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(民衆闘争報道  国連第71回総会における朝鮮民主主義人民共和国 李ヨンホ外務大臣演説全文)


国連第71回総会における朝鮮民主主義人民共和国 李ヨンホ外務大臣 演説全文

                                                        2016923

 

         

▲ 923日(NY現地時間) 朝鮮民主主義人民共和国の李ヨンホ外相が国連第71総会で演説を行っている

<以下、朝鮮文からの全訳>


国家経済発展5カ年計画に着手した我が共和国において、何よりも必要なのは平和的環境

議長、私はまず、尊敬するピーター・トムソン先生が、国連第71回総会議長に選出されたことをお祝いし、本会議が、貴殿の熟達した司会のもとで、立派な成果を挙げるであろうという期待を表明します。
私は、持続開発目標、我々の世界を変革させている全人類の主導力を主題とする本会議が、全ての国の平和な発展と反映を主導することにおいて、意義のある寄与をすることを希望します。
議長、平和と安全は国連の永遠の主題です。持続開発も、何よりも平和と安全を前提としています。国連が、持続開発の変革を志向するこの時にも、世界ではテロの強風が吹き荒れ、戦乱による避難民が大量に発生し、世界的な熱戦が減少するのではなく、反対に増加しています。
その中でも朝鮮半島は、核戦争勃発の危険性まで内包した世界最大の熱戦地点と化しました。人民経済全般を活性化し、国の経済を持続的に発展させる土台を作るための国家経済発展5カ年計画に着手した我が共和国において、何よりも必要なのは平和的環境です。


50万の兵力と核兵器を動員した米韓の恒常的侵略的核戦争演習

国際社会が毎年目標としているように、朝鮮半島情勢がしばしば統制不能な状態に陥るのは、米国が対朝鮮敵対視政策を放棄せず、朝鮮半島とその周辺で侵略戦争演習を繰り返し行っていることに根源があります。今年も3月〜4月、8月〜9月に米国が南朝鮮で行った大規模合同演習は、その規模において、一つの戦争を行うことができる50万以上の大兵力と、戦略核爆撃機、戦略核潜水艦をはじめとした、戦略兵器が投入された極めて挑発的な大規模軍事行動でした。
これらの演習の性格において、我が共和国指導部に対する斬首、平壌占領を目標とする精密打撃作戦、特攻隊浸透作戦、上陸作戦、先制核打撃作戦などを基本とする、徹頭徹尾、攻撃的、侵略的な核戦争演習です。
今、世界の他の場所には、このように規模が膨大な合同軍事演習はありません。このように挑発的で、攻撃的な戦争演習はありません。このように戦争対象が目と鼻の先に接近して、展開される危険千万な侵略演習、露骨な軍事的威嚇はありません。


米国と南朝鮮の挑発的大規模軍事演習

朝鮮半島には、平和を保障することができる確固たる制度装置が備えられていません。1950年代に発生した戦争は終わったのではなく、一時停戦している状態、つまり、今日、どちらか一方が再び火遊びを始める場合、宣戦布告を必要としない、交戦状態にあります。それほどに他のどの地域よりも、大規模合同軍事演習のような挑発的な軍事行動が、相手を刺激しやすく、対応を誘発しやすいのです。偶発的な事故によっても衝突が起き、それが拡大し、全面戦となりやすいのです。
朝鮮半島の周辺国はもちろん、地域内の多くの国と、さらには米国と南朝鮮内部でも、大規模合同軍事演習がもたらす緊張激化に対する憂慮の声が高まっています。
朝鮮民主主義人民共和国は、米国と南朝鮮当局が、挑発的で侵略的な合同軍事演習を行う度に、必要な自衛的対応措置をとりながらも、衝突と拡大を防止するためのできる努力は全てしてきました。
朝鮮労働党委員長であられ、朝鮮民主主義人民共和国 国務委員長であられる敬愛する金正恩同志は、党第7回大会で、米国が時代錯誤的な対朝鮮敵対視政策を撤回し、停戦協定を平和協定に変え、南朝鮮から侵略軍隊と戦争装備を撤収させることについて言及されました。また、朝鮮半島の平和と統一のために、まず北南軍事当局間の対話と協議が必要であるということについても表明されました。
しかし、これに対する回答もなく、共和国を狙った大規模合同軍事演習は中断されることなく続いており、その性格はさらに挑発的で、侵略的なものになっています。


