(韓国ネット言論 PRESSIAN 世界ニュース2013年9月12日)http://www.pressian.com/article/article.asp?article_num=40130911183535&Section=05
福島アルマゲドン<関連記事>
安倍総理の<国際的嘘>が不吉な理由とは
「ナチが政治的に利用した1936年ベルリン・オリンピックは、2020年の東京オリンピックに連結されている」
罪の意識は無論のこと、羞恥心さえ投げ捨てた日本
安倍晋三・日本総理が、去る9月7日、2020年オリンピック開催地を決定する国際オリンピック(IOC)総会で、競争国達を退け、主催国として選定される為の秘蔵のカードを取りだした。最大の弱点として数えられた‘福島事態’に対し、決定的な嘘をついたのだ。
安倍総理は、“福島原電の放射能汚染水は、港湾内部0.3ku範囲内で完全に統制されている”と語った。日本にオリンピックが開かれても、放射能問題に対して心配することは全くないと言う意味だ。
開催国候補の最高指導者が、国際舞台でこの様に断固として現在の状況を規定したとすれば、二つの内の一つだ。(即ち)
放射能流出を疑う他の国々が日本に謝罪する事になるか、(或いは)日本は‘付き合う事が出来ない’国だ。
▲2020年東京オリンピック誘致に成功した安倍晋三総理が、9月10日閣僚会議で経過報告をしている。[出処 AP=ヨンハップ]
‘羞恥心の国’日本の総理が、どうして‘国際的嘘’をついたのか
安倍総理の発言が事実だとすれば、最近福島で、放射能汚染水が海に流れているとして、福島一帯の水産物を全面輸入禁止させた韓国は、“科学的根拠がない措置”と言う日本の抗議に対し、語る言葉がない事になる。
しかし悩む事はなかった。数日後の10日、福島原電の管理業体・東京電力は、<良心>宣言をした。“放射能物質である三重水素が、港湾の外へ漏れ出て行っていると言うことが東京電力の公式立場”だと言うのだ。
事実上、政府の統制を受ける東京電力が、過去は公企業であるが、今は形式的に民間業体として、総理の主張を否定する根拠として‘格’が落ちるなら、遠い道を行くこともない。去る4日、日本政府機構である原子力規制委員会の田中俊一委員長の外信記者会見の内容を見ればよい。田中委員長は、“放射線物質の濃度を低くして水を海へ放流する事が不可避だ”と語った。
即ち、前日、東京電力は、“汚染水貯蔵タンク、海へ時間当たり最大2200ミリシーベル(3時間の露出で死亡)の放射線量が測定されたし、5日、核発電所近隣の地下水も、サンプル調査の結果、1リッター当たり650ベクレルの放射能に汚染された事実を、初めて明らかにしたのに続いて、総理の‘嘘’が知られた後である9日、また再び地下水サンプル検査で、1リッター当たり遙かにもっと強い3200ベクレルが検出されたと、明らかにした。” 海に汚染水が流れて行っていると言うことは無論、遮断が不可能な地下水汚染まで、広範囲に進行されていると言う意味だ。
その上、既に田中委員長は、放射能汚染水処理と関連して、国家次元で支援した最強の浄化装置を動員すれば、62種類の放射能物質を除去する事が出来るが、この装置でも除去出来ない三重水素は、希釈して放流する以外にないと明らかにした。
日本国民自らも、総理の発言を信じない。<朝日新聞>が去る7〜8日実施した世論調査で放射能汚染水問題に対し、日本国民の95%が“深刻だ”と答弁した。“放射能汚染水問題がどの程度深刻だと考えるか”と言う質問に対し、72%が“大変深刻だ”、23%が“ある程度深刻だ”と答えたのだ。
放射能汚染水問題に対し、“国家が前面にもっと出なければ成らないと考えるか”と言う質問に対しても、“国家が出なければならない”と言う答弁が89%に達した。このくらいになれば、安倍総理の発言は、‘嘘’として断定しても無理がない。
そうであっても気懸かりな点がある。どれだけオリンピックが重要だとしても、一国の最高指導者が、なぜ国際オリンピック総会と言う公式的な場で、露骨に嘘を言うことが出来るのか。
