(韓国民衆言論/対決にとらわれた朴槿恵大統領(2) 統一ニュース 2016年10月5日付 )
http://www.tongilnews.com/news/articleView.html?idxno=118381
対決にとらわれた朴槿恵大統領 (2)
−朝鮮の崩壊だけを追った外交・国防部
グヮクドンキ (韓国社会研究所常任研究員 )
2007年10月4日、祖国統一のビジョンと経路を提示した第2次南北首脳会談の感動がまだ深く残っています。
(訳者注)―2007年10月4日、祖国統一のビジョンと経路を提示したこの第2次首脳会談では、廬武鉉大統領と金正日委員長との間で2000年6月13日から15日にかけて平壌で行われた南北首脳会談(韓国・金大中大統領、朝鮮民主主義人民共和国・金正日委員長)で取り交わされた合意文書―<6・15共同宣言>を、さらに発展させ、“北と南は、思想と制度の相違を超越して北南関係を相互尊重と信頼の関係に確固と転換させていく”ことを合意した<10.4共同宣言>を取り交わした。(全文は、記事後段にあり)
しかし、それから9年が過ぎた今、現実は生易しいものではありません。特に今年、朴槿恵(パク・クネ)政府の対北政策は、南北関係を破局に駆り立てたと考えられます。
韓国社会研究所は、10.4宣言9周年を迎え、'朴槿恵(パク・クネ)政府の対北政策の問題点'というタイトルで、次のように三度にわたって連載したいと思います。
1.対決にとらわれた朴槿恵(パク・クンヘ)大統領 (前回)
2.朝鮮の崩壊だけを追った外交・国防部(今回)
3.政府の資格を喪失した統一部(次回)
2. 朝鮮の崩壊だけを追った外交・国防部
今年1月22日、外交部と国防部、統一部は、青瓦台でパク・クネ大統領に合同業務報告を行いました。この席で、各政府省庁は一様に、‘北朝鮮核問題解決’を最優先課題に設定しました。
これらは、表向きでは対北政策を、‘北核問題解決’とパッキングしたが、その包装を開けてみると、内容物は、‘北の崩壊’に満ち溢れていました。北の核問題を惹起した事が、韓半島の軍事的緊張ではあるが、パク・クネ政府は、朝鮮の核開発を契機として、軍事的緊張を更に高めたと言う訳です。
● 対話を拒否した外交部
外交部は、万事を差し置いて、対北制裁に取り憑かれました。さる1月、北の第4回目の核実験の時から、外交部は、国連安保理制裁決議案を引き出す事で、さらに、独自の制裁措置に言及しました。外交部は“韓米両国は、北が痛恨の代価を支払わせる様にするという断固とした立場によって、まず、安保理次元の実効的な制裁措置が纏められる様に努力を集中する一方、両者次元での独自の制裁措置も併せて積極的に講究していく予定だ”と言いました。
さらに、チョ・ジュンヒョク外交部代弁人は、2月25日、“国際社会でも、今は北朝鮮との具体的な対話再開案を議論する時ではなく、北朝鮮への圧迫を強化しなければならないという事に、広範囲な共感が形成されてる。”とし、国際社会の一角の、対話模索の提案を拒否しました。
外交部が対話を拒否するということを、どう見れば良いのでしょう?国家の対外政策は、外交部、国防部など、さまざまな部署が分担します。よく対北対決と対北対話のツー・トラックという時、国防部が対決を主管すれば、対話を主管するのは外交、統一部です。
政府次元で、今は対話をする次元でないと言っても、外交部は対話の可能性を模索して、対話ムードづくりを準備するのが正しいのです。
ところが、パク・クネ政府の外交部は、朝鮮との対話を事前に遮断しました。結局、外交部が出来る事は、他の国を訪れ、対北制裁を一緒にしようと促すことしか残っていない事になります。
チョ・ジュンヒョク外交部代弁人は,2月25日、“北核問題の解決においては、何よりも中国の建設的な役割が重要なだけに、米国など友好国との緊密な協力を通じて、中国を牽引するための努力を、多角的に傾注している"と報告しました。
当時は、中国の王毅外交部長が'、‘朝鮮の核廃棄と平和協定のツー・トラック構想’を提示して、米―中外交長官が、対話を模索する兆しを見せた時でした。今は完全に霧散した話だが、昨年末には、朝―米が、'平和協定'をテーブルに載せることの可能性をやり取りする事もしました。
