(朝鮮民主主義人民共和国 労働新聞 2016年12月6日付 )
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何を狙った海軍遠征打撃団組織なのか
佐世保港を母港とする米海軍遠征打撃団の導入と、海軍武力強化は、朝鮮半島に火をつける危険な侵略策動
米国が有事の際、朝鮮半島に緊急展開する米海軍の武力を拡大しようとしている。 米海軍研究所は、米太平洋艦隊が2017年末から日本の佐世保港を母港とする海軍遠征打撃団を試験的に運営する計画だと発表した。
それによると《F-35B》ステルス戦闘機を搭載した大型上陸強襲することと2 200人余りの海兵隊を積んだ3隻の大型輸送揚陸艦を中心に構成されている現在の上陸準備団にミサイル巡洋艦や原子力攻撃潜水艦、イージスミサイル巡洋艦、ミサイル駆逐艦、護衛艦などを追加で配置して、海軍遠征打撃団を組織するということだ。
一方、米国は、南朝鮮と軍需物資の調達に係る情報を共同で構築するために目的を置いた軍需企業情報交流・協力備忘録というものを締結した。これは、朝鮮半島で、遂に戦争の火薬庫に火を付け様とする、米好戦狂らの、危険な侵略策動の集中的発露だ。
米国が海軍遠征打撃団を組織しようとする動きは、今回初めて現れたことではない。 米海軍と海兵隊は、この1990年代、3隻の水上艦、原子力攻撃潜水艦、第22海兵遠征隊を中心とした上陸準備団、《PC-3》、海上偵察機などで構成された混成遠征戦団を組織しようとしたが、指揮統制能力制限でこれを断念していた。
しかし、最近に、多目的の揚陸艦と大型上陸強襲艦の導入で、指揮統制能力が強化されて《F-35》ステルス戦闘機と《MV-22オスプレー》垂直離着陸機が実戦配備される事で、それが可能だと見ている。米国は、海軍遠征打撃団組織が、我々のあることもない《核およびミサイル脅威》を防ぐ為に必要かの様に騒いでいる。 荒唐無稽な詭弁だ。
米国が組織しようとしている海軍遠征打撃団は、決して、彼らが宣伝する様な、単なる抑制力ではない。
米国は、南朝鮮傀儡と、毎年合同軍事演習を頻繁に繰り広げて、ここに、各種核打撃手段と特殊戦兵力を含めた膨大な武力を動員して、先制的な攻撃方法に熟達している。
今年だけで見ても、《B-52H》、《B-1B》、《B-2A》の核戦略爆撃機編隊と,核潜水艦を含む核戦略の資産を,南朝鮮とその周辺地域に展開して、核空母《ロナルドレーガン》号を主軸とする核空母まで朝鮮西海と南海に入れ、我々の首脳部を精密打撃する連合訓練を強行した。
《ピョンヤン占領》のような軍事演習の攻撃的な企みを、これ以上,隠そうとはしていない。
我が共和国に反対する侵略戦争の火を付けるのに、新しい遠征打撃団を組織しようとする策動の危険性がある。 朝鮮半島の険悪な事態は、米国が地球上に核の災難をもたらそうとする、災いの種と言う事を改めてはっきりと実証している。
問題は、米国が海軍遠征打撃団を組織する目的が、決して朝鮮半島にだけ、核戦争の黒い雲をかぶせ様と言うことにあると、言うのではない。米国はアジア太平洋地域に《格別な関心》を置いている。 米国執権者たちは《太平洋の統治権は、必ず米国に属さなければならない。》、《太平洋とアジアは当然テキサス州やカリフォルニア州のように、米国の所有とならなければならない。》と主張してきた。
彼らは《米国は太平洋国家であり、〈開拓者の精神〉を持って、この地域に進出しなければならない。》と法螺を吹いた。
21世紀に入って、世界制覇のためのアジア太平洋重視戦略を打ち出した米国は、その実現に拍車をかけている。米国のアジア太平洋重視戦略の核心は、軍事的優勢、核優勢に基づいて、地域の大国を制圧、牽制し、支配権を確立することだ。
北東アジアを掌握してこそ、アジア太平洋の全地域を占め、ひいては世界を制覇出来ると言うのが米国の打算だ。 国防戦略によって、米戦略核武力の過半数が、アジア太平洋地域に集中されているのは、それから出発したものだ。
