(韓国 京郷<キョンヒャン>新聞 ―ソ・ウイドン特派員2012年9月26日)
“強い日本”を強調した安倍は、韓・中と歴史・領土問題で強硬(路線)を予告
日本で一番危険な極右政治家である安倍晋三(58)元首相が、次期総選挙で政権が有力視される自民党の新総裁になることで、独島・尖閣列島の葛藤を引き起こしている東アジア情勢が一段と悪化する可能性が大きくなった。
中国で対日強硬派の習近平国家副主席が、時期権力を受け継ぐ予定の状況で、領土問題に強硬派の安倍が首相に就く事となる場合、東アジアが、力と力がぶつかり合う“熱戦”状態に、(ボタンを掛け)間違って進む可能性も排除する事が出来ない事となる。
安倍は9月26日開かれた自民党総裁選で勝利した直後の挨拶で、“強い日本を作る”と明らかにした。彼は自民党の政権奪還に尽力するとしながら、“政権奪還は、強く豊かな日本、日本人と子供が日本で生まれた事に、幸せと誇りを感じる日本を作るためのものだ”と強調した。尖閣列島(中国名−釣魚島)を取り巻く中・日の葛藤が真最中の状況で,第一声として“強い日本”を言及したことから異常である。
2006年9月、小泉純一郎の後任として首相に就いた安倍は、わずか1年の在職期間中、愛国心の育成を標榜する教育基本法改訂、防衛庁の防衛省昇格、独自の対北韓制裁などを続々推進しながら、日本を大きく右旋回させた。
彼は‘美しい国’と言う国政スローガンの下、米軍政下でつくられた平和憲法を改定し国家主義育成を目的とする教育改革に没頭した。
第二次世界大戦の敗戦で、“失われてしまった日本の矜持(きょうじ=誇り)を蘇えらせると”しながら、軍国主義の過去を美化しようと言う彼の歩みに、韓国・中国など周辺国は、大きく憂慮した。
侵略の過去史を、≪自虐史観≫だと否定して来た安倍は、2007年3月、慰安婦強制連行を否認する内閣決議を採択し、国際社会の非難を自ら招き、米国さえ憂慮を表明し、総理職の短命を早めた。総理から退いた後にも、自身の歩みに対する反省の色は見えなかった。
むしろ、自民党総裁選挙に立ちながら、言論インタビューでは“(総理になれば)河野談話だけではなく、宮沢、村山談話もすべて修正する”とし、過去史に対する反省を否定した。
宮沢談話(1982年)は、隣国を配慮した教科書記述、河野談話(1993年)は、日本軍慰安婦強制連行の謝罪、村山談話は、植民地支配・侵略を謝罪した内容だ。
彼は又、総理の時、靖国神社参拝を出来なかった事が“痛恨”だったとしながら≪右翼の本性≫を遺憾なく暴露した。
自民党は、すでに日王(天皇―訳注)を‘日本の国家元首’と規定し、自衛権と国防軍の保有を明示する憲法改定案を準備している。日本を再び‘天皇(日王)と天皇の軍隊を、保有した国’にすると言う意味だ。
日本の政治圏は、今年下半期、或いは来年はじめに、衆議院(下院)を解散し、総選挙を執り行う事となる。現在としては政党支持率で民主党を先行しており、執権する可能性が大きい。
極右性向の安倍が総理に就く事となれば、日本の政治と国政の右傾化の流れが加速化されながら、東アジアの緊張を一層激化させると言う懸念が出る。
ただ、一角では、2007年の執権当時、周辺国の懸念を経験した事があるだけに、いざ総理になった後には、制限された歩みを見せるだろうと言う観測も出ている。
(訳 柴野貞夫 2012年10月1日)
<参考論文>
☆安倍が辞任して、慌てて病院に逃げ込んだ真の理由/2007参議院選挙総括 (3)
☆安倍自民政権の崩壊は近い/2007参議院選挙総括 (2)
☆民衆は安倍改革に生存の危機を実感した/2007参議院選挙総括 (1)
☆歴史に挑戦する軍国主義的妄動―安倍《靖国》発言
(朝鮮民主主義人民共和国・労働新聞 2009年5月20日付)
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