ところが、パク・クネ政府は、外交部まで総動員し、朝鮮との対話を拒否して、周辺国には、対北対決に一緒にやろうと説得したのです。
● 北部朝鮮の大規模水害に対する、人道支援さえ拒否したパク・クネ
さらに、外交部は、北の人権の実質的問題には背を向け、北の人権を政治的に悪用しました。この8月末、朝鮮咸鏡北道に大規模な水害が起きた時、外交部ソン・ナムグク副代弁人は、"朝鮮住民が大規模な水害被害を経験しているのと関連して、根本的に、これまで朝鮮住民たちを顧みず、核とミサイル開発に没頭してきた北朝鮮当局は、容認し難い状況だ"とし、水害支援に乗り出さないことを示唆しました。
自然災害に対する人道的支援は、パク・クネ政府が推し進めて通過させた、「北韓人権法」にも言及された事項です。「北韓人権法」第7条は、“災害などによって、北韓住民に発生した緊急な危機に対処するために必要な支援”などの、<人道的支援>を行うように規定されています。
人道的支援は、政治的問題とは別に支援するものだからです。ところが、外交部は、北の核問題のために支援できないとし、対北支援に政治的理由を挿入しました。これは北韓住民の生存権を、政治的論理で無視する代表的事例です。
その一方で、外交部は、国連などの国際社会で、朝鮮住民の人権状況を持続的に問題提起しました。災害支援という人道的支援を拒否したまま、人権問題が深刻だとして攻勢を浴びせたら、国際社会で、朴槿恵政府の言葉を傾聴し、納得する国は一つもないのです。
● 韓・米のサード配置によって、中国の激烈な反発を自ら招いたパク・クネ
パク・クネ政府は、終始一貫して北の崩壊外交に乗り出し、結局7月8日、韓半島にサードを配置することを発表し、中国の激烈な反発を自ら招きました。
3月だけでも、対北朝鮮制裁の動力を確保するために、中国との外交に全情熱を傾けると言っていたのに、僅か3-4ヵ月が過ぎるや、中国が最も敏感な、韓半島のサード配置を公式に決め、中国の批判に直面しました。
韓・米のサード韓半島配置の決定のために、対北制裁に中国を引き込むというパク・クネ政府の対中国外交が、完全に破綻してしまったのです。
さる9月には、朝鮮が第5次核実験を断行するや、今はもう、(朝鮮の)国連除名を主張し始めました。9月23日、尹炳世(ユン・ビョンセ)長官は、第71回国連総会演説で、北朝鮮を"常習的犯罪者"だと攻撃しながら"北朝鮮が平和愛好、国連加盟国としての資格があるかどうかを深刻に再考してみなければならない時点"と攻勢を高めました。これもやはり、中国の反発を呼びました。
9月23日、ル・カン中国外交部代弁人は、ユン・ビョンセ長官の国連で北朝鮮を除名しようと言う主張に対して、“国連加盟国の資格問題に関しては、国連憲章に規定がある”とし、 “私達は、関係国が、どんな言行をする時も、(韓)半島情勢を緩和し、協商のテーブルに復帰させる事に手助けとなる事を願う"と批判しました。
結局、外交部の対北制裁一辺倒の外交は、韓半島の緊張をもたらしただけでなく、中国の反発を呼び、韓半島の核問題の解決どころか、問題解決を遥かに複雑にしたと評価することができます。
● キーリゾルブ演習と乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン演習
一方、国防部は、これまで掲げた防御的側面の“抑止戦略”から一歩進んで、北の核を、先に攻撃できるという<先制攻撃>を主張して、韓半島の緊張を高めました。代表的事例が、今年3月のキーリゾルブ演習と8月の乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン演習でした。各界の憂慮にもかかわらず、韓米はキー・リゾルブ演習を強行しました。
ハンミグン当局は防衛的次元の恒例行事としたが、B-52戦略爆撃機、B-2ステルス爆撃機など対北朝鮮先制打撃手段が相次ぎ、韓半島に入ってきました。原子力潜水艦<ノースカロライナ>号が2月16日、釜山(プサン)港に入港し、航空母艦<ジョン・ステニス>がキーリゾルブ演習に参加しました。海の向こうの日本には、核空母<ロナルド・レイガン>が待機しました。
