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(朝鮮民主主義人民共和国 労働新聞 署名論評 20151120日付)http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2015-11-20-0037


    東北アジアに、新しい冷戦構造を形成しようとする米国の危険な術策


 日米は、戦争法規を実行に移し、「平時」でも、米軍と自衛隊の一体化を推進する日米―軍事調整機構の運用を開始した。  
 米・日・韓―三角軍事同盟構築策動は、東北アジアを、新たな冷戦の中心にする <アジア版NATO>である。
 新たな冷戦構造構築で、米国が我が国を圧殺しようとするのは、愚かな妄想に過ぎない。


                                                           リ・ギョンス


侵略的な米・日・南朝鮮―三角軍事同盟構築を合法化する日米―軍事調整機構の設置

20世紀後半期には、冷戦の殺伐な舞台が、ヨーロッパを中心として世界に拡がった。21世紀10年代に入って来て、東北アジアが新しい冷戦の中心地になっている。
基本張本人は米国である。日本と南朝鮮傀儡達は、米国の指揮棒に操り人形として乗せられながら、ご主人が構想し押し付ける冷戦構造樹立に、深々と巻き込まれている。
最近米国は、日本と≪非常事態時≫だけでなく、平和時期にも、米軍と日本≪自衛隊≫の集団的対応を扱う、新しい軍事調整機構を持ってくることに決定し、南朝鮮当局と≪4?作戦計画≫を公式採択するなど、追従勢力との軍事協力を前例なく強化している。
これに依って米国は、日本、南朝鮮とそれぞれ(別個に)結んだ双務軍事同盟関係を更に強化し、東北アジア地域に対する武力増強と、侵略的な米・日・南朝鮮―三角軍事同盟構築を合法化する事が出来る土台を十分に築いた。
米・日・南朝鮮―三角軍事同盟は、日本と南朝鮮傀儡政権の間に、同盟関係が形成されれば完全に構築される事となる。
米国は、過去史問題と≪有事時≫の日本≪自衛隊≫の≪北地域進入≫問題等に関して矛盾と葛藤をもたらし、犬と猫の様に、取るに足りないことで互いに争う日本と南朝鮮傀儡達の軍事的関係を密接にする様にする為、醜悪に振舞っている。
米国は、我が国の≪脅威≫なるものを、日本と南朝鮮傀儡達を軍事的に張り付けて置く為の粘着剤として利用しているのだ。
米国が,日本と一緒になって持ち出すことに決定した、新しい軍事調整機構の使命は、今と同じ平常時でも≪危機が発生≫する場合、両政府が情報を共有し、早い軍事的決定を下す様に幇助し、それらを通して両国の軍事同盟を強化して行くものとなっている。
米国は、この機構が≪北朝鮮が弾道ミサイルを発射≫する場合、1次的に対応する事となるものだと喧しく騒ぎ立てている。

我が国への先制核攻撃計画―≪作戦計画5015≫、≪4D作戦計画≫を支える高性能早期警戒レーダー(]バンド)が、日本に二か所設置されている

先日、第47次―米国・南朝鮮≪年例安保協議会≫で公式採択され、≪作戦計画5015≫(訳注―韓米が、必要な場合、先制打撃も含まれると公言する、朝鮮に対する先制核ミサイル攻撃戦略である。50は、米国が使用している暗号数字で、朝鮮半島を意味し、27は、状況による細部計画を表す数字である)に反映するものとした≪4D作戦計画≫(訳注―4Dとは、探知(detect)と防御(defence)、攪乱(Disrupt)、破壊(destroy)を意味する)も、我々の≪弾道ミサイル≫や≪核弾頭を搭載したミサイル≫を探知、防御、攪乱、破壊する為のものだと、声高に騒いでいる。
これは、我々の≪弾道ミサイル脅威に対処≫すると言う名分を掲げ、日本と南朝鮮当局を最終的に同盟関係に結ぶことに誘導する為だ。
今、≪サド≫の南朝鮮配備問題について、米国と傀儡達の間に論議が引き続き展開されていると言う世論が広まっている。
南朝鮮の専門家達の中では、来年から米国と彼らの当局が≪サド≫の南朝鮮配備に対する論議を、本格的に繰り広げる事が出来ると評論している。
米国は、高性能早期警戒レーダーとして知られた]バンドレーダーを、日本の二か所に配置した。(訳注―青森県つるが市・車力と、京都府丹後市経ヶ埼にある)南朝鮮に≪サド≫が配置されれば、南朝鮮はいずれにしても、日本と一緒に米国が構築しているミサイル防衛体系の一つの付属物になる事となり、軍事情報交換と軍事的対応問題で、日本と否応なく歩調を合わせる事となった。こうなれば、米、日、南朝鮮―三角軍事同盟を構築する事が出来る根拠を、ある程度備える事となる。
米国が、日本と新しい軍事調整機構を持ち出し、南朝鮮当局と≪4D作戦計画≫を公式採択した事は、決して我が国だけを狙ったものではない。
米国が騒ぎ立てる、我々の≪弾道ミサイル発射≫が、新しい軍事調整機構の1次的対応対象であれば、2次的、3次的対応対象は果たして誰なのかと言うことだ。その対象が、即ち中国、ロシアと言う事は、火を見るより明らかだ。

