく指される炮8平5(図3)と黒方も炮が回る順手炮(スンショウパオ、じゅんしゅほう)の定跡を詳しく解説します。


なお炮2平5(参考図2)と回れば列手炮(リンショウパオ、れっしゅほう)と呼ばれる定跡になります。
参考図2以下馬二進三、馬8進7、車一平二、車9平8、車二進六(参考図3)と進むのが普通です。
参考図3は黒方7筋の馬が弱いポジションにいることに注意が必要です。
順手炮、列手炮ともに攻め合いになりやすく、手順を間違えると大変です。

順手炮2へ続く。