8月22日には乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン(UFG)訓練を始めました。韓米連合軍は2015年UFG演習から対北朝鮮先制攻撃戦略である'適合型抑制戦略'を全面的に適用しました。'適合型抑制戦略'という北朝鮮の核危機状況を脅威段階、使用緊迫段階、使用段階など3段階に区分して北朝鮮が核・ミサイルを使用できると判断されれば、(使用緊迫段階)、韓米連合軍が先に北朝鮮の核施設を先制攻撃するということになります。
さらに、UFG演習では、生物防御演習まで実施されたものと考えられています。在韓米軍の炭そ菌搬入事件で国中が大騒ぎになったのが、わずか1年前のことですが、米国は再び、生物防御演習を進めていたと言うことです。
韓米当局の適合型抑制戦略が果たして実現可能な戦略かと言う事も問題です。北朝鮮の核を先に攻撃して、発射前に除去するという戦略は、北朝鮮の核弾頭が3-4個の水準の時は実際に可能することもできます。しかし、北朝鮮は今まで、"経済建設と核兵力の建設を並進路線"という名前で、3年目、核増産をしてきました。
さる5月<ニューヨーク・タイムズの>は、北の核弾頭を20個余りと推定しました。北の核弾頭を19個まで先に発見して破壊したとしても、最後の1個の核弾頭を防ぐことができなければ、"適合型抑制戦略"は完全に失敗した戦略になってしまいます。それに、今の朝鮮は、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を開発して完成に近付きました。にもかかわらず、国防部は"水中キルチェーン"を主張し、SLBMも防げると主張しています。
● サードの配置に足を踏み入れている国防部
何よりも、国防部は7月8日、米軍とともにサード韓半島配置を公式発表しました。サード配置は、韓国の外交に深刻な障害を造成しましたが、軍事的側面の危険は、それより遥かに深刻です。国防部が星州に配置すると明らかにしたサードは、国軍が運用する韓国の装備ではありません。
サードを韓半島に配置すれば、その一帯は、在韓米軍が管轄します。結局、10万坪に達するサードの敷地は、在韓米軍基地に規定されます。在韓米軍基地は、韓米相互防衛条約とSOFA協定に基づいて、米国から、何の基地利用料も受けられないまま、土地を譲るようになります。これは韓国領土を米国にそのまま送ることで、大韓民国の領土主権を、米国の前に放棄する行為です。サードの韓半島配置は大韓民国の安保を米国の手に任せてしまった無責任な決定です。
金寛鎮(キム・グァンジン)大統領府国家安保室長は7月13日、国会運営委員会全体会議に出席し、"韓國にサードの配置を要請するのかどうかと言う判断は、米国がする。米国が(判断)して私たちは受け入れた"と発言しました。さらに、金室長は"(サード韓国配備は)米国が自主的に検討して韓国に要請しており、韓米同盟体制から決定されたもの"と付け加えました。
これに先立ち、李元鐘(イ・ウォンジョン)大統領府秘書室長も7月11日、大統領府首席秘書官会議で"(サード配置は)世論に決まる問題だと見ない"と言っています。
米国は、サード体系を朝鮮半島に配置すると、中国の北京一帯の区域までサードレーダーで隅々まで偵察できるようになります。さらに、米国は、米中間の葛藤が触発される場合、中国の大陸間弾道ミサイルを迎撃することができる手段も構築されます。だから、中国が反発することは当然のことです。今後軍備競争が激化することも必然的です。
結局、国防部は、盲目的な対北対決に乗り出したあまり、米国の国益のために推進されるサード韓半島配置を、ぱくっと噛んで、大韓民国の外交と安保に大きな危機を造成したものです。
● 北に対する特殊戦司令部の奇襲挑発作戦まで公開
国防部の対北軍事訓練は、対決的性格を一層露骨化しています。この3月21日、国防部は北朝鮮の最高首脳部の執務室を打撃する"精密打撃練習"を行い、北朝鮮の激しい反発を買いました。
当時、北朝鮮は、祖平統の重大報道を通じて、“この時刻から朝鮮人民軍の正規部隊と労農赤衛軍、赤い青年近衛隊をはじめ、我々の革命武力と全体の人民の一挙一動は、朴槿恵(パク・クンヘ)逆賊輩党を、この地、この空の下で断固として除去してしまうための正義の報復戦に志向されるもの” と反発しました。
