(韓国民衆言論 <ミンプラス> 2018年2月3日付)
http://linkis.com/m.minplus.or.kr/news/rHXNh
米国は五輪後に朝鮮に対する凶悪な《鼻血作戦―限定的核攻撃》を計画している
●南北の自主的な解決が、米国の不当な干渉と制御を排撃し、戦争を防ぐ唯一の道である
●朝鮮のリ・ヨンホ外相は、国連事務総長に書簡を送った。「国連は、世界を核戦争の惨禍に導く米国の計画に沈黙してはならない」と
実行段階に入った朝鮮に対する《鼻血作戦―限定的核攻撃 》
ピョンチャン(平昌)オリンピックを契機に、南北関係転換への期待がどの時よりも高いのに、米国発の戦争の恐怖が再び朝鮮半島を覆っている。
米国の核推進空母カールビンソン号が、平昌五輪開幕前後,朝鮮半島海域に到着する。
最近、グアムに到着したステルス戦略爆撃機B-2 を3機と、長距離戦略爆撃機B-52を6機、半島周辺に循環配置される予定である。 オリンピック期間には、数百人の米特殊作戦部隊が韓国に派遣される。
マイク・ポンペイオ米中央情報局(CIA)局長は先月22日、CBSに出演して「私たちは、今、1年前にしていなかった秘密作戦を進めている」と述べた。
この時までは、米国のこのような軍事的動きは、南北関係の進展を妨害する「唐辛子の粉をまく程度のもの」と、受け入れられた。
そんな折に、ビクター・チャ米国戦略国際問題研究所(CSIS)の韓国碩座(訳注―韓国問題研究員)の、駐韓米国大使の落馬(訳注―任官中止の事)を契機に、米国が、別名「鼻血割り作戦(Bloody Nose Strike)」を具体的に準備していると言う事実が明らかになり、米国が平昌の後、軍事行動を準備していると言う、いわゆる「4月危機説」が急速に広がっている。
(訳注―別名「鼻血割り作戦(Bloody
Nose Strike)」とは、朝鮮の象徴的建造物や、例えば、大同江に係留されている米国の侵略行為を示す歴史的押収物<スパイ戦艦・プエブロ号>などを、ピンポイント爆撃し、朝鮮に対し、米国の軍事技術を見せしめ脅威を与えると言う、幼稚で、破廉恥な強盗的・やくざ的発想。事はそれで終わるはずはない。全面的な核戦争の<導火線>となるのは目に見えている。)
ワシントンの外交消息筋は、マクマスター・ホワイトハウス国家安保補佐官を中心としたワシントン好戦狂たちが、「鼻血作戦」を非常に真剣に、具体的に推進していると、同じように警告している。
米国の軍事的な動きが、南北関係の進展を妨害するレベルを超えて、2月8日、朝鮮の建軍節閲兵式を<理由>とし、北との対話はこれ以上意味がないとして、「鼻血作戦」などの軍事オプションを敢行する名分にし様とする疑いがある。
ワシントン情報の一角では、トランプ大統領が、国政演説で北朝鮮の「人権弾圧」を強調したのも、「鼻血作戦」式先制攻撃の名分を積むものだと言う指摘も出た。北も、米国の軍事動向が尋常で無いと判断しているようだ。
1月31日、リ・ヨンホ外相が、国連事務総長に書簡を送った。「米国の核戦争挑発の動きに、国連は沈黙してはならない」
労働新聞は、去る1日、「米国が朝鮮半島で核戦争を準備している」とし、「不意打ちの先制攻撃で、侵略戦争の導火線に火を付けて、全面戦争に拡大しようとする米国の凶悪な計略が、実行段階に入っている」と主張した。 「鼻血作戦」を念頭に置いたものとみられる。
北は、リ・ヨンホ外相の名前で、先月31日、アントニオ・グテヘス国連事務総長に手紙を送った。
この書簡でリ外相は、「私たちは、今後、南北関係改善のため積極的に努力するものであるが、それに水を差す不純な行為に対しては、決して見過ごさない」と述べた。また、「国連は、米国が朝鮮半島と周辺で、情勢を緊張させ、全世界を核戦争の惨禍の中に追い込む、危険なゲームを繰り広げる事に対し、沈黙してはならない」と言った。