我が国と、中国、ロシアの≪脅威≫を捏造し、日本と南朝鮮に、核航空母艦と核戦略爆撃機などの核打撃手段を 動員し、核戦争演習を繰り返す米国

米国と南朝鮮当局が採択した≪4?作戦計画≫の実行を担保する、米国の早期警報衛星と高空無人偵察機などが、決して、我が国の軍事的動きだけを探知する手段だと信じる人は、世界の何処にもいないだろう。しかも、南朝鮮に配備しようとする≪サド≫の作戦半径が、朝鮮半島の境界内を遥かに超えていると言うのは、既に世界によく知れ渡っている事実だ。≪サド≫の南朝鮮配置に対し、中国、ロシアが神経を使っている事は、即ちその為だ。今米国は、中国とロシアの≪脅威≫に対し、いつになく大騒ぎしている。
中国が、軍事力を増強し日本海域で一方的行動をしながら緊張を高潮させているとか、ロシヤが、力でいろいろな地域の境界線を変化させているとか何とか言って騒ぎまくっている。米国のこの様な≪脅威≫の決まり文句は、追従勢力が、中国、ロシアと関係を近付ける事を防ぎ、自分が強行する3角軍事同盟構築策動に、積極的に乗り出す様にするためだ。
米国は、我が国と中国、ロシアの≪脅威≫を極大化しながら、日本と南朝鮮に、核航空母艦と核戦略爆撃機などの核打撃手段を引き込んで、膨大な侵略武力を動員し、各種戦争演習騒動を繰り広げている。
米国が、追従勢力勢力達と新しい軍事調整機構を持ち出し、≪4?作戦計画≫を採択しながら武力増強に気が狂ったように暴れているのは、地域の諸国に比べて絶対的な軍事的優位を占めようと言う戦略的企図だ。
東北アジアには、いろんな大国がある。この諸大国の経済的、軍事的影響力は、アジア太平洋地域は無論、他の地域にまで拡大されている。一方、米国の経済的、軍事的支配権は狭くなっている。これに米国は不安を感じている。
米執権勢力は、米国の衰退没落を防ぐ優れた方策を持つ事は出来ない。そこから戦々恐々と探したものが、日本、南朝鮮との軍事的結託をより強化し、アジア版NATOである米、日、南朝鮮―三角軍事同盟を大急ぎで構築し、アジア太平洋地域に更に多くの武力を増強する方法で軍事的優勢を占め、中国とロシアを圧迫しようとするのだ。
米国と日本は、現在、20件の共同軍事研究開発計画を推進している。今後、宇宙と海洋、サイバー分野への協力を更に拡大しようとしている。
米国が日本と推進している共同軍事研究開発計画には、次世代海上迎撃ミサイル≪SM−3ブロック2A≫の開発もある。この迎撃ミサイルの最終試験が、来年に進行される予定だと言う。米国は≪SM−3ブロック2A≫を2018年までイージス艦などに搭載する計画だ。

米国が、<新しい冷戦構造>によって我が国を圧殺出来ると考えるのは愚かな妄想だ

日本と南朝鮮傀儡達は、米国が樹立する21世紀の冷戦構図で、彼らがどんな不幸な立場に落ち込むのか知る由もなく、盲従盲動している。
米国とその追従勢力達の策動で、東北アジアの平和と安全は甚だしく脅威を受けており、地域は日毎、世界最大のホットスポットに転化している。
米国は、21世紀の冷戦でも≪勝者≫になろうとしている。滅亡のどん底に,無我夢中に(我を忘れて)転がり落ちながらも、東北アジア地域の覇権を掴んでみようと必死のあがきを見せている米国が、新しい冷戦で≪勝者≫になるだろうと信じる国々は、さほど居ないだろう。日本や,南朝鮮当局者の様な愚か者達が、ご主人(米国)の機嫌をへつらい、米国が≪勝者≫になるだろうと、よこしまな言動をしているだけだ。米国が形成する新しい冷戦構造が、我が共和国の圧殺を第一番目の目標にしていると言う事が再び確証された条件で、我々は決して、手をこまねいて黙ってはいないだろう。
20世紀後半期の冷戦で、米国は、我が国だけは、とうとう何もできなかった。21世紀の新しい冷戦で、米国が我が国を圧殺出来ると考えるのは、愚かな妄想だ。我々は断言する。新しい冷戦での敗北者は明白に米国だ。
                                    訳 柴野貞夫 20151123