8月4日には、イ・スンジン合同参謀議長が、延坪島にある海兵隊延坪部隊と海軍高速艇の前進基地を現場点検、指導しました。この席で、合同参謀議長は、"敵のささいな動きにも徹底的に備えて、敵の挑発時には挑発の根源を確実に取り除いて、戦友らが命を捧げて守った西北海域を死守せよ"と命令しました。特殊戦司令部は北の奇襲挑発を抑制するとして、特殊戦司令部の奇襲挑発作戦を公開したりもしました。
8月6日<MBC>は、特殊戦司令部の東海岸の浸透海上訓練を公開し、密かに移動し、侵入に成功するため、5km海岸駆け足と、3.6kmの生身水泳、7.2kmの鴨足水泳を2時間以内に完了する、体力鍛錬を毎日繰り返し、生存水泳と水中障害物除去と破壊など、高強度トレーニングが続いていると報道しました。
● 韓半島の緊張を増幅させた国防部
今年一年国防部は、対北対決を全面化し、結果的に韓半島を大きな危機に陥れました。パク・クネ政府は、朝鮮が、今年の核試験と人工衛星の打ち上げ、ミサイル発射実験などを通じて、北東アジアの平和を威嚇すると主張します。
しかし、パク・クネ政府が、ただ北対決政策だけで対応した結果、朝鮮に対応論理を与える事になりました。パク・クネ政府が、北体制を脅かし、やむを得ず軍事的措置に乗り出すことになったということです。パク・クネ政府の対北政策は、米国を背景に、中国を引き込んで、北に強力な圧迫を加える事で整理することができます。
ところが、パク・クネ政府は、米国を重きに置いて、中国の反発を買ってしまいました。朝鮮に対する軍事的圧迫は、あまりに刺激的であり、朝鮮のその後の軍事行動に、名分を提供してしまった副作用も一緒に現れました。パク・クネ政府の対北朝鮮政策は、対決に執着し、外交と安保の二つの資産を、すべて危険に陥れたと評価することができます。
(訳 柴野貞夫)
(訳者注)―2007年10月4日、祖国統一のビジョンと経路を提示したこの第2次首脳会談では、廬武鉉大統領と金正日委員長との間で2000年6月13日から15日にかけて平壌で行われた南北首脳会談(韓国・金大中大統領、朝鮮民主主義人民共和国・金正日委員長)で取り交わされた合意文書―<6・15共同宣言>を、さらに発展させ、“北と南は、思想と制度の相違を超越して北南関係を相互尊重と信頼の関係に確固と転換させていく”ことを合意した<10・4共同宣言>を取り交わした。
朝鮮民主主義人民共和国は、南朝鮮のパク・クネに対し、米国と結託した核戦争挑発でなく、<10.4共同宣言>の実現に向けた協議を呼び掛けて来たが、その答えが、10月10日から始められた(今年3度目の)韓・米合同軍事演習である。
この今年に入って3度目の、米韓合同軍事演習では、横須賀を母港とする米国・核航空母艦―<ドナルド・レーガン>が投入されている。我々日本人は、米国に提供した米軍基地が、朝鮮半島における米国の北侵略核戦争の前進基地として使われている事実を、改めて認識しなければならない。
(資料)
10・4共同宣言は、北南関係発展と平和繁栄のための宣言である (2007年10月4日)
<10・4共同宣言>
朝鮮民主主義人民共和国の金正日国防委員長と大韓民国の盧武鉉大統領間の合意によって、盧武鉉大統領が2007年10月2日から4日まで平壌を訪問した。
訪問期間、歴史的な対面と会談が行われた。
対面と会談では、6.15共同宣言の精神を再確認し、北南関係の発展と朝鮮半島の平和、民族共同の繁栄と統一を実現することに伴う諸般の問題を虚心坦懐に協議した。
双方は、わが民族同士が志と力を合わせれば、民族繁栄の時代、自主統一の新時代を開くことができるという確信を表明しつつ、6.15共同宣言に基づいて北南関係を拡大、発展させていくために次のように宣言する。
1.北と南は、6.15共同宣言を守り抜き、積極的に具現していく。
北と南は、「わが民族同士」の精神にのっとって統一問題を自主的に解決し、民族の尊厳と利益を重視し、すべてをこれに志向させていくことにした。
北と南は、6.15共同宣言を変わることなく履行していこうとする意志を反映して6月15日を記念する方案を講じることにした。