副総理(麻生)“ナチの手法を学ぼう”
安倍総理の嘘事件だけではない。最近、日本社会で目撃される言行を見れば、理解するのに厄介なことが、一つや二つでない。オリンピック誘致の為に、一定期間自制した日本極右勢力達は、オリンピック誘致が確定した便りが伝わった9月8日、直ちに“朝鮮人達をすべて殺せ”と、反韓示威を繰り広げた。日本の極右勢力が、軍国主義を露骨に剥き出している現象も、尋常でない。
去る8月15日、A級戦犯達の位牌がある靖国神社周辺には、日本右翼保守団体達が太平洋戦争当時の軍服を着て、日本帝国主義を象徴する<旭日旗>を振って“大東亜戦争は、侵略戦争ではない”と叫び、甚だしきに至っては、ドイツナチ軍を象徴するハーケンクロイツ(カギ十字)を肩に付けた制服を着た連中も居た。
政権のナンバー2と言う麻生太郎副総理は、“ドイツナチ政権の、憲法無力化の手法を学ぼう”と言う言葉で波紋をひき起した。政権のナンバー1である安部総理は、航空自衛隊を訪問し、生体実験で悪名高い731部隊を連想させる事になる戦闘訓練機に搭乗し、物議を引き起こした。さらに、広島原爆投下日である8月6日進水した空母級護衛艦の名前は、日帝時、中国上海を砲撃した旗艦と同じ<出雲>だ。
軍国主義の跋扈、福島事態、オリンピック誘致−の連結の環
一角では、2020年東京オリンピックが1936年のナチ政権が政治的に悪用したベルリン・オリンピックの再版となるだろうと言う警告もしている。当時ヒットラーは、ゲルマン族の優越性を世界に誇示するイベントとして、オリンピックを徹底して利用し、結局戦争を引き起こした。
最高指導者が嘘をついても、オリンピックを誘致した背景は、20年に跨る長期不況と福島原電事態などで憂鬱になる日本社会が、現在集団的に突破口を探しており、極右勢力が跋扈して軍国主義的気質が露骨化される過程が、これと繋がっていると言う分析だ。
実際に、日本は島国として限界を抜け出る為には、武力侵攻を躊躇しない歴史を持っている。内部の問題や外勢に対する対応として、武力に依存する場合が多いと言うことだ。
今日本は、長期不況に各種災難で、内部の民心が落ち着かず、中国などとの競争に負ける焦燥感に落ち込んでいる。こんな状況で日本は、機会さえあれば過去史に対する謝罪はおろか、戦争に向かう挑発をして来る可能性を排除する事が出来ない。特に、安倍政権は、‘集団的自衛権’の行使を防いでいる平和憲法9条に対する再解釈を試みている。
集団的自衛権と言うのは、‘同盟軍が第三国の攻撃を受けた時、自国が攻撃を受けたものと見做し、相手国に反撃することが出来る権利’を意味する。国連の規定によればすべての国家がこの権利を持つ事が出来るが、日本は第2次世界大戦敗戦の産物である平和憲法によってこの権利を除外されている。
しかし最近、日本では、法解釈を担当する法制局が、この間、平和憲法により“日本は集団的自衛権を保有しているが、行使することは出来ない”と言う立場を固守して来たので、これを放棄した。
安倍総理は、法制局の解釈を譲らないとする法制局長を電撃更迭し、“憲法解釈変更の当否は、法制局ではなく内閣が最終決定するもの”だと語る人物を法制局長に任命した。
米国の人類学者ルース・ベネディクトは、日本の人々は集団的文化が強く、‘羞恥心’が意識を支配すると分析した後、日本人は‘羞恥心’はあるが、個人主義文化が発達した社会で、際立った‘罪意識’は、良く感じる事が出来ないと言う認識が広がった。
羞恥心は、集団の視線を強く意識する心理だ。日本人は、間違いを犯して泰然としていて、露見すると‘割腹’までするくらいだ。
しかし羞恥心は、集団全体が間違った道に行く時は、作動しない弱点がある。日本が集団的に自身の危機を打開する為に、国際的な被害を与える事をしなければならないのなら、‘羞恥心’さえ策動しない方向に進んで行くことが出来る。安倍総理の‘放射能汚染水完全遮断’という嘘発言は、そんな意味で不吉だ。
(訳 柴野貞夫 2013年9月20日)
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