国連安保理役割米国の強権と専行を国連の風呂敷で包むこと

議長、今、国際舞台では、米国を首魁とする帝国主義勢力の横暴な支配と干渉策動により、世界的に公認された国際関係の基本原則が公然と無視されており、帝国主義列強の利害関係により、正義も不正義と問題視されています。国際平和と安全を守護するためにもそうであるし、持続開発を達成するためにも、真正なる国際的正義が必ずや実現されなければなりません。
国連憲章第1条は、平和の破壊をもたらす国際紛争や状態を平和的方法で、そして正義と国際法の原則に合うように、調停したり解決することを規定しています。しかし今、国連安保理は、朝鮮半島問題を扱うことにおいて、正義と国際法を離れて、米国の強権と専行を国連の風呂敷で包むという役割を演じています。

核及び弾道ロケット活動が国際平和と安全の危険になるという法律的根拠は何もない

共和国政府は、国連憲章第34条、第35条に基づき、朝鮮半島における米国の大規模軍事合同演習により、国際平和と安全が危険な直面する事態を国連安保理に何回も提訴しました。今年だけでも3月と8月、2回提訴しましたが、国連安保理は毎回、朝鮮民主主義人民共和国の提訴を無視しました。安保理は一方、共和国が自国の自主権と尊厳、国家の安全を守るために行っている正々堂々たる自衛的措置については問題視しています。
朝鮮民主主義人民共和国は、1950年代から始まり、世紀を超えて続いてきた、米国の常態的な核威嚇から国家の安全を守るために、できること全てをやった末に、やむを得ず核武装の道を選びました。我々が核武装強化を決定したのは、米国の常態的な核威嚇から、自国を防衛するための正当な自衛的措置です。それにもかかわらず、国連安保理は、つい最近でっち上げた反共和国決議2270号でも、朝鮮民主主義人民共和国の現存の核及び弾道ミサイル活動が、国際平和と安全に対する明確な危険となると断言しました。核及び弾道ロケット活動が、国際平和と安全の危険になるという法律的根拠は、国連憲章にも、いかなる国際法条項にも明示されていません。
現実的に、我々よりも遙か前にこうした活動を開始した他国が、国連安保理で問題視されたことは一度もありません。それなのに、いかなる根拠と権限で、安保理は我が共和国の核及び弾道ロケット活動を禁止する決議を採択し、そのような根拠と権限があるのならば、なぜ核及び弾道ロケット活動をする他国は問題視しないのかということです。
これについて我々は国連事務局に公式に質問をしましたが、事務局は4ヶ月経っても回答できずにいます。その回答は明白です。国連安保理は、正義ではなく、拒否権を持っているのか持っていないのかにより、提議の有無が決定されるのです。このような決議にもならない決議をもって、米国は国連加盟国に対してその履行を強要する道徳的資格はなく、国連加盟国は、このような不公正な不正義な決議を履行しなければならない道徳的義務がありません。

マルガリータ宣言は 一方的な強圧的措置に対する糾弾を表明

昨週、ベネズエラの美しい島マルガリータでは、第17回非同盟諸国首脳会議が開催されました。会議で採択された最終文献は、ここ数年、国連安保理は、一部の決議案については過度に早く威嚇的な立場を取ったり、強制的立場を取りながらも、他のケースに関しては、沈黙を守ったり、漫然と対応していることに憂慮を示し、国連憲章に従い、制裁は必ず、国際平和と安全に対する威嚇や侵略行為が存在するときにだけ行わなければならないと指摘しました。
非同盟諸国首脳は、会議で採択されたマルガリータ宣言で、非同盟会議加盟国に対し、国連憲章と国際法、特に、こうした国の自決権と独立、内政不干渉の原則に則して制定、適用されている一方的な強圧的措置に対する糾弾を表明しました。これは、全国連加盟国の3分の1近くを占めている非同盟諸国の共通の立場、すなわち、国際社会の真正な声なのです。
国際正義は自然に達成されるものではなく、自主的な国々の力が強いときにだけ実現されます。我々の核武装は、国家路線です。我々と敵対する核保有国が存在する限り、我が国の安全と朝鮮半島の平和は、ただ信頼できる核抑止力によってのみ守ることができます。