2.北と南は、思想と制度の相違を超越して北南関係を相互尊重と信頼の関係に確固と転換させていくことにした。
北と南は、内部問題に干渉せず、北南関係問題を和解と協力、統一に合致するように解決していくことにした。
北と南は、北南関係を統一志向的に発展させていくために、それぞれ法律的・制度的装置を整備していくことにした。
北と南は、北南関係の拡大と発展のための問題を民族の念願に即して解決するために、両側議会など、各分野の対話と接触を積極的に進めていくことにした。
3.北と南は、軍事的敵対関係を終息させ、朝鮮半島で緊張緩和と平和を保障するために緊密に協力することにした。
北と南は、互いに敵視せず、軍事的緊張を緩和し、紛争問題などを対話と協議を通じて解決することにした。
北と南は、朝鮮半島でのいかなる戦争にも反対し、不可侵義務を確固と順守することにした。
北と南は、西海での偶発的な衝突防止のための共同漁労水域を設定し、同水域を平和水域につくるための方案と各種の協力事業に対する軍事的保障措置問題など、軍事的信頼構築措置を協議するために、北側の人民武力部長と南側の国防部長官の会談を今年の11月中に平壌で開催することにした。
4.北と南は、現停戦体制を終息させ、恒久的な平和体制を構築すべきであるということについて認識をともにし、直接かかわりのある3者、または4者の首脳が朝鮮半島地域で会って終戦を宣言する問題を進めるために協力することにした。
北と南は、朝鮮半島核問題の解決に向けて6者会談の「9.19共同声明」と「2.13合意」が順調に履行されるよう共同で努力することにした。
5.北と南は、民族経済の均衡の取れた発展と共同の繁栄のために、経済協力事業を共利・共栄と有無相通じる原則で積極的に活性化し、持続的に拡大、発展させていくことにした。
北と南は、経済協力のための投資を奨励し、経済インフラ建設と資源開発を積極的に推し進め、民族内部協力事業の特殊性に合わせて各種の優遇条件と特恵を優先的に付与することにした。
北と南は、海州地域と周辺海域を包括する「西海平和協力特別地帯」を設置し、共同漁労区域と平和水域の設定、経済特区建設と海州港の活用、民間船舶の海州直航路通過、臨津江河口共同利用などを積極的に推し進めることにした。
北と南は、開城工業地区第1段階の建設を早期に完工して第2段階の開発に着手し、?山ー鳳東間の鉄道貨物輸送を開始し、通行、通信、通関の問題をはじめ諸般の制度的保障措置を早急に完備していくことにした。
北と南は、開城─新義州鉄道と開城─平壌高速道路を共同で利用するために改・補修問題を協議、推進することにした。
北と南は、安辺と南浦に造船協力地区を建設し、農業、保健医療、環境保護など各分野での協力事業を進めていくことにした。
北と南は、北南経済協力事業の円滑な推進のために、現在の「北南経済協力推進委員会」を副総理級「北南経済協力共同委員会」に格上げすることにした。
6.北と南は、民族の悠久な歴史と優れた文化を輝かすために、歴史、言語、教育、科学技術、文化芸術、スポーツなど社会文化分野の交流と協力を発展させていくことにした。
北と南は、白頭山観光を実施し、このために白頭山─ソウル直航路を開設することにした。
北と南は、2008年北京オリンピック競技大会に北南応援団が西海線列車を初めて利用して参加することにした。
7.北と南は、人道的協力事業を積極的に推進していくことにした。
北と南は、離散家族と親戚の再会を拡大し、ビデオレター交換事業を進めることにした。
このために、金剛山面会所が完工した後、双方代表を常駐させ、離散家族と親戚の再会を常時行うことにした。
北と南は、天災をはじめ災難が発生する場合、同胞愛と人道主義、相互扶助の原則に基づいて積極的に協力していくことにした。
8.北と南は、国際舞台で民族の利益と海外同胞の権利と利益のための協力を強化していくことにした。
北と南は、この宣言の履行のために北南総理会談を開催することにし、第1回会議を今年の11月中にソウルで開くことにした。
北と南は、北南関係発展のために首脳が随時会って懸案問題を協議することにした。
2007年10月4日 平壌
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