朝鮮が金剛山合同公演取り消しを通知し、(米国が)建軍節閲兵式を問題視することを理由とした事も、米国が建軍節閲兵式を口実に、南北対話を破壊して対北朝鮮軍事オプションを持って出てくる可能性の警告を送信したとみられる。
1月下旬、米軍特殊部隊の朝鮮浸透訓練状況をメデイアに公開した
▲昨年12月に、米軍基地キャンプ・スタンレー(Camp Stanely)で、米軍特殊部隊員が北朝鮮(朝鮮)のWMD施設(大量破壊施設)を事前に検出し、これを破壊することを目的とした「戦士ストライク9(Warrior Strike IX)」の訓練を実施している。 [写真:ビジネスワイヤ]
「鼻血作戦」は、北の象徴的施設一、二箇所を精密打撃して、米国がその気になれば、何時何処にでも打撃することができる恐怖心を植え付ける事で、朝鮮が怖気づき、‘非核化交渉’に引きだせると言うものだ。
ビクター・チャの落馬をきっかけに注目されているが、実際に「鼻血作戦」は、米国が昨年から具体的に立案推進してき軍事オプションである「予防的先制攻撃(use of preventive force)」戦術の一つだ。
米国時事誌「アトランティック」は先月31日、「ハーバートマクマスター国家安全保障補佐官は、昨年夏から、北朝鮮に対する<予防的先制攻撃>のための方策を作っていた」と報じた。
北が大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験を二度行った7月と、トランプの「炎と怒り」発言が出てきた8月の、軍事的対応策を具体化し始めた時点ということだ。
米国はこれまで、先制攻撃の準備を着実にしてきた。
昨年12月に、歴代最大規模の連合空中訓練である「ビジルラントエース(Vigilant ACE)」に、韓米両軍はF-22とF-35A、F-35Bステルス戦闘機24機などを参加させ、戦争初期、最小三日の内に、韓半島上空の制空権を掌握するという作戦概念を適用したことが分かった。
特に北の核とミサイル施設などの合同迎撃ポイント(JDPI)700個を打撃する任務に突入する手順などを練習したという。
また、米メディアは、先月中旬、米軍特殊部隊の朝鮮浸透訓練状況を公開した。 黒ヒョウ刃作戦(Operation Penther
Blade)と呼ばれる訓練で、米第82空挺師団の兵力119人が実行した練習は「斬首作戦」として知られた。
米国が、ただ「力による解決」を追求するワシントンの好戦狂たちに、対北先制攻撃は簡単に放棄することができない誘惑である。
莫大な被害が予想される、対北軍事攻撃は放棄したと言うが、果たしてそうだろうか
多くの人々は、1994年1回目の核危機の時、米国が寧辺の核施設の打撃を検討したが、莫大な被害が予想され、放棄したと言う前例を挙げて、米国が対北軍事攻撃を出来ないだろうと言う。
果たしてそうだろうか。
当時にしても、米国は、北朝鮮が直ぐに崩壊すると信じていたから、 核兵器完成までには時間が多くかかるため、無理な軍事攻撃をしていないのだ。
しかし、今は状況が違う。 マイク・ポンペイオCIA局長などが、今後数ヶ月以内に北が米本土を攻撃する能力を実質的に持つようになるだろうとし、時間が多くないと述べている。
今、軍事攻撃を敢行しなければ、永遠に機会がないという焦りの表現である。
「鼻血作戦」は、全面核戦争への雷管 だ
ワシントンの好戦狂が、韓国民と韓国内のアメリカ人の被害を憂慮して、戦争をしないという分析もロマンチックだ。 トランプはもちろん、米当局者は、戦争になったら韓国の地で起こるだろうと、戦争不可論を事実上反駁している。
米国にとって、北の核武装は相当程度の被害を甘受してでも、防がなければならほど死活的な問題だ。 北を核保有国と認めた場合、北東アジアで事実上主導権を失うことになるだろう。「力による平和」を主唱する世界覇権政策も無力化されるからである。