我々の尊厳と生存権を守り、平和を守るための国家核武力の質量的強化措置

冷戦終結後、4分の1世紀が過ぎつつあるなか、安保感覚がさらに鋭敏になった欧州や、自分の国の門前、自分の上空の周辺に敵対的列強の核兵器がやってくる状況を直接体験したことがない国は、我々がなぜそれほどまでも心血を注ぎながら核抑止力を強化しなければならないのかについて理解が困難かもしれません。
最近、我々が成功裏に行った核弾頭爆発試験は、我が国の自衛的権利行使を悪辣に妨害する米国をはじめとする敵対勢力の威嚇と制裁騒動に対する実際的な対応措置の一環として、敵共が我々に手を出せば、我々も正面から戦う準備ができているという我が党と人民の超強硬意志の誇示です。
米国が数日前、B1-Bという戦略爆撃機を朝鮮半島の軍事分解線上空を飛行させ、南朝鮮に着陸させ、我々を再び威嚇したことに対し、我々は絶対に黙っておらず、米国はその代価を想像できないほど、しっかりと払うことになるでしょう。
米国の度重なる核戦争威嚇から我々の尊厳と生存権を守り、本当の平和を守るための国家核武力の質量的強化措置は、続けられるでしょう。

公正で正義のある新たな国際秩序を

議長、本当の国際的正義を実現し、国際平和と安全を守り、国連が設定した持続開発目標を達成するためには、正義の看板の下で不正義がうごめく古い国際秩序を捨て、公正で正義のある新たな国際秩序を打ち立てなければなりません。米国が数十年間、不当に行ってきた反キューバ封鎖は、国際的正義が失われた具体的事例です。我が代表団はこの機会に、米国の強権と専行、一方的な封鎖に対抗し、民族の尊厳と自主権を守り、国際的正義を実現するために闘争しているキューバ政府と人民に全的な支持と連帯を表明します。
主権国家に対する米国の乱暴な主権干渉により、戦乱と暴力状態に直面したシリアとイラク、リビアのような国と地域、パレスチナ問題などで、国際的正義が一日も早く実現されなければなりません。
国際刑事裁判所を悪用し、自主的なアフリカ諸国の主権を侵害する米国と西側国家の不純な政治的企てが、阻止されなければなりません。
人権問題を政治化し、反帝、自主的な国を故意的に悪魔化し、カラー革命の道具として利用している米国と追従勢力による二重基準行為が断固として排撃されなければなりません。

国連が正義を破るのであれば、誰も国連に期待をしなくなるでしょう。米国が敵対視する国、米国が制度転覆を目標とする国は、例外なく自動的に人権問題を抱いている国として分類されていることが、今日の国連舞台です。朝鮮民主主義人民共和国もその中の一国ですが、それはむしろ、我が共和国がそれほどまでも米国とその追従勢力に反対する自主的な国であることを証明しているだけです。米国は核問題でどうにもならなくなると、人権問題を持ち出してきたように、人権問題でもどうにもならなくなると、また他の問題を持ち出して、我が共和国を抹殺しようという試みを継続することでしょう。しかし、米国は絶対に我が人民から彼ら自身が選択した社会主義、人民のための滅私服務の制度を取り上げることはできません。
議長、共和国政府は、米国により強要されている核戦争の危険を強力な核抑止力により根源的に終息させ、朝鮮半島とアジア、世界の平和と安全を守り、世界の非核化を実現するための闘争を力強く展開します。ありがとうございます。<終>