米国はアジア太平洋重視戦略を実現することから海軍武力強化に大きな意義を賦与している。 米国はアジア太平洋地域に米海軍の武力の60%を,恒時的に維持しようとしている。 アジア太平洋地域を作戦水域にしている米7艦隊を、新たな艦船で補強している。 今年に、米7艦隊の航空母艦《ロナルドレーガン》号と合流するため、《循環配置の一環》という口実の下に、核空母《ジョン・ステニス》号戦団が、西太平洋水域に配備された。
最新型駆逐艦《ベリー》号と核潜水艦の《シャルロット》号、《シティ・オブ・コーポスクリスティ》号も、7艦隊に新たに配属された。
米国は、膨大な海上武力を突きつけて、太平洋水域を彼らの活躍舞台にしようとしている。
米太平洋艦隊司令官が、海軍遠征打撃団が活性化されれば、11個の既存の航空母艦の《過重な任務の負担》を大幅に減らすことが出来るのだと吐露したことだけを見ても、それを知ることができる。アジア太平洋地域を握るため、貪欲の手を差し伸べている米国が、海軍遠征打撃団を組織しようとするのはこのためだ。
世界の他の地域では、武力を縮減しながらもこの地域では武力を体系的に増強しているのは、米国が支配主義的なアジア太平洋重視戦略の実現に向けてどれほど発狂しているのかということを示している。現実は、アジア太平洋地域、とりわけ北東アジアに位置している朝鮮半島の平和と安全を保障することが、非常に重要な国際的問題に乗り出しているということを示している。
米国こそ、朝鮮半島とアジア太平洋地域の情勢を危険な局面に追い込む緊張激化の主犯だ。 我々が、米国とその追従勢力たちの無分別な核の脅威騒動に対処し、自衛的核抑制力を設けてそれを百方で強化してきたのは千万度正当だ。
米国の軍事的干渉により引き起こされた国々の悲劇的な事態は、核抑止力を備えていない国々は、米帝の籠絡物、侵略の餌食になるという深刻な教訓を残した。
我々が、正義の核の宝剣をしっかり握って、米国の核の脅威に対処しなかったら、朝鮮半島で既に戦争が勃発したであろう事は、火を見るより明らかだ。
米国は海軍遠征打撃団を組織し、結局は彼らの汚れた侵略の野望を実現してみたい考えだが、それは妄想だ。百数十年の、米国の朝鮮侵略の歴史が、それを見せてくれる。 かつて我々人民は,米国の侵略船《シャーマン》号を大同江(テドンガン)で沈没させ、1950年代の祖国解放戦争で米国の傲慢な鼻柱をへし折ってしまい、輝かしい勝利を成し遂げた英雄的な人民だ。
米国は武装スパイ船《プエブロ》号事件をはじめ、各種挑発的な事件を操作し、それを口実にして膨大な武力を突き付け、我が共和国を驚かせて飲み込もうとしたが、我が人民は、米帝との対決戦で連戦連勝を轟かせた。侵略者たちに分け与えられたのは、死体と死だけだった。
悲劇は、歴史的に、朝米対決で敗れた米国が、今日までも力で我が国を飲み込もうとする愚かな妄想から,なかなか目が覚めることが出来ないと言うことだ。
米国は、今からでも、我が共和国の戦略的地位を真っすぐ見て、分別のあるよう身を処しなければならない。 我が共和国は《絶対兵器》と呼ばれる水素爆弾まで保有し、核強国の戦列に堂々と立った軍事大国だ。
我々は、米国本土を灰の粉にすることが出来る強威力の核打撃手段を備えている。
米国が、いくら図体がでかい遠征打撃団を組織して襲い掛かっても、我々は眉一つ動かさない。 もし、米帝が敢えて先払いをするなら、我が白頭(ペクトゥ)山革命強軍は、無慈悲な核の銃火で、敵の本拠地から叩きつぶすであろう。
米国は朝鮮を窺う前に、本土の安全も考えた方がいいだろう。
リ・ヒョンド
時事問題研究会<論考>の予告
●日米韓三国軍事同盟とMD体系編入を準備する<韓日軍事情報包括保護協定の締結>を糾弾する
<参考サイト>
☆論考/日本の集団的自衛権は日本軍の朝鮮再侵略に道を開くもの(2014年6月17日)
☆論考 /アジア・リバランス戦略は日本に集団的自衛権行使を要求している(2014年5月12日)
☆中国(人民解放軍)が「韓国へのサード配置は、アジア版・キューバミサイル危機の再現」と規定
(韓国・統一ニュース2016年7月15日付)
☆天文学的なサード配備費用−くび木は誰が担ぐのか (ウリミンジョクキリ 2016年7月29日付)
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