状況がこうであるから、まして、同盟国の被害などを心配するほど、暇(ひま)な境遇ではない。
ワシントンの好戦狂が、対北先制攻撃を敢行する場合、肝心の最も現実的な障害は、韓国政府の反対と中国の反発である。
そこで考案したのが、この「鼻血作戦」と見える。 全面戦争に飛び火しない範囲で、限定的軍事攻撃で恐怖を与えて、非核化交渉に引き出すと言う名分を掲げ、米国の内部同盟である韓国政府は、中国を説得するというものである。
もちろん、韓国政府が、対北軍事攻撃に同意出来る名分と条件を作る工作(例えば、天安艦事件のような)が並行されるだろう。
「鼻血作戦」の立案者は、本当に限定的攻撃をすれば、北朝鮮が怖がって、反撃しないと考えられるか。そんなはずはない。 プエブロ号事件、U2機撃墜事件など、これまで北米間の軍事的対決で,北は一度も後退した事がない事は、米国がよりよく知っている。 次に、結論は明確である。 「鼻血作戦」は、全面戦争を触発する一種の「雷管」である。「
制限的」先制攻撃で、北の反撃を誘導し、これを口実に、全面的な先制攻撃でいくという下心がなくては、押し通すことができない作戦である。
ティソン米国務長官は、昨年12月中旬、「米軍が軍事境界線を越えなければならない状況が生じても38度線以南に後退すると、中国の約束した」と述べている。 この言葉は、米国の対北軍事攻撃の目的は、北朝鮮(朝鮮)占領にあるのではなく、「核兵器を削除」にあることを聞いて、中国を説得しているという事実を告白したのだ。
中国が否定したものの、昨年12月に中国軍と在韓米軍の間に北の「急変事態」に備えた軍事ホットラインが開設された報道が出てきたのも同じ脈絡だ。
難しく作られた南北対話は、風前の蝋燭の様に揺れている
北に向かって飛行機一台を浮かべるにも、米国の許可を受けなければならないと言う、とんでもないことが堂々と行われている。
飛行機出発二時間前になって、米国が「OK」サインをくれたのは、南北対話を徹底的に自己制御の下置くという横暴であり、[閘室, こうしつ]である。 さらに、韓米両国はパラリンピックが終わる4月に、米韓合同軍事訓練を元の規模で強行すると明らかにした。
韓米合同軍事訓練が強行場合、南北関係は再び原点に戻る。 もっと恐ろしい状況は,南北関係が破綻した場合、米国はこれを対北軍事行動の名分にしようとする陰謀かもしれないと言うことだ。
米国の不当な干渉と制御を排撃し、南北関係を自主的に解決していくことが、難しく作られた南北対話を、南北関係の切り替えにつなげていく道であり、戦争を防ぎ平和を守る唯一の差し迫った道である。
今日、私たちは、南北の和解と協力のための努力に、民族的な力を集めながらも、米国の妨害と干渉に抗して、断固戦っていかなければならない理由がここにある。
(訳 柴野貞夫 2018年2月8日)
<参考サイト>
☆「新年の辞」 朝鮮労働党委員長・金正恩 (朝鮮中央通信 2018年1月1日付)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_605.html
☆425 <プエブロ>号事件の真実と米国に与えた教訓(その1) (労働新聞 2014年1月22日付) http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_425.html
☆426 <プエブロ>号事件の真実と米国に与えた教訓(その2) (労働新聞 2014年1月22日付)http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_426.html
☆428 <プエブロ>号事件の真実と米国に与えた教訓(その3) (労働新聞 2014年1月22日付)http://www.